「熱中症対策の会社義務の内容について知りたい」
「熱中症対策を怠った場合、何か罰則はあるのだろうか」

工場内の暑さに悩んでいる方の中には、熱中症対策について会社にどのような義務があるのか知りたい方もいるでしょう。

2025年6月の法改正によって、工場の熱中症対策は罰則付きの義務へと変わりました。

この記事では改正の目的や罰則の内容、熱中症の予防策について解説します。

従業員の安全と工場の安定稼働を守るための参考にしてください。

熱中症対策の会社義務は「重篤化の防止」

近年、職場における熱中症での死亡災害が増えており、ほとんどに初期症状の放置・対応の遅れがみられました。

こういった背景から、2025年6月1日に労働安全衛生規則の一部を改正する省令が施行され、現場において死亡に至らせない（重篤化させない）ための対策が義務化されました。

義務化の対象は次の2つの条件を満たす職場になります。

・WBGT（暑さ指数）が28度以上、または気温が31度以上の環境
・作業時間が連続1時間以上、または1日4時間を超える場合

WBGTとは暑さ指数と呼ばれ、気温、湿度、輻射熱などの熱環境の3つを取り入れた指標です。

会社での熱中症対策は法的な義務となっているため、怠った場合は罰則が科せられるおそれがあります。

▼関連サイト
厚生労働省｜職場における熱中症対策の強化について

熱中症対策の会社義務は怠ると罰則を科せられる場合がある

義務化された対策を怠り法令違反と判断された場合、労働安全衛生法の第119条および第122条によって、下記の罰則が科せられるおそれがあります。

・違反した者に6か月以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金
・法人の場合にも50万円以下の罰金

また、熱中症により事故が発生した場合は労働安全衛生規則の省令違反だけではなく、労災に認定されるおそれがあります。

労働契約法の安全配慮義務違反に該当したと判断されれば、従業員から損害賠償を請求される可能性があります。

金銭的な損失だけでなく、ブランドイメージの低下や企業の体質を懸念されることによる取引機会の損失なども起こるため、十分な対策が必要です。

▼関連サイト
e-Gov法令検索｜労働安全衛生法

会社義務となっている熱中症対策の内容

改正された労働安全衛生規則では、熱中症の重篤化を防止するために「見つける」「判断する」「対処する」を基本的な考え方としています。

この考え方を実際に行うために、以下の3点が義務化されました。

・早期発見につながる報告体制の整備
・熱中症を重症化しないための対応手順の作成
・報告体制と対応手順を関係者に周知

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

早期発見につながる報告体制の整備

事業者は従業員が自身の自覚症状や同僚の異常を発見した場合に「誰にどうやって報告するか」などの体制を、あらかじめ決めておく必要があります。

報告を受ける責任者やその連絡先を定め、作業中いつでも報告できる状態を保つことが重要です。

熱中症の重症化を防ぐためにも、初期段階で発見できる仕組みづくりが重視されています。

また、単に報告を待つだけでなく次のような取り組みも推奨されています。

・管理者による作業場所の巡視
・2人1組で作業し互いの体調を確認するバディ制の採用
・心拍数などを監視できるウェアラブルデバイスの活用

上記のような取り組みを実施して、体調不良者の積極的な発見に努めましょう。

熱中症を重症化しないための対応手順の作成

事業者は熱中症が疑われる作業者を発見した場合に「誰が何をどのような順番で対応するのか」など、手順をあらかじめ作成しておく必要があります。

具体的な処置の内容は下記のとおりです。

・作業を直ちに中断させる
・涼しい休憩場所へ移動させる
・衣服を緩めて身体を冷やす
・水分・塩分を補給させる
・医療機関に搬送して医師の診察を受けさせる　など

上記はあくまで一例のため、対応手順は現場に即した内容で定めましょう。

万が一の事態に備えて、職場の緊急連絡網や搬送先となる近隣の医療機関の連絡先・所在地を手順書に明記しておくことも重要です。

また、熱中症はいったん回復したように見えても、のちに症状が悪化するケースがあります。

体調が急変した場合に備えて、本人や家族からの連絡体制やその後の対応方法についても具体的に定めておく必要があります。

報告体制と対応手順を関係者に周知

作成した報告体制と対応手順は、職場で作業する関係者全員に周知させなければなりません。

周知の方法としては職場の見やすい場所への掲示やメールによる通知、手順書の配布、朝礼やミーティングでの伝達などが挙げられます。

ただ周知するだけでなく、熱中症が発生したときに全員が迷わず行動できるよう、内容を正確に理解してもらうことが重要です。

口頭での説明だけでは人によって受け取り方が異なったり、内容を忘れてしまったりする可能性があります。

掲示物やマニュアルの配布といった複数の手段を組み合わせて、周知を徹底しましょう。

会社で実施できる熱中症の予防策

法規制への対応だけでなく、従業員の安全を守り工場の生産性を維持するためにも、熱中症を発生させにくくする職場の環境づくりが重要です。

作業環境を改善して熱中症リスクを低減できれば、従業員がより安心・安全に働けるようになります。

ここでは、工場を運営している会社で実施できる熱中症の予防策について解説します。

屋根や壁・機械に遮熱対策を行う

建物や機械に遮熱対策を行えば、暑さの要因である輻射熱の影響を抑える効果が期待できます。

輻射熱とは太陽や高温の機械から放出される熱のことです。

太陽によって熱せられた屋根や外壁から輻射熱が侵入すると、工場内の温度が上昇します。

また、溶鉱炉や乾燥炉といった高温になる機械から放出される輻射熱も暑さの要因です。

屋根への遮熱工事や機械を遮熱シートで囲うことによって輻射熱をカットすれば、工場内の暑さが改善されるため、熱中症のリスク低減につながります。

導入コストはかかりますが、空調の負荷が軽減されるため電気代などの削減効果も期待できる対策です。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、遮熱材「シャネリア」や「遮熱カーテン」による遮熱対策の相談を承っています。

熱中症の予防として遮熱対策をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

シャネリアの詳細はこちら
遮熱カーテンの詳細はこちら

冷房やスポットクーラーを導入する

冷房設備で工場内の温度や湿度を直接管理する方法も有効です。

除湿機能がある冷房設備なら、暑さ指数の元となる気温を下げるだけでなく、汗の蒸発を妨げて熱中症リスクを高める湿度も同時に改善が可能です。

また、作業環境を快適な状態に保つことで従業員の集中力が高まり、生産性の向上にも期待できます。

ただし、工場全体をカバーするような大規模な空調設備の導入にはコストがかかり、継続的に電気代が発生する点に留意しましょう。

送風機やシーリングファンを設置する

送風機やシーリングファンを使用して工場内に風の流れを生み出せば、従業員の体感温度を下げる効果が期待できます。

設置する製品や工場の環境によっては比較的低コストで導入でき、すぐに効果を実感しやすいのが特徴です。

工場内の空気が循環するので、熱のこもりを解消したり空調効率を向上させたりする効果も期待できます。

一方で、風によって床のホコリが舞いやすくなるため、こまめな清掃が必要になる場合があります。

ミストシャワーを導入する

ミストシャワーを導入すれば、水が蒸発する際の気化熱を利用して周辺の気温を下げられるため、熱中症の予防につながります。

エアコンやスポットクーラーと異なり、屋外などの開かれた空間でも利用できる点がメリットです。

ただし、湿度が高い環境で多用すると蒸発しきれなかった水分が湿度をさらに上昇させ、逆に蒸し暑さを助長してしまう可能性があります。

また、ミストによって床が濡れると滑りやすくなるため安全対策もあわせて検討が必要です。

こまめに休憩時間を設ける

高温環境下での作業が長時間に及ぶと熱中症リスクが高まるため、こまめに休憩時間を設ける方法も効果的です。

休憩所に冷房を設置したり、冷たい飲み物を用意したりして効果的に体を冷やす環境を整えましょう。

また、熱中症対策には塩分の補給も必要となるため、経口補水液や塩分入りのタブレットなどを用意して従業員に摂取を促すことも大切です。

熱中症対策の会社義務は法令で定められているため適切に対応しよう

熱中症対策は労働安全衛生規則の改正によって罰則付きの義務に変わりました。

規則に違反したと判断された場合は罰則が科せられる可能性があるため、適切に対応することが求められます。

ただし、義務化された対策だけでなく従業員の安全と工場の生産性を維持するためにも作業環境の改善による熱中症の予防が大切です。

対策の中でも、遮熱は暑さを軽減するだけでなく、空調のコストを削減する効果も期待できます。

自社の環境に合った対策を講じて熱中症にならない職場環境を作り、会社の義務を果たしましょう。

▼関連記事
職場で熱中症の発生時に問われる企業の責任とは？予防策についても紹介

近年、職場では熱中症による事故が後を絶ちません。

厚生労働省によると、令和6年の熱中症による死傷者（死亡・休業4日以上）は1,257人にのぼり、その約4割が製造業や建設業で発生しています。

令和4・5年に発生した死亡災害では、初期症状の放置や対応の遅れが多く見られました。

これを受け、重篤化防止のために令和7年6月から労働安全衛生規則の改正が施行され、熱中症対策の実施が企業の義務となりました。

この記事では、罰則や義務化された熱中症対策の内容、そして工場が整備すべき体制について解説します。

熱中症対策を怠った場合に科せられる可能性のある罰則

労働安全衛生法は、企業が労働者の安全と健康を確保するために必要な措置を講じることを定めた法律です。

その具体的な運用基準を示しているのが労働安全衛生規則であり、現場で守るべきルールが細かく定められています。

令和7年6月の改正では、熱中症の重篤化を防止する措置が新たに義務化されました。

これにより、屋内外を問わずWBGT値（暑さ指数）が一定以上になる職場では、作業環境の改善や従業員教育など、具体的な対策を講じることが企業の責務となりました。

WBGT値（暑さ指数）とは、熱中症の予防を目的とした指標です。

この義務を怠った場合、労働安全衛生法第119条および第122条に基づき、下記の罰則が科せられる可能性があります。

・個人には「6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」
・法人には「50万円以下の罰金」

また、第98条では違反が確認された際に、都道府県労働局長や労働基準監督署長から下記の命令が下される場合もあります。

・作業の全部または一部の停止
・建設物等の全部または一部の使用停止　など

罰則や行政の命令を回避するためにも、適切に対策を講じることが重要です。

▼関連サイト
e-Gov法令検索｜労働安全衛生法
厚生労働省｜労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について

