断熱リフォームなど工場の暑さ対策を行いたいものの、資金的な理由で迷っている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、工場の暑さ対策で使える補助金を紹介します。
主な申請手順や注意点も解説するので、これまで補助金を利用した経験がない方にとって参考になる内容です。
断熱リフォームなどを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
断熱リフォームなど、工場の暑さ対策で利用できる補助金には、以下のものがあります。
・サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
・エイジフレンドリー補助金
・工場、事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業
このほかに、原油価格高騰等対策支援事業（東京都）など、地方自治体独自の制度もあります。
地域特有の気象条件や経済状況を反映した内容となっているため、自治体のホームページなどで確認してみましょう。
サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は、経済産業省による補助金制度です。
主に工場の建設や、工場設備の整備に必要な費用の補助を行います。
主な交付条件は以下の通りです。
・製造業における必要な施設であること
・工場などの施設で使用する設備機器装置であること
工場の改修工事も補助の対象になる場合があり、暑さ対策のための設備導入やリフォームでも利用できるケースがあります。
公募の時期や事業規模によって詳細が異なるため、交付条件に当てはまるかどうかは、最新の公募要領などで確認してください。
「エイジフレンドリー補助金」は、厚生労働省による補助金制度です。
高齢労働者のための設備導入や、健康促進維持を目的としています。
以下の3つのコースがあります。
・高年齢労働者の労働災害防止コース
・転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
・コラボヘルスコース
たとえば、高齢労働者にとって負担が大きい環境を改善するための取り組みは「高年齢労働者の労働災害防止コース」の対象となります。
それぞれのコースごとに、補助率や上限額が異なります。
【対象事業者】
・労災保険に加入している中小企業事業者かつ、1年以上事業を実施していること
・役員、派遣労働者を除く、高年齢労働車（60歳以上）を常時1名以上雇用していること
・対象の高年齢労働者が補助対象に係わる業務に就いていること
業種や具体的な取り組みについては、厚生労働省の「エイジフレンドリー補助金」のホームページを参照してください。
「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業」はSHIFT事業とも呼ばれ、環境省による補助金制度です。
日本の中長期的な温室効果ガス削減目標の達成に貢献することを目的として、スタートしました。
主要な補助事業は2つあります。
・CO2削減計画策定支援
・省CO2型設備更新支援
CO2を減らすため、という名目での設備投資が認められれば、補助金の対象となります。
補助対象や補助率、上限額はそれぞれ異なるため、詳細は環境省のホームページで確認してください。
断熱リフォームで補助金を申請する際の基本的な手順を紹介します。
・補助金の対象について確認する
・補助金の申請を行う
・工事終了後に完了報告を提出する
申請手順は、各補助金によって異なる場合があります。
検討している補助金がある場合、申請に必要な書類や手順などの詳細は事前に確認しておくと安心です。
国や地方自治体が行っている補助金の中で、対象となるものがあるかを確認しましょう。
インターネットを使って自分で調べるほか、工事を依頼する業者に相談するのも方法の一つです。
補助金ごとにそれぞれ申請期限や交付条件があるため、申請前によく確認してください。
補助金の申請には、申請書類とともに、予算書など必要書類の準備が必要となります。
見積書や図面が必要な場合は、業者に相談して用意してもらいましょう。
なお、必ず補助金がもらえるわけではないため、業者との契約は結果がわかってからが安心です。
工事が完了したら、完了報告を行う必要があります。
完了報告など、手続きを最後まで行わないと補助金が振り込まれない可能性があるため、注意してください。
決められた提出期限に遅れないよう、できるだけ速やかに提出するとよいでしょう。
補助金を申請する際の主な注意点は以下の通りです。
・補助金は毎年あるわけではない
・補助金は後払いが多い
・支給までに時間がかかる
・補助金の支給対象になるのは事業期間内に限られる
・事務処理が適切でないと受給できない場合がある
・会計検査院の検査が入る場合もある
初めて補助金の利用を検討している方には、なじみのない内容も多いかもしれません。
補助金の要項には早めに目を通し、しっかりと準備をしておきましょう。
補助金は毎年必ず実施されているわけではありません。
そのため、補助金や助成金については最新の情報をチェックする必要があります。
補助金や助成金の関連ホームページをこまめに見るなど、意識して情報を得るようにしましょう。
多くの補助金は後払い制です。
そのため、まずは自社で支払いを行う必要があります。
申請した事業総額と同額の資金を用意しておきましょう。
また、補助金は必ず受給できるわけではない点にも注意が必要です。
補助金は、申請してから実際に支払いが行われるまでに時間がかかります。
具体的な時間は申請先によっても異なりますが、事業終了後から数ヶ月はかかると考えてください。
資金的に余裕をもって申請すると安心です。
補助金では、一般的に事業期間が定められています。
事業期間内に支出した経費でなければ、補助を受けられない可能性があります。
補助金によって設定が異なるため、事業期間は事前に確認しましょう。
事務処理を最後まできちんと行わないと、補助金を受け取れない場合もあります。
提出書類が正確に作成されていない、または目的以外の諸経費が含まれている場合、補助金の支給が受けられないケースもあるため、事務処理は適切に行いましょう。
補助金の財源は税金などです。
そのため、正しく使われているかチェックされる可能性があります。
提出書類などに不備がなければ問題ありませんが、不正と疑われる場合、会計検査院から指摘が入る可能性があります。
補助金を活用して実施できる工場の暑さ対策には、以下のようなものがあります。
・断熱材リフォームを行う
・遮熱シートを導入する
・エアコンや送風機を導入する
・空調服や水冷服などを導入する
それぞれ具体的な内容を紹介します。
工場は、屋根などに断熱材が施工されていない場合が多いです。
屋根材の下に断熱材を入れるだけで、太陽光で暑くなった屋根の熱が室内に入り込みにくくなり、室温の情報を防げます。
また断熱材を壁や屋根に貼りつけると、冬の寒さ対策にもなります。
断熱材と同様に、遮熱シートも暑さ対策に効果的です。
工場の屋根や壁、熱を発する機械の回りに遮熱シートを施工すれば、室温の上昇を抑えられます。
空調効率も良くなり、省エネや光熱費削減につながります。
工場内にエアコンや送風機など、新たな設備を導入する方法が最もメジャーといえます。
新たに設備を導入することで省エネにつながる、もしくは働いている高齢者の労働災害防止につながる、と認められれば補助金の対象となる場合があります。
暑さ対策としては、空調服や水冷服、保冷剤付きのベストといった新しい作業服の導入も考えられます。
作業場所だけでなく、暑さは人によって感じ方が異なります。
作業服等であれば、個人に合わせた暑さ対策が可能です。
断熱材や遮熱シートなどの暑さ対策を検討しているものの、費用がネックになっている場合は、補助金が利用できるかどうか調べてみましょう。
国が行っているものだけでなく、地方自治体独自のものもあります。
自分で調べきれない場合、業者に相談するのも方法の一つです。
断熱材や遮熱シートの施工実績が多い業者に相談すると、具体的な工事内容についてもアドバイスをもらえます。
ぜひ問い合わせてみましょう。
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