改正によって義務化された熱中症対策の内容

改正後は「早期発見するための体制の整備」「重症化防止のための手順の作成」「関係者への周知」が新たに義務化されています。

下記の2つを満たす環境で作業が行われる場合は、重篤化を防止するための熱中症対策が必要です。

・WBGT値（暑さ指数）が28度以上、または気温が31度以上の環境
・作業時間が連続して1時間以上、または1日4時間を超える見込みがある場合

工場では作業環境の温度やWBGT値（暑さ指数）を把握し、異常を感じた従業員がすぐ報告できる体制や熱中症に適切に対応できる仕組みを整える必要があります。

▼関連サイト
厚生労働省｜職場における熱中症対策の強化について

熱中症発生による罰則を防ぐために整備すべき体制

熱中症発生による罰則を防ぐためには、義務化されている体制作りが欠かせません。

ここでは、法令遵守のために整備すべき3つの体制を紹介します。

熱中症を早期に発見・報告できる体制を整える

熱中症の重篤化を防止するためには、初期症状の段階で早期に発見・報告できる体制づくりが重要です。

自身が自覚症状を感じたときや、熱中症の可能性がある従業員を発見したときに、報告できるように手順や連絡方法を定めておきましょう。

また、作業員同士で体調を共有・報告できる仕組みを整えておくと、異常を見逃しにくくなります。

責任者による定期的な声かけや巡回の実施も効果的です。

「顔色が悪い」「汗が出なくなっている」といった普段と異なる状態に早く気づくことで、倒れる前に休ませるなど、早期の対応が可能になります。

重症化を防ぐための対応手順を作成する

熱中症の初期症状に気づけたとしても、対応が遅れれば重症化するおそれがあります。

そのため、異常が起きたときに「誰が・何を・どの順に行うか」を明確にした対応手順を決めておきましょう。

緊急連絡網や緊急搬送先の連絡先を設定し、作業の離脱や身体の冷却、医療機関への搬送など、工場の状況に合わせた手順の内容を定めておく必要があります。

あわせて、WBGT値（暑さ指数）が上昇したら休憩回数を増やす・作業時間を短縮するなどのルールも定めておくと安心です。

作成した手順は現場にいる全員が理解し、すぐ行動できるよう周知を徹底しましょう。

明確な対応フローがあれば、現場の混乱を防ぎ、熱中症が重症化するリスクも減らせます。

従業員や関係者への教育と周知を徹底する

どれほど体制や対応手順を整えても、現場で働く従業員一人ひとりが内容を理解していなければ、行動に移せません。

定めた報告体制や対応手順を朝礼やミーティング、社内掲示、メールでの通知などを活用して、従業員や関係者に周知徹底させましょう。

また、発症時の報告体制や対応手順だけでなく休憩・給水ルールをポスターや掲示物で可視化するのも効果的です。

定期的な研修やミーティングを通じて、熱中症への意識を高め続けることも重篤化の防止につながります。

熱中症対策を怠った場合に発生する罰則以外の経営リスク

熱中症対策を怠ると、罰金や行政処分だけでなく、企業経営にも深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

ここでは、特に注意すべき2つのリスクを紹介します。

労災事故や損害賠償請求の発生

企業には、労働者の安全を確保するための安全配慮義務があり、従業員が熱中症になると労災認定や損害賠償請求に発展するおそれがあります。

対策が不十分な環境で熱中症が発生した場合、「予防できたのに対策を怠った」と判断され、民事上の責任を問われるケースも少なくありません。

労災が発生した際には、企業が治療費などの補償責任を負うことになります。

また、労災保険で補償されない分については、企業側が直接費用を負担しなければならない場合もあります。

社会的信用の悪化

熱中症による事故や罰則が報道されると、企業の社会的信用が悪化するおそれがあります。

安全管理が不十分な企業と見なされれば、取引先との関係や採用活動への影響も避けられません。

事故による生産ラインの停止のようなトラブルを回避するために、安全体制の整備状況について取引先が重視している場合もあります。

従業員の安全を守ることはもちろん、企業の信頼とブランド価値を守るうえでも、熱中症対策は欠かせない取り組みです。

職場環境を整えて熱中症の発生を防ぐ方法

作業中の体調管理や従業員への教育だけでなく、作業環境そのものを改善することも、熱中症を防ぐうえで欠かせません。

設備面を整えることで、WBGT値（暑さ指数）を下げ、作業効率や従業員の集中力を保ちやすくなります。

罰則リスクを回避するためにも、熱中症を発生させない環境づくりが大切です。

ここでは、工場で実施しやすい環境改善策を紹介します。

遮熱や断熱で作業環境を改善する

屋根や外壁からの熱の侵入を防ぐ遮熱や断熱は、熱中症の予防に効果的な対策です。

屋根や外壁に遮熱や断熱の対策を実施すれば熱の侵入を抑えられるため、WBGT値（暑さ指数）の上昇を防ぎ、作業環境の安全性を高める効果があります。

とくに遮熱は、暑さの主な要因でもある輻射熱に有効です。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、アルミニウムやポリエチレンを組み合わせた遮熱材「シャネリア」を使用した施工が可能です。

輻射熱を約97％カットし、施工後は室内温度を最大15℃下げ、消費電力の削減率が最大45％になった実績もあります。

環境そのものを改善することで、従業員の安全性を高めるだけでなく、空調効率の向上にもつながります。

シャネリアの詳細はこちら

換気設備やシーリングファンの導入で空気を循環させる

遮熱対策に加えて、空気の流れを作ることも重要なポイントです。

屋内の空気が滞ると熱がこもりやすくなるため、従業員の体感温度が上昇します。

換気設備やシーリングファンを導入し、空気を循環させて熱こもりを解消すれば、室温の安定化につながります。

空調の冷気を工場内に行き渡らせて、暑さ改善の効果も期待できる対策です。

さらに、風の流れによって汗が蒸発しやすくなり、体感温度を下げる効果も得られます。

このように、空気の循環を意識して、快適な作業環境を維持しましょう。

ビニールカーテンやエアカーテンを設置して空調効率を向上させる

出入口からの熱気の流入も、WBGT値（暑さ指数）を上げる要因の一つです。

ビニールカーテンやエアカーテンを設置することで熱気の流入を遮断し、さらに冷気が流出するのを防げるので、空調効率を高められます。

熱中症の予防効果だけでなく、冷房負荷の軽減にもつながるため、コストの削減のメリットも得られます。

休憩室を設置して長時間の作業を避ける

熱中症を防ぐためには、こまめに休憩をとることが大切です。

冷房の効いた休憩室を設け、従業員が定期的に体を冷やせる環境を整えましょう。

また、冷水機や塩分補給タブレットなどを常備しておくことで、熱中症の発生リスクを低減できます。

工場の罰則リスクを低減するために熱中症対策を実施しよう

労働安全衛生規則の改正によって熱中症対策が罰則付きの義務となりました。

罰則リスクを低減するためには、義務化された体制整備だけでなく、作業環境そのものを整えて熱中症を予防することが大切です。

対策の中でも遮熱は、暑さの主な原因でもある輻射熱に効果があるため、熱中症の予防策としておすすめです。

工場全体の暑さを改善すれば、従業員の安全と企業の信用を守ることにつながります。

熱中症対策を実施して、罰則リスクを低減すると同時に安全で働きやすい職場を実現しましょう。

▼関連記事
熱中症対策をしてくれない会社が受ける影響とは？提案できる予防策も紹介
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「工場の屋根にアスベストが含まれていた場合、どのようなリフォームの方法が適しているのだろう」
「アスベストを含む屋根をリフォームする場合、何か気をつけることはあるのだろうか」

工場の屋根のリフォームについて、このように悩んでいませんか。

本記事ではアスベストを含む工場の屋根をリフォームする際の注意点を紹介します。

アスベストの含有リスクがある屋根材や施工法についても解説するので、工場の屋根のリフォームを検討している方はぜひご一読ください。

アスベストを含む屋根をリフォームする際の注意点

屋根をリフォームする際には、石綿障害予防規則などの関連する法令を遵守することが必要です。

石綿障害予防規則では、以下の内容などが定められています。

・アスベスト含有の有無を判定するための事前調査を行うこと
・事前調査は石綿含有建材調査者などの資格を保有している人（専門業者）が行うこと
・リフォーム前に労働基準監督署へ届け出ること　など

アスベストは非常に細かい繊維でできており、空気中に飛散しやすい天然鉱物です。

吸い込むと肺がんや悪性中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。

アスベストを含む建物の解体・改修工事の際に粉じんが発生するため、作業者や近隣環境にも健康被害のリスクが伴います。

そのため、アスベストを含む屋根をリフォームする際は、石綿障害予防規則によって事前調査を行うことが義務化されました。

▼関連サイト
厚生労働省｜石綿総合情報ポータルサイト 改正ポイント

スレート材の屋根にはアスベスト含有のリスクがある

工場の屋根には、強度の高さやコスト面からスレート材が採用されている場合があります。

一方で、2006年以前に建てられた工場のスレート屋根にはアスベストが含有されている恐れがあるため、注意が必要です。

ここでは、スレート材の屋根にアスベストが使用されていた理由や禁止に至るまでの経緯、事前調査の重要性について解説します。

スレート材の屋根にアスベストが使われていた理由

アスベストは耐久性や耐熱性、耐薬品性などに優れた鉱物繊維です。

古いスレート材にも利用されており、セメントと組み合わせることで強度を持たせる効果を発揮していました。

アスベストによる健康被害が深刻化するまでは、工場の耐久性や防火性を高める目的で多用されていたのです。

アスベストが含まれる建材の製造・使用が禁止された経緯

アスベストによる健康被害の深刻化が広まり、法による規制が以下のような内容で段階的に強化されていきました。

・1975年：アスベスト含有率が重量の5％を超える建材を用いた吹き付け作業が禁止
・1995年：アスベスト含有量が重量の1％を超える建材を用いた吹き付け作業が禁止
・2004年：アスベストの含有量が重量の1%を超える製品の製造、輸入、使用等が禁止
・2006年：アスベストの含有量が重量の0.1%を超える製品の製造、輸入、使用等が原則禁止（一部の製品は猶予措置）
・2012年：猶予措置をとられていたアスベスト含有製品を含めた、すべての製造、輸入、使用等が禁止

段階的に規制が強化され、現在はアスベストの製造や使用が全面的に禁止されています。

事前調査を行わずにアスベストが含有されているか判断するのは難しい

2006年にアスベストの製造、輸入、使用等が原則禁止となりました。

そのため、2006年以前に建築された建物のスレート屋根には、アスベスト含有の可能性があります。

ただし、法改正される前からノンアスベスト製品へ切り替えられている建材もあるため、築年数だけでアスベスト含有を判断するのは困難です。

外観から製品を特定して国土交通省のデータベースでアスベスト含有の有無を確認する方法もありますが、デザインが類似している屋根が多く、特定が難しいケースもみられます。

工場の屋根にアスベストが含有されているかを確認するには、事前調査を行える資格を保有している人に依頼する必要があります。

資格のない人が屋根に登って判断するのは難しく、落下の危険も伴うため、専門業者に依頼しましょう。

アスベストを含む屋根をリフォームする方法

工場でアスベストを含む屋根をリフォームするには、下記の2つの方法があります。

・カバー工法を行う
・葺き替えを行う

塗装は高圧洗浄を行う際にアスベストが飛散する可能性があるため、おすすめはできません。

アスベストを含む屋根のリフォームに適した2つの方法について解説します。

カバー工法を行う

既存の屋根材の上に、防水シートと新しい屋根材を重ね張りする工法です。

新しい屋根材で覆うことにより、アスベストの飛散や既存屋根の劣化・損傷によるリスクを低減できます。

既存屋根を撤去する必要がなく処分費用もかからないため、葺き替えよりコストが抑えられる方法です。

比較的短い工期で完了できるケースが多いため、工場全体の操業への影響を抑えながら工事を進められます。

ただし、屋根の劣化状態によってはカバー工法を施工できない場合があります。

既存屋根の劣化が激しい場合は、葺き替えによるリフォームが必要です。

葺き替えを行う

既存のアスベストを含む屋根材をすべて撤去し、下地から新規の屋根材に張り替える工法です。

アスベストを完全に除去できるため、根本的な対策をしたい場合に推奨されます。

同時に、屋根下地の点検や補修にも対応できます。

ただし、アスベストが含有している屋根材の処理が求められるため、カバー工法よりも工期が長く高額です。

専門業者に相談し、工場の予算や稼働状況、安全性などを考慮したうえで検討することをおすすめします。

アスベストを含む屋根のリフォームを依頼する業者の選び方

アスベストを含む屋根のリフォームを依頼するのに適した業者の特徴として、以下の2点が挙げられます。

・石綿含有建材調査者が在籍
・工場の屋根をリフォームした実績が豊富

専門的な知識を持ち、経験を積んだ業者は信頼性が高いのでおすすめです。

石綿含有建材調査者が在籍

アスベストを含む屋根のリフォームは、石綿含有建材調査者が在籍している業者に依頼しましょう。

専門の知識を持った石綿含有建材調査者が在籍している業者なら、リフォームと同時に事前調査の依頼もできます。

遮熱やさん（運営：植田板金店）は石綿含有建材調査者の資格取得者が在籍している業者です。

工場の屋根をリフォームした実績が豊富

工場の屋根をリフォームした実績が豊富な業者を選ぶことも大切です。

施工実績が豊富であれば、自社工場の状況に適した工事を提案してもらえる可能性が高いからです。

アスベスト対策や工場の稼働に関する配慮なども期待できます。

アスベストを含む屋根をカバー工法でリフォームするなら遮熱材の活用がおすすめ

屋根のリフォーム方法としてカバー工法を採用するなら、遮熱材の活用がおすすめです。

カバー工法と同時に遮熱材を設置すれば、別々に施工するよりも手間やコストが抑えられ、アスベスト対策と同時に遮熱効果が得られます。

遮熱材は、太陽からの熱線を反射させて工場内に熱が侵入するのを防ぐ建材です。

遮熱材を設置すれば工場内の温度上昇が抑えられ、夏場でも快適な作業環境の実現につながります。

空調の負荷も抑えられ、光熱費の削減効果も期待できます。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、オリジナル遮熱材「シャネリア」を使用した工事が可能です。

シャネリアは建物内の温度を施工する前より最大で15℃低下させ、空調の設定温度の変化によって消費電力を最大45％カットした実績を持つ遮熱材です。

屋根材にアスベストが含まれているか心配であれば、遮熱工事の事前調査の際に確認しますので、お気軽にご相談ください。

シャネリアの詳細はこちら

アスベスト対策として屋根にカバー工法を施工した事例

遮熱やさん（運営：植田板金店）でアスベスト対策として屋根にカバー工法を施工した事例を紹介します。

どのように施工したのかを解説しているので、アスベストを含む屋根のリフォームを検討する際の参考にしてください。

岡山県勝田郡の事例

夏場は建物の内部が約40℃に上がる工場で、アスベスト対策と暑さ対策のために遮熱工事を行いました。

既存のスレート屋根にシャネリアを敷き、新しい屋根材を被せるカバー工法を採用しています。

アスベスト対策と同時に、夏場も快適で美観が向上した屋根となりました。

岡山市北区の事例

スレート造りの工場で、アスベスト対策と暑さ対策を兼ねて遮熱工事を行った事例です。

既存屋根に設置したシャネリアの上にガルバリウム鋼板のカバー材を被せました。

新品同様の外観になり、「前ほど暑くなくなった」とのお声もいただいています。

倉敷市の事例

暑さによる機械トラブルによって生産ラインに影響が出たことがある工場で、暑さ対策・アスベスト対策・強度の補強を目的として遮熱工事を行った事例です。

施工する面積が広いため、シャネリアを貼った上に新しい屋根材を被せるといった工程をエリアごとに進めていきました。

屋根の外観が一新され、安全性を備えた屋根となりました。

アスベストを含む屋根をリフォームするなら信頼できる業者に依頼しよう

工場の屋根をリフォームする際には、建材にアスベストが含まれているか確認する事前調査が必要です。

アスベストを含む屋根をリフォームするなら、コストや工期が抑えられるカバー工法がおすすめです。

カバー工法を施工する際に遮熱材を活用すると、アスベスト対策と同時に暑さ対策・外観の美化が可能となります。

ぜひ、信頼できる業者にアスベストを含む屋根のリフォームを依頼しましょう。

▼関連記事
工場のリフォームを行うべき理由とは？検討する時期や注意点なども解説
工場や倉庫のスレート屋根に暑さ対策が必須な理由！最適な方法を解説

「岡山市にある工場についてアスベスト調査を依頼したい」
「岡山市でアスベスト調査を依頼できる業者を知りたい」

岡山市でアスベストの調査を依頼する業者を探しているなら、遮熱やさん（運営：植田板金店）がおすすめです。

本記事では、アスベストの調査を依頼する業者として遮熱やさん（運営：植田板金店）をおすすめする理由や調査に活用できる補助金などを紹介します。

岡山市の工場についてアスベスト調査を依頼したいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

岡山市でアスベスト調査を依頼する業者に遮熱やさんをおすすめする理由

遮熱やさん（運営：植田板金店）は岡山県岡山市に本社がある会社です。

なぜ、岡山市でアスベスト調査を依頼する業者として、遮熱やさん（運営：植田板金店）をおすすめするのか理由を解説します。

石綿含有建材調査者が在籍している

遮熱やさん（運営：植田板金店）には石綿含有建材調査者が多数在籍しています。

2020年の法改正によって、建築物や工作物を解体・改造・補修する際にはアスベストの有無について事前調査が必要となりました。

2023年10月からは、石綿含有建材調査者といった必要な知識を有する者による事前調査が義務化されています。

岡山市でアスベスト調査を依頼するなら、石綿含有建材調査者が在籍している遮熱やさん（運営：植田板金店）にお任せください。

アスベスト調査以外にも屋根や外壁の工事に対応できる

遮熱やさん（運営：植田板金店）はアスベストの調査だけでなく、工場の屋根や外壁への工事にも対応しています。

主に対応している工事は下記のとおりです。

・カバー工法
・遮熱工事
・修繕工事　　など

調査を行った結果、アスベストの含有が確認できた場合には、飛散を予防する対策も希望に応じて提案いたします。

既存の屋根に新しい屋根材を被せるカバー工法は、アスベストの飛散対策にもなる施工法です。

カバー工法で屋根に遮熱材を設置すれば、アスベスト対策だけでなく遮熱効果も高まるため、費用対効果が高くおすすめです。

遮熱やさん（運営：植田板金店）なら調査で終わらず、その後の対策についてもご相談いただけます。

豊富な施工実績がある

遮熱やさん（運営：植田板金店）の年間施工実績は3,000棟以上で、工場への施工実績も豊富です。

施工してきた経験から、工場経営のポイントを押さえた柔軟なプランをご案内します。

光熱費の削減や作業環境の改善など、 工場運営に関わる課題への相談にも対応いたします。

アスベストが使用されている可能性がある主な建材

アスベストを含有している恐れがある具体的な建材は下記のとおりです。

・スレート波板
・吹き付け石綿
・石綿断熱材
・石綿セメント板
・ビニル床タイル　など

アスベストは石綿とも呼ばれており、非常に細い鉱物繊維です。

丈夫という特性から建材に多く使用されている一方で、肺がんや中皮腫などを引き起こす発がん性が問題となっています。

アスベストが飛散すると健康被害を発生させる恐れがあるため、工事前にアスベストが建材に含有されていないか確認する事前調査が義務化されました。

アスベストは2006年から全面禁止となっていますが、工場が建築された時期によってはアスベストを含む建材が使用されている場合があります。

岡山市でアスベスト調査に活用できる補助金・助成金

岡山市では「民間建築物吹付けアスベスト除去等補助制度」がアスベスト調査に活用できる場合があります。

露出している吹付け材にアスベストが含有されているかを調査する費用を補助する制度です。

多数の人が利用、かつ建物解体など除去予定がない岡山市に既存する建物が対象となっています。

調査を行う場合は、全ての種類のアスベストについて、定性分析・定量分析が必要です。

他にも、分析を行う機関は公益社団法人日本作業環境測定協会または、一般社団法人日本環境測定分析協会に所属しているなどの条件があります。

制度内容や補助金額は年度によって変わる可能性があるため、最新の情報をサイトで確認しましょう。

▼関連サイト
岡山市｜岡山市民間建築物吹付けアスベスト除去等補助制度のご案内

アスベスト調査が必要になった背景

アスベストの健康被害を予防するために、2005年に石綿障害予防規則が制定されました。

しかし、制定後も必要な措置が講じられていない事例がみられたため、2020年に厳格化する内容へ法令が改正されました。

改正後は下記の対応が必要となります。

・解体などに伴う事前調査は設計図などの書類と目視にて資格保有者等が行う
・調査結果の記録は3年間、保存しなければならない
・条件を満たす建物の場合、事前調査の結果を労働基準監督署に届け出る　など

岡山市でも2022年4月からアスベストの事前調査の結果報告が義務化されています。

事前調査の報告や記録の保存を行うのは、基本的に元請業者です。

建物の所有者には、調査に関わる費用の負担や設計図などの提供が求められます。

▼関連サイト
厚生労働省｜石綿総合情報ポータルサイト 改正ポイント

アスベスト調査だけでなく飛散予防も必須

建物にアスベストを含む建材が使用されている場合は、アスベストを飛散させない対策が必要です。

例えば、工場の屋根に使用されているスレート材は、雨や風によって浸食されるとアスベストが露出して風に飛ばされる可能性があります。

従業員や近隣住民に被害が及ぶ恐れがあるため、すぐに建物の解体・改修を行わない場合でもアスベスト対策を行いましょう。

岡山市でアスベスト対策を行うならカバー工法が効果的

アスベストの除去には多くのコストや工期を要するため、アスファルトの飛散を予防するならカバー工法がおすすめです。

カバー工法とは、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材をかぶせる施工法です。

屋根の撤去費用がかからないためコストを抑えられるだけでなく、既存の屋根材を雨風から守り、劣化を防ぐ効果も期待できます。

さらに、カバー工法と同時に遮熱材を設置すれば、コストを抑えながら工場内の暑さ対策も可能です。

遮熱材が太陽から放出される熱線を反射して屋根からの熱の侵入を抑え、工場内の室温上昇を抑制します。

室温が安定しやすくなるため、空調コストの削減にも有効です。

遮熱やさん（運営：植田板金店）のオリジナル遮熱材「シャネリア」は、施工前より室内温度を最大15℃低下させた実績があります。

遮熱工事を行う前の調査時に、アスベストの有無について確認も可能なため、アスベストが心配な方はご相談ください。

シャネリアの詳細はこちら

アスベスト対策として岡山市および周辺地域でカバー工法を施工した事例

遮熱やさん（運営：植田板金店）が、岡山市や周辺地域の建物にアスベスト対策としてカバー工法を施工した事例を紹介します。

施工前後の写真も掲載しておりますので、工事を検討する際の参考になれば幸いです。

岡山市北区の事例

部品の加工や倉庫として使用している工場にカバー工事を施工した事例です。

工事の理由は工場の暑さ対策ですが、アスベスト対策も兼ねています。

既存の屋根にシャネリアを敷いて、上からガルバリウム鋼板の屋根材を被せています。

施工後は「全体的に効果は見られるが、特に2階が前ほど暑くなくなった」と、暑さに対する効果も実感していただきました。

岡山市中区の施工事例

岡山市中区の工場にカバー工法を施工した事例です。

岡山で行われたイベントにて「工場の夏の暑さ対策」と「古いスレート屋根のアスベスト対策」に関心を持っていただき、施工となりました。

ドローンでの撮影や現地調査、デモ機による説明会などを実施しています。

ガルバリウム鋼板の屋根を上から被せる工事を行い、見た目も美しくなっています。

岡山県勝田郡勝央町の事例

金属加工を行っている建物に施工した事例です。

屋根はスレート材を使用しており、アスベストと夏の暑さ対策のために工事を依頼していただきました。

ドローンで確認したところ、経年劣化が進み部分的にも損傷がある状況でした。

夏場は建物の中が40℃くらいになることもあったため、遮熱材を設置してカバー工法を行っています。

岡山市の工場でアスベスト調査・対策を希望するなら遮熱やさんにご相談ください

法令の改正によって、建物を解体・改修などを行う際にアスベストの事前調査の方法が厳格化されました。

事前調査は石綿含有建材調査者といった必要な知識がある人が対応しなければなりません。

遮熱やさん（運営：植田板金店）は、石綿含有建材調査者が在籍している業者です。

アスベストの調査だけでなく飛散対策に関する相談にも対応しています。

岡山市でアスベストの調査・対策を依頼するなら、ぜひ遮熱やさん（運営：植田板金店）にご相談ください。

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工場・倉庫の屋根改修におすすめのカバー工法とは？メリットや事例も紹介
工場の屋根修理の方法を紹介！屋根の種類や業者選びについても解説

「自社工場の屋根にアスベストが含まれている可能性があるが、どのように対策すればいいかわからない」
「カバー工法がアスベスト対策として適しているのか知りたい」

健康被害のリスクから、アスベストの規制が強化されており、2006年以降はアスベストを含む屋根材がほぼ使用されていません。

しかし、2006年より前に建てられた工場には、屋根材にアスベストが含まれたものが残っている場合があります。

屋根材が劣化すると、アスベストが飛散する可能性があるため、事前に対策を行っておくと安心です。

本記事では、工場屋根のアスベスト対策におすすめするカバー工法について紹介します。

アスベスト対策が必要な理由や、カバー工法を選ぶメリットやデメリットなども解説するので、ぜひご覧ください。

工場の屋根にアスベスト対策を行うならカバー工法がおすすめ

工場の屋根にアスベストが含まれている場合、対策としてカバー工法が有効です。

ここでは、カバー工法の概要とアスベスト飛散の対策としておすすめする理由を解説します。

工場の屋根のアスベスト対策を検討している方は、ぜひご覧ください。

カバー工法とは

カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに、その上からガルバリウム鋼板などの新しい屋根材を重ねて取り付ける工法です。

カバー工法では既存の屋根材の上に防水シートを張り、その上から新しい屋根材を取り付けます。

既存の屋根材を撤去したり処分したりする必要がないため、工事期間の短縮やコスト削減につながります。

ただし、既存の下地が著しく腐食しているなど、カバー工法で施工できない場合があるので注意しましょう。

アスベスト飛散の対策としておすすめな理由

健康被害のリスクから、日本では段階的にアスベストの規制が強化されてきました。

2006年以降はアスベスト含有量が重量の0.1％を超える製品の製造や使用などが原則として禁止されています。

しかし、規制前に建てられた工場では、現在でもアスベストが含まれた屋根材が使われているケースが少なくありません。

アスベストを含む屋根の解体・リフォーム工事などを行う際には、アスベストが飛散する恐れがあるため、注意が必要です。

工事を行わない場合でも、経年劣化によって屋根材が風雨にさらされると、アスベストが露出し飛散するリスクがあります。

そこで有効なのがカバー工法です。

既存の屋根材を壊さず、その上から新しい屋根材で覆うことで、アスベストの飛散を防止できます。

さらに遮熱材を組み合わせて施工すれば、遮熱の機能性も高められるなど、コストパフォーマンスに優れている点も魅力です。

工場の屋根にアスベスト対策が必要な理由

アスベストを吸い込むと深刻な健康被害を引き起こすおそれがあるため、飛散させないための対策が欠かせません。

アスベストは「石綿（いしわた、せきめん）」とも呼ばれる、天然に存在する非常に細かい繊維状の鉱物です。

熱や摩擦に強く、耐久性にも優れていたため、かつてはスレート屋根や外壁材などの建材に広く利用されていました。

しかし、アスベストの繊維は目に見えないほど細かいため、空気中に飛散すると体内に吸い込んでしまうおそれがあります。

吸い込んだ小さな繊維のアスベストは体内で分解されません。

そして、肺がんや悪性中皮腫といった深刻な病気を引き起こす可能性があります。

これらの病気は、アスベストを吸い込んでから非常に長い潜伏期間を経て発症します。

発症に気づいたときには手遅れとなるリスクがあるため、事前の対策が不可欠です。

従業員や近隣住民の健康被害を防ぐためにも、アスベスト対策が求められる場合は、必ず実施しましょう。

工場の屋根を工事する際にはアスベストの事前調査が必須

アスベスト入りのスレート屋根かどうか判断したい場合は、専門の業者に確認を依頼しましょう。

石綿障害予防規則などの改正により、工場の屋根を工事する際には工事対象の建材にアスベストが含まれているかを確認する事前調査が必須となっています。

事前調査は石綿含有建材調査者といった資格を有する人が行わなければなりません。

また工事をしない場合であっても、専門の知識がないとアスベストの有無について誤った判断をするおそれがあります。

建設された時期や設計図面などで判断する方法もありますが、工場の屋根材にアスベストが含まれているか確認するのであれば、専門業者に依頼しましょう。

▼関連サイト
厚生労働省｜石綿総合情報ポータルサイト 改正ポイント

アスベストを含む屋根にカバー工法を施工するメリット

アスベストを含む屋根にカバー工法を施工するメリットは、下記のとおりです。

・費用を抑えられる
・工事期間が短い
・建材によっては機能性も向上する

それぞれ詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。

費用を抑えられる

カバー工法では既存の屋根を撤去しないため、解体費用・処分費用を抑えられます。

他の施工法でもある葺き替え工事が高額になる原因は、アスベストを含んだ廃材の処分費用です。

アスベストを含む廃棄物は法律で細かく管理されており、法律に則った厳重な手続きと専門の処分場での処理が必要です。

このような背景が、アスベストの処分費用を大幅に押し上げています。

カバー工法では、既存の屋根の解体・撤去を行わないため、葺き替え工事に比べて工事費用を大幅に抑えられます。

工事期間が短い

カバー工法では、解体という大掛かりな工程がないため、葺き替え工事と比べて工事期間が大幅に短くなります。

一般的な葺き替え工事は既存の屋根材や下地を撤去・処分し、新しい屋根材を設置します。

既存の屋根材の撤去・処分が必要な分、工事期間は長くなりがちです。

さらに、アスベストの除去・飛散防止の対策が加わるため、一般的な葺き替え工事より時間がかかる可能性があります。

一方のカバー工法は既存の建材を撤去せず、その上から新しい建材を被せるため、その分葺き替え工事より工事期間を短縮できます。

建材によっては機能性も向上する

建材によって屋根の機能性が向上するのもメリットです。

カバー工法で使用されることの多いガルバリウム鋼板は耐久性が高く、金属の中では錆びにくい点が魅力です。

ガルバリウム鋼板の屋根材には断熱材が一体型になったものや、太陽の光を反射しやすい明るい色のものがあります。

定期的にメンテナンスは必要ですが、スレート屋根とは異なり、割れ・欠けのリスクがありません。

また、同時に遮熱工事を行えば、低コストかつ遮熱機能も付加したうえでアスベスト対策が行えます。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、赤外線などで伝わる輻射熱を97%反射させる遮熱材「シャネリア」を取り扱っています。

カバー工法とあわせてシャネリアを施工すれば、アスベスト対策とあわせて暑さ対策も可能です。

アスベストが心配な方は、遮熱工事の調査時にアスベストの有無をチェックできるので、気軽にご相談ください。

シャネリアの詳細はこちら

アスベストを含む屋根にカバー工法を施工するデメリット

カバー工法はアスベストの飛散防止に効果的な対策ですが、いくつかのデメリットもあります。

まず、既存の屋根材を撤去しないため、下地が劣化している場合に状態を改善できません。

下地の劣化している状態でカバー工法を行うと、時間とともに劣化が進行し、屋根の機能を長い間維持できないおそれがあります。

また、屋根の形状や勾配、下地の劣化具合によっては施工自体が難しい場合もあります。

特に下地が著しく劣化している場合は、カバー工法ではなく葺き替え工事を選択しましょう。

カバー工法以外でアスベストを含む屋根を改修する方法

カバー工法以外でアスベストを含む屋根を改修するなら、葺き替え工事が適しています。

屋根の葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を設置する工事です。

屋根材そのものを撤去・処分するため、アスベストを完全に除去できます。

一方で、工事期間や費用がかかる点に注意が必要です。

アスベスト入りの屋根の葺き替えには、アスベストを飛散させないために行う厳重な対策が欠かせません。

撤去や処分のための梱包・運搬などにも時間を要するため、工事期間が長くなり、人件費なども加算されます。

さらに、アスベストを含む建材の処分費も高くなるため、一般的な葺き替え工事よりも負担が重くなります。

また、アスベスト入りの屋根のリフォーム手段として、塗装工事は適していません。

塗装工事では塗装前に高圧洗浄機で古い塗膜などを洗い流すのが一般的です。

ただし、アスベストを含む屋根だと、水流が屋根材を削ってアスベストを飛散させるおそれがあります。

アスベストが飛散すると作業を行う職人や近隣住民を危険にさらすことになるため、塗装によるリフォームは避けましょう。

カバー工法によるアスベスト対策を行って安心して過ごせる環境を作ろう

屋根にアスベスト対策を行うなら、カバー工法がおすすめです。

既存の屋根材に新しい屋根材を被せるので、アスベストの飛散を防げます。

葺き替え工事よりも費用がかかりにくく、短い期間で工事を終えられるほか、同時に遮熱工事なども行えます。

自社工場の屋根にアスベストが含まれているなら、アスベスト対策として、ぜひカバー工法をご検討ください。

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工場・倉庫の屋根改修におすすめのカバー工法とは？メリットや事例も紹介

「溶接マスクのフィットテスト義務化にどのような対応が必要なのか知りたい」
「フィットテスト以外の溶接ヒューム対策についても知りたい」

溶接ヒューム対策のために、法律で溶接マスクのフィットテストが義務化されました。

しかし、義務化の内容やフィットテストの方法などがわからず、お困りの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、溶接ヒューム対策で義務化されたマスクのフィットテストについて紹介します。

義務化の背景やテストの方法などを解説するので、ぜひご覧ください。

金属アーク溶接等を行う作業場でマスクのフィットテストが義務化された背景

厚生労働省は、特定化学物質障害予防規則（特化則）等を改正し、マスクのフィットテストを義務化しました。

金属アーク溶接などで発生する「溶接ヒューム」を長期間吸引すると、健康障害を及ぼすおそれがあると判明しています。

溶接ヒュームとは、アーク溶接の際に発生する、熱で溶けた金属蒸気が空気中で冷却・凝固した金属の微細な粒子のことです。

中毒性がある有害物質で、吸い込むと体内に蓄積していきます。

主な有害性として発がん性や神経機能障害、呼吸器系障害が挙げられます。

これらの健康被害から作業員を守るため、法律で下記の健康障害防止措置が義務化されました。

・全体換気装置による換気等
・溶接ヒュームの測定、その結果に基づく呼吸用保護具の使用及びフィットテストの実施等
・掃除等の実施
・特定化学物質作業主任者の選任
・特殊健康診断の実施等
・その他必要な措置

法律は令和3年（2021年）4月1日から施行・適用、フィットテストの実施は令和5年（2023年）4月1日より施行されています。

金属アーク溶接などを行っている作業場では、健康障害防止措置に対応するために、マスクのフィットテストの実施が必要です。

▼関連サイト
厚生労働省｜金属アーク溶接等作業について健康障害防止措置が義務付けられます

義務化された溶接マスクのフィットテストの内容

義務化された溶接マスクのフィットテストについて、下記の項目にわけて紹介します。

・溶接マスクのフィットテストとは
・対象となる作業場
・フィットテストが必要となる溶接マスクの種類
・フィットテストを行う頻度

それぞれ詳しく解説するので、ぜひご覧ください。

溶接マスクのフィットテストとは

溶接マスクのマスクフィットテストは、作業に使用するマスクが隙間なく密着しているかを確認する試験のことです。

マスクのフィルター性能が高くても、マスクと顔の密着が不十分だと本来の性能が発揮されません。

密着が不十分なマスクだと、顔の隙間から侵入した有害物質を吸い込んでしまい、健康を害するリスクが生じます。

そのような事態を防ぐためにも、定期的なフィットテストによるマスクの密着性の確認が重要です。

事業者には、1年以内ごとに1回のマスクフィットテストの実施と3年間の記録保存が義務付けられています。

対象となる作業場

溶接マスクのフィットテストの義務化の対象となるのは、以下の作業場です。

・金属アーク溶接などの作業を継続して行う屋内作業場
・作業環境測定の結果が「第三管理区分」に分類された作業場

「第三管理区分」とは、有害物質の濃度や粉じん等が一定水準より高く、通常の改善措置では改善が困難と判断される区分です。

第三管理区分に分類された場合、測定結果に応じて作業者に有効な呼吸保護具を使用させる必要があります。

これらに該当する作業場では、マスクのフィットテストが義務付けられます。

フィットテストが必要となる溶接マスクの種類

マスクフィットテストが必要なのは、面体を持つ呼吸保護具です。

厚生労働省が参考として例示している種類は以下のとおりです。

・取り替え式全面形面体防じんマスク
・取り替え式半面形面体防じんマスク
・使い捨て式防じんマスク
・全面形面体電動ファン付き呼吸用保護具
・半面形面体電動ファン付き呼吸用保護具

ルーズフィット形電動ファン付き呼吸用保護具は対象外です。

マスクの種類は作業場の溶接ヒュームの測定結果から「要求防護係数」を算定し、その数値をもとに決定します。

要求防護係数とは、溶接ヒュームに含まれるマンガン濃度の最大値を基準値で割って算出する数値です。

使用するマスクの種類は、算出された要求防護係数を超える「指定防護係数」を有するものから選びます。

基準を満たすマスクがしっかり密着していれば、マスク内に溶接ヒュームが入り込む心配がほとんどありません。

フィットテストを行う頻度

フィットテストの頻度は、1年以内ごとに1回とされています。

ただし、以下のタイミングでもマスクのフィットテストを実施する必要があります。

・面体を有する呼吸保護具を選択するとき
・面体を変更するとき

また、着用者に以下のような変化があった場合も、必ずマスクのフィットテストを行います。

・体重の著しい増減があった場合
・怪我や手術などにより面体と密着する部分に変化があった場合
・抜歯などにより歯列の変化があった場合
・着用時に不快感がある場合

これらはマスクの密着性に影響を与えるおそれがあります。

そのため、必要なタイミングで随時マスクのフィットテストを実施し、密着性に問題がないか確認してください。

義務化された溶接マスクのフィットテストの方法

フィットテストは、「JIS T8150」に定められた方法、またはこれと同等の方法で実施します。

テストは下記の2種類があります。

・定量的フィットテスト
・定性的フィットテスト

それぞれどのようなテストか解説するので、ぜひご覧ください。

定量的フィットテスト

定量的フィットテストは呼吸用保護具の外側・内側それぞれの測定対象物質の濃度を測定し、数値で評価する方法です。

数値はフィットファクタと呼ばれ、呼吸保護具外の測定対象物質の濃度を呼吸保護具内の測定対象物質の濃度で割って算出します。

そして算出されたフィットファクタが、下記の要求フィットファクタを上回っているかを確認します。

・全面形面体を有する呼吸用保護具：500
・半面形面体を有する呼吸用保護具：100

客観的な数値で細かく示されるため、不合格の場合も改善方法を明確にできます。

定性的フィットテスト

定性的フィットテストは、被験者が味や臭いを感じるかどうかで密着性を確認する方法です。

ごく少量でも甘味か苦みを感じる試験物質を使用し、呼吸保護具をした状態でその味を感じるかどうかで合否を判定します。

比較的低コストでフィットテストを実施でき、合否判定も可能ですが、数値化されないので詳細がわからないのが注意点です。

マスクのフィットテスト以外に実施できる溶接ヒュームへの対策

マスクのフィットテスト以外に実施できる溶接ヒュームへの対策は、下記のとおりです。

・換気設備の導入
・自動溶接機の導入
・低ヒューム溶剤の使用

それぞれ詳しく解説するので、フィットテストとあわせて実施できるものは、ぜひ導入をご検討ください。

換気設備の導入

溶接ヒュームへの対策として全体換気装置による換気や同等以上の措置も講じる必要があります。

全体換気装置は、動力で作業場全体の換気を行う装置のことです。

「同等以上の措置」とは、プッシュプル型換気装置、局所排気装置などです。

これらにより、作業場の溶接ヒュームを減少させ、健康被害のリスクを抑制できます。

なお、全体換気装置は、特定化学物質作業主任者が1ヶ月を超えない期間ごとに点検する必要があります。

自動溶接機の導入

自動溶接機とは、常に操作していなくても自動で連続的に溶接を行う機械のことです。

作業者が溶接作業を直接行わなくなるため、ヒュームにさらされにくくなります。

自動溶接機の導入にあわせて密閉化すれば、ヒュームにさらされるケースがほとんどなくなります。

ただし、換気装置の併用が必要となり、作業内容によっては自動化が困難です。

さらに、ヒュームによる自動溶接機の故障リスクや、コスト負担が大きい点なども課題です。

低ヒューム溶剤の採用

低ヒューム溶剤とは、溶接時に発生するヒュームの量を抑えるよう成分を調整した溶接材料のことです。

従来の溶剤から切り替えても、作業内容を大きく変更する必要はなく、費用もほとんど変わりません。

ただしヒュームの発生量が減少するとはいえ、ゼロにはならないため、マスクの着用や換気装置の併用は必要です。

また、使用できる低ヒューム溶剤の種類が限られているため、すべての溶接材料を置き換えられるわけではありません。

義務化された溶接マスクのフィットテストを適切に実施して安全安心な職場環境を作ろう

溶接マスクのフィットテストは、作業者の健康障害を防ぐために必要な措置です。

マスクが密着していないと溶接ヒュームを吸い込んでしまい、がんや神経機能障害、呼吸器系障害などの健康被害につながる危険があります。

ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、溶接マスクのフィットテストを実施して、従業員が安心して働ける職場環境を整えましょう。

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工場の労働環境を改善したい！課題や対処法、取り組む必要性も解説

工場の天井にカビが発生したり、天井から水が流れてきたりする場合は、天井裏に結露が発生している可能性があります。

天井裏の結露は、建物や製品などに影響を及ぼす恐れがあるため、発生させない対策が重要です。

本記事では、工場で実施できる天井裏に発生する結露への対策を紹介します。

天井裏に結露が発生する仕組みや結露が工場に及ぼす影響についても解説します。

工場の天井裏に発生する結露にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

工場の天井裏に発生する結露への対策

工場で実施できる天井裏の結露対策は、下記のとおりです。

・屋根や天井に遮熱や断熱工事を行う
・天井裏に除湿機を設置する
・天井裏に空調を設置する
・天井裏に換気設備を導入する

それぞれの対策について解説します。

屋根や天井に遮熱や断熱工事を行う

天井裏の結露には遮熱工事や断熱工事が有効です。

冬場の結露は、天井裏に溜まった暖かい空気が外気の影響で冷たくなった屋根などに触れ、冷やされることによって発生します。

とくに、冷凍庫があるエリアの天井裏は冷えやすく、結露が発生しやすい環境です。

遮熱工事や断熱工事を行えば外気の影響を抑えられるため、屋根や天井が冷えるのを抑制する効果が期待できます。

遮熱とは、太陽の光や赤外線などで伝わる輻射熱を反射させて、屋根から熱が逃げるのを防ぐ機能のことです。

断熱は物や空気で伝わる熱の移動を遅くして、熱が外に逃げるのを抑制します。

遮熱工事や断熱工事を行えば、屋根や天井と空気との温度差が少なくなるため、結露の予防につながります。

▼関連記事
遮熱材にはどんな種類があるの？断熱材との違いについても解説

天井裏に除湿機を設置する

天井裏の結露は温度差だけでなく、湿度も関係しています。

空気に含まれている水蒸気の量が多いと結露が発生しやすくなるため、湿度対策も重要です。

天井裏に除湿機を設置すれば、天井裏の湿度の低下につながります。

ただし、除湿機は稼働すると熱を発するため、天井裏の空気の温度を上昇させる可能性があります。

結露が発生する要因でもある、屋根や天井と空気との温度差を助長する恐れがあるため、注意が必要です。

除湿機には、手軽に設置しやすい床置き型やスペースを取りにくい天吊型などがあるので、導入する際は天井裏の状況に合わせて選びましょう。

天井裏に空調を設置する

天井裏に空調を設置するのも結露対策として有効です。

空調を稼働させれば、屋根や天井と空気との温度差が少なくなり結露の発生を防ぐ効果が期待できます。

除湿機能を使えば湿度も管理できるため、さらに結露が発生しにくくなります。

ただし、天井裏の状況によっては設置が難しく、設置できたとしてもメンテナンス費用が高額になる場合があるので十分に検討してから導入しましょう。

天井裏に換気設備を導入する

工場の天井裏は窓などがなく、湿気がこもりやすい環境です。

換気設備を設置して天井裏を換気すれば、こもった湿気を空気の流れによって排気できます。

空気を循環させて天井裏の気温を安定させれば、屋根や天井との温度差の解消にもつながります。

ただし、天井裏にカビが発生している場合は、導入前にカビの除去が必要です。

除去を怠ると、空気の循環によってカビの胞子が拡散する恐れがあります。

工場の天井裏に結露が発生する仕組み

工場の天井裏に結露が発生する仕組みは下記のとおりです。

・暖められた空気が天井裏に移動する
・屋根や天井に空気が触れて冷やされる
・空気内の水蒸気が水となり結露が発生する

それぞれの過程について詳しく解説します。

暖められた空気が天井裏に移動する

暖房の稼働などによって暖められた空気は上昇し、天井の隙間などから天井裏に移動します。

空気は暖かくなると上昇し、温度が高くなるほど飽和水蒸気量が増える性質があります。

飽和水蒸気量とは、空気に含まれる水蒸気の限度量のことです。

暖かい空気は飽和水蒸気量が冷たい空気より多いため、一定量の水蒸気を含んだ状態で上昇します。

水蒸気を含んだ状態の暖かい空気が天井裏にたまり、結露が発生しやすい環境になります。

屋根や天井に空気が触れて冷やされる

天井裏の暖かい空気が冷えた屋根や天井に触れると、急激に冷やされて空気の温度が低下します。

工場の屋根が外気の影響を受けやすいのは、熱を逃がしやすい金属製の屋根材などの使用が要因です。

また、冷蔵庫や冷凍庫があるエリアの天井は、外気に関係なく冷えている傾向があります。

空気は温度が低下すると飽和水蒸気量が減少するため、相対湿度が上昇します。

空気内の水蒸気が水となり結露が発生する

実際に空気に含まれる水蒸気の量が飽和水蒸気量より多くなると、多くなった分だけ水蒸気が水になります。

冷えた屋根や天井によって急激に温度が低下した空気は、飽和水蒸気量が減少しているため、結露しやすい状況です。

温度の低下とともに飽和水蒸気量より多くなった水蒸気が水滴となり、屋根や天井に結露が発生します。

天井裏に発生した結露による工場への悪影響

工場の天井裏に結露が発生した場合、下記の影響が及ぶ可能性があります。

・建物や設備の劣化
・製品の品質低下
・作業環境の悪化

工場への影響を最小限に抑えるためにも、結露対策を実施しましょう。

建物や設備の劣化

天井裏の結露は、建物の劣化を助長するカビや腐食などを引き起こす恐れがあります。

天井裏は建物内から確認が難しく、トラブルが発生していても気づきにくい場所です。

天井裏の結露の発生に気づいたときには、すでに建物に不具合が生じている場合があります。

天井の隙間から水が流れてくるほどの大量の結露が発生した場合は、外壁や床、設備などの劣化にもつながりかねません。

不具合の状況によっては、修理に時間を要し、生産スケジュールにも影響が生じる恐れがあります。

製品の品質低下

結露が発生している天井裏は、カビが発育しやすい環境です。

カビは水分や温度、栄養源、酵素の影響によって発育し、周囲に胞子をまき散らす性質があります。

結露によって天井裏にカビが発生した場合、天井の隙間や点検口などからカビの胞子が製造エリアに侵入してくる可能性があります。

製品にカビの胞子が混入した場合、出荷後にカビが発生したなどの理由で自主回収にもなりかねません。

結露が原因で水滴が天井から落ちてくると、製品が濡れる可能性もあります。

製品の品質低下は工場の信用問題にも発展する恐れがあるため、対策が重要です。

作業環境の悪化

結露が大量に発生すると天井から落下してくる水滴によって床が濡れ、従業員が転倒する危険が生じます。

また、カビは不快な臭いやアレルギー疾患を引き起こす要因です。

天井裏の結露によってカビが大量発生した場合、従業員の体調が悪化する恐れがあります。

従業員の怪我や体調の悪化は、生産性の低下にもつながります。

従業員の安全を守り、工場を安定して運営するためにも、結露対策を実施して快適な作業環境の維持に努めましょう。

工場の天井裏に発生する結露への対策には遮熱がおすすめ

天井裏の結露を予防するなら、屋根や天井と空気との温度差を少なくする遮熱がおすすめです。

遮熱材を屋根や天井に施工すれば外気の影響を抑えられるため、空気との温度差を解消する効果が見込めます。

輻射熱を反射させて外に逃がしにくくする機能によって、結露の予防だけでなく暖房効率の向上効果にも期待できる対策です。

夏場は輻射熱が工場内に侵入するのを抑制するので、暑さ改善にもつながります。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、オリジナル遮熱材のシャネリアを活用した遮熱工事が可能です。

天井裏の結露対策のために遮熱工事を検討している方は、お気軽にご相談ください。

シャネリアの詳細はこちら

自社工場に適した対策を講じて天井裏に発生する結露を予防しよう

天井裏の結露は、天井裏に移動した暖かい空気が屋根や天井に触れ、冷やされることによって発生します。

結露が発生すると建物の劣化だけではなく、製品の品質低下や作業環境の悪化といった悪影響が工場に及ぶ恐れがあるため、予防が重要です。

天井裏の結露の発生を防ぐなら、屋根や天井が外気の影響を受けるのを抑制できる遮熱工事がおすすめです。

他にも、除湿機や換気設備を導入して天井裏の湿度を下げる方法もあります。

工場の運営を安定させるためにも、自社工場に適した対策を講じて天井裏の結露を予防しましょう。

▼関連記事
工場の暑さ対策に役立つ遮熱とは？メリット・デメリットを紹介

「冬になると工場内に結露が発生して困っている」
「倉庫に結露が発生しないように対策したい」

工場や倉庫を運営している人の中には、このような悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。

工場や倉庫に発生した結露は、さまざまな悪影響を及ぼすため対策が重要です。

本記事では、工場や倉庫で実施できる結露対策について紹介します。

結露が発生する理由や結露による悪影響についても解説するので、工場や倉庫の結露にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

工場・倉庫で実施できる結露対策

工場や倉庫で実施できる下記の結露対策について紹介します。

・遮熱工事や断熱工事を行う
・シーリングファンを設置する
・換気を行う
・業務用の除湿機を設置する
・結露防止シートを活用する

一つずつ詳しく解説します。

遮熱工事や断熱工事を行う

冬場の工場や倉庫は、外気の影響によって天井や壁、床が冷えている状況です。

一方、室内は空調や暖房器具で暖めているので、天井や壁と室温には温度差が生じています。

結露は暖かい空気が冷えることで発生するため、予防するなら天井や壁などを冷やさない対策が有効です。

遮熱工事や断熱工事を屋根や外壁に行えば、熱が外に逃げにくくなり、天井や外壁が冷えるのを抑制する効果が期待できます。

遮熱は遠赤外線といった輻射熱を反射させて、熱を室内に留めやすくする方法です。

断熱は物や空気で伝わる熱の移動速度を遅らせて、熱が外に移動するのを抑えます。

施工すれば壁や天井と室温の温度差が少なくなるので結露の予防につながります。

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シーリングファンを設置する

結露の予防には、シーリングファンを設置して工場や倉庫内の空気を循環させると効果的です。

結露は空気に含まれている水蒸気が水になる現象で、湿度が高いほど発生する確率が高くなります。

空気を循環させていない工場や倉庫は、場所によって湿気がこもっている状況です。

シーリングファンを設置して空気を循環させれば、こもった湿気の解消につながります。

換気を行う

換気によって工場や倉庫内の空気を入れ替えるのも、結露対策の一つです。

工場や倉庫内にこもった湿気を排出して、結露の発生を防ぐ効果が期待できます。

ただし、冬場は外気の影響によって作業環境が悪化する恐れがあるため注意しましょう。

窓をあけて換気を行う場合は、通気するために出入り口として複数箇所の窓を開放すると効率よく換気が行えます。

窓がない場合は、屋根にルーフファンといった換気装置を設置する方法も有効です。

業務用の除湿機を設置する

結露対策として、工場や倉庫内に業務用の除湿機を設置して湿度を下げる方法もあります。

除湿機には複数のタイプがあり、床置き型はコンセントがあれば設置可能です。

天井吊り型は、除湿機を置くスペースがない場所に適しています。

食品や電子部品を生産している工場など、換気が難しい工場でも取り入れられる対策です。

結露防止シートを活用する

特定の場所の結露を予防するなら、結露防止シートの活用も有効です。

断熱タイプのシートを窓に貼れば、室内の暖かい空気が冷えたガラスに触れるのを防ぎ、結露の発生を予防できます。

湿気を吸収するタイプは、設置した場所の湿度を改善する効果が見込めます。

ただし、結露防止シートは使用できる場所が限られているため、他の対策との併用がおすすめです。

工場・倉庫で結露が発生する理由

工場や倉庫に結露が発生する理由は下記のとおりです。

・天井が高く広い空間となっているため
・熱を逃がしやすい建材を使用しているため

結露が発生する理由を理解して、適切な対策を講じましょう。

天井が高く広い空間となっているため

天井が高く広い空間が確保されている工場や倉庫は、空調を稼働させても温度や湿度管理を効率良く行えません。

また、広い空間は空気が循環しづらく、場所によっては湿気がこもります。

湿度が高いと結露になりやすくなるため、湿気がこもらないような対策を講じる必要があります。

天井が高く、暖かい空気が天井付近に滞留しやすいのも要因です。

冬は屋根や天井によって暖かい空気が冷やされて、結露が発生しやすくなります。

熱を逃がしやすい建材を使用しているため

多くの工場や倉庫では、金属製の屋根やコンクリート製の床など、熱を逃がしやすい建材が使用されています。

そのため、冬場は外気の影響によって屋根や外壁が冷えている状況です。

暖房などで暖められた空気が屋根や天井、外壁に触れて冷やされ、空気に含まれている水蒸気が水になり、結露が発生します。

結露を予防するためには、遮熱工事や断熱工事などを行って屋根や壁と室温との温度差を少なくする必要があります。

結露対策を怠った場合に起こり得る工場・倉庫でのトラブル

結露対策を怠った場合に起こる可能性がある下記のトラブルについて解説します。

・製品の品質低下
・建物や機械の劣化
・従業員の転倒
・漏電リスクの増大

工場に悪影響が及ぶリスクを低減するためにも、結露対策を実施しましょう。

製品の品質低下

工場や倉庫に結露が発生すると、製品の濡れやカビの発生によって品質が低下する可能性があります。

製品が濡れないようにストレッチフィルムで保護する方法もありますが、結露に対する根本的な解決策にはなりません。

食品工場でカビが発生した場合、衛生的な問題となる恐れがあります。

結露による濡れやカビによって品質が低下した製品が誤って出荷されてしまうと、リコールなど信用問題に発展する可能性もあります。

建物や機械の劣化

建物や機械の劣化も結露によって起こり得るトラブルの一つです。

結露が発生した場所に腐食・サビが発生し、建物や機械に不具合が生じる恐れがあります。

とくに天井裏や壁の内部は、状態を確認するのが難しい場所です。

不具合に気づかないまま劣化の範囲が拡大し、修理のために多額の費用が必要となる場合があります。

劣化によって機械の正確性が損なわれてしまうと、作業効率だけでなく製品の品質にも影響が及びかねません。

結露によって機械の電気回路が故障した場合、生産ラインに大きな遅れが生じる可能性もあります。

従業員の転倒

工場や倉庫の床はコンクリート製が一般的です。

コンクリートは熱伝導率が良く、一度冷えると温まりにくいという性質があります。

そのため、冬場のコンクリート製の床は冷えやすく、室温との温度差によって結露が発生しやすい状況です。

結露が発生した床は濡れているため、従業員が滑って転倒するリスクが生じます。

冷凍倉庫の出入り口などは、結露の凍結によってさらに滑りやすい状態となるので注意が必要です。

漏電リスクの増大

電気設備や配線が結露によって水濡れすると漏電する危険が生じます。

制御盤や配電盤のようにカバーで閉じられている状態でも、湿気を含んだ空気を完全に遮断するのは困難です。

カバーの開閉や隙間によって湿気が内部に浸入し、結露が発生する場合があります。

電気設備や配線の漏電に気づかずに従業員が触れた場合、感電する恐れがあります。

漏電は出火の要因にもなるため、工場火災といった重大な事故の発生を防ぐためにも、結露が発生しないように対策しましょう。

工場・倉庫で結露対策を実施するなら遮熱がおすすめ

工場や倉庫で結露対策を実施するなら遮熱がおすすめです。

遮熱材や遮熱シートを屋根や外壁に設置すれば、室温との温度差が生じにくくなるため、結露の予防になります。

また、輻射熱を反射させて熱が外に逃げるのを抑制するので、冬場は暖房効率の向上も見込めます。

ただし、人の出入りや輻射熱を放出する熱源がない建物では、遮熱の効果が発揮されない場合があるため注意しましょう。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、さまざまな遮熱工事に対応しているので気軽にご相談ください。

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結露対策を講じて工場・倉庫への悪影響を最小限に抑えよう

結露は製品や建物、機械の劣化など、さまざまな悪影響を工場や倉庫に及ぼします。

結露が発生してから対応するといった方法では、すでに大きな影響が生じている可能性があるため、予防が大切です。

工場・倉庫の結露は、建物の構造や使用されている建材による影響も大きく関わっているので、遮熱工事で対策するのがおすすめです。

冬場に発生しやすい結露を予防して、工場・倉庫への影響を最小限に抑えましょう。

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「自社工場で足元の寒さをどのように対策するべきなのだろう」
「工場の底冷えを根本的に解決する方法はあるのか」

工場の寒さに悩む人の中には、底冷えに悩んでいる方もいるでしょう。

本記事では、工場で実施できる足元の寒さ対策や底冷えの原因などを解説しています。

寒さによる工場への悪影響を防いで、自社工場に適した対策を検討しましょう。

工場の底冷えによる足元の寒さに対策する方法

工場の底冷えによって寒くなる足元の対策には、以下の方法があります。

・足元暖房の設置
・床用マットの設置
・遮熱材や遮熱シートの施工
・断熱材の施工
・シーリングファンやサーキュレーターの設置
・ビニールカーテンや遮熱カーテンの設置
・防寒グッズの活用

どのように対策するのかをそれぞれ解説します。

足元暖房の設置

工場で使用する足元暖房には、以下の4種類がおすすめです。

・直接足を置いて使用するマットタイプ
・作業台や作業机などの下に設置できるパネルタイプ
・火を使わず速暖性にも優れる電気ストーブタイプ
・軽量でコンパクトなファンヒータータイプ

使用する環境や目的に応じて、適した足元暖房を選べます。

転倒時に電源がOFFになる機能や火災の心配が少ないサーモスタット機能などの安全性能が備わっているのも、工場で使いやすい足元暖房です。

「汚れやすい場所に設置するなら丸洗いや水拭きに対応しているものを選ぶ」など、使用する環境に適した足元暖房を選びましょう。

床用マットの設置

底冷え対策として、コンクリート製の床の上に断熱性やクッション性の高いマットを敷くのも、有効です。

設置すれば、床からの冷気をカットして足の冷えを軽減できます。

長時間の立ち仕事による足腰への負担軽減にも期待でき、従業員の腰痛予防にもなる対策です。

遮熱材や遮熱シートの施工

遠赤外線などの輻射熱を反射させる遮熱材や遮熱シートを建物に施工する方法も、工場で実施できる効果的な足元の寒さ対策です。

屋根や外壁に施工すれば、建物内の熱が外に逃げるのを抑える効果が期待できます。

暖房効率の向上によって床の周辺も暖まりやすくなるため、底冷えの軽減が可能です。

また、暖房にかかる負荷が軽減するので、電気代を抑えられる可能性もあります。

遮熱やさん（運営：植田板金店）では、オリジナルの遮熱材「シャネリア」を使用した遮熱工事と遮熱シートを貼る「スカイ工法」を取り扱っています。

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断熱材の施工

工場の屋根や壁などに断熱材を施工するのも、工場の寒さを改善できる方法です。

断熱材の施工によって建物内の熱の移動が抑えられ、熱が外へ逃げるスピードを遅らせる効果が期待できます。

空調で暖めた空気が室内に留まりやすくなり、暖房の効率向上にもつながります。

遮熱材や遮熱シートと併用して、寒さだけでなく夏の暑さ対策を行うことも可能です。

シーリングファンやサーキュレーターの設置

暖かい空気は、天井の周辺に溜まる傾向があります。

シーリングファンやサーキュレーターを稼働すれば、天井付近に溜まった暖かい空気を循環させられるので、足元の寒さ改善に効果的です。

工場内の室温が安定しやすくなるため空調の稼働時間の短縮にもつながり、電気代の削減効果にも期待できます。

低コストで導入できる場合もありますが、工場の大きさによっては十分な効果が得られない可能性もあります。

ビニールカーテンや遮熱カーテンの設置

寒さ対策として、比較的低コストで導入できるビニールカーテンや遮熱カーテンの設置も有効です。

空間を仕切って暖める空間を限定することで、暖房効率の向上が見込めます。

冷気の侵入を抑える効果も期待できますが、工場が大きかったり人の移動が多かったりすると期待しているような効果が得られない場合もあります。

防寒グッズの活用

従業員自身が足元に防寒グッズを使用するのもおすすめです。

裏起毛・メリノウールなど保温性の高い素材の靴下やレッグウォーマーは、足元を冷えから守ります。

特に寒さに弱い従業員には、足元対策と合わせてネックウォーマーや手袋などで「首」のつく部位を温めてもらうのも効果的です。

足元用カイロや防寒用の作業靴を支給すれば、従業員の満足度向上にも期待できます。

工場で足元が寒くなる原因

工場で足元が寒くなる原因として、以下の4点が挙げられます。

・コンクリート製の床による底冷え
・高い天井や広い空間
・出入口の開閉や換気による外気の流入
・外気温の影響を受けやすい立地

それぞれの原因について詳しく解説します。

コンクリート製の床による底冷え

コンクリートは、熱伝導率が高く熱が逃げやすいのが特徴です。

外気温が低いと影響を受けやすく、冬場はコンクリートが冷えてしまいます。

一度冷えたコンクリートは温まりにくく、しばらくの間は冷たいままです。

そのため、冷えたコンクリートの床が足元の熱を奪ってしまい、底冷えの発生につながります。

底冷えは血行不良や筋肉の硬直を引き起こし、体調不良や作業効率低下などの原因となっています。

高い天井や広い空間

工場は作業環境などの事情によって、高い天井や広大な空間を確保しています。

暖かい空気が上昇し、冷たい空気は床に滞留しやすい構造となっているため、暖房を稼働させてもなかなか暖まりません。

床付近にも暖気が行き届かず、底冷えを感じやすくなります。

出入口の開閉や換気による外気の流入

工場の出入口の開閉や換気による外気の流入も、足元の冷えにつながります。

開閉の頻度が多い場合や大型の搬入口を設けている場合は、外部から冷たい空気が大量に流れ込むだけでなく、室内の暖かい空気も逃げてしまいます。

また、製品の品質管理や労働安全衛生の観点から、換気が必要な場合も少なくありません。

換気によって室温が低下することも多く、空調を稼働させても室温を安定させるのが難しい場合があります。

特に冬場は冷たい空気が床や足元周辺に集中し、底冷えしやすい状態です。

外気温の影響を受けやすい立地

多くの工場はスペースの確保や騒音問題への配慮のために、郊外・沿岸部・山間部など、周囲に建物が少ない場所に建設されています。

風を遮る物が少ないため冷たい空気が流入しやすく、市街地に比べて外気温が低くなる傾向にあります。

また、熱伝導率の良い金属製の建材を使用している建物が多いのも、工場が外気の影響を受けやすい要因です。

建物全体が冷え込みやすい環境となっており、工場の内部や足元の冷えにも影響しています。

工場で足元の寒さ対策を怠った場合に生じる悪影響

工場で足元の寒さ対策を怠ると、さまざまな悪影響が生じます。

・集中力や作業効率の低下
・従業員の体調不良
・事故発生リスクの増大
・工場全体のエネルギーコストの増大

これらの悪影響を防ぐためにも、足元の寒さ対策を実施しましょう。

集中力や作業効率の低下

足元からくる寒さによって、従業員の不快感や疲労感が強くなります。

集中力や注意力が低下し、高い精度が求められる作業や操作も困難になりがちです。

寒い中での作業によって不快感やストレスが高まり、モチベーションも低下します。

作業効率が落ちるため、生産性にも悪影響が及ぶ恐れがあります。

従業員の体調不良

足元が寒い状況が続くと、血行不良や体のこわばりなどが発生し、疲労や肩こり、腰痛が慢性化するケースがみられます。

免疫力の低下や体調不良にもつながりやすく、風邪などの病気にかかる恐れもあります。

インフルエンザの集団感染などに発展すれば、生産ラインにも影響がでる可能性があるため、足元を含めた工場全体の寒さ対策が重要です。

事故発生リスクの増大

足元から冷えることで筋肉の動きが鈍くなると、手足を動かしにくくなります。

細かい作業や安全確認が必要な業務の精度が低下し、ミスや怪我につながるケースも少なくありません。

労災が発生した場合、従業員からの賠償請求やイメージの悪化といった影響が工場にも及ぶ可能性があります。

工場全体のエネルギーコストの増大

足元の寒さ対策が不十分な工場で快適な温度を維持しようとすると、暖房設備を過剰に稼働させなければなりません。

暖房効率が良くない環境で建物内を暖めるには、エネルギーを大量に消費することになります。

その分の光熱費の負担が生じるため、工場全体のコストの増大にもつながります。

工場で足元の寒さ対策を実施して作業環境を整えよう

工場で足元の寒さ対策を実施すれば、従業員の健康や作業効率の維持につながります。

他にも事故が発生するリスクやエネルギーコストの低減といった効果も期待できます。

工場の作業環境を整えて生産性を維持するためにも、足元の寒さ対策は重要です。

自社工場に適した寒さ対策を実施して、従業員が働きやすい環境を作りましょう。

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