カバー工法で工場のスレート屋根を安全に改修!暑さ対策も同時に。耐用年数やデメリットも解説
「工場のスレート屋根から雨漏りがする」
「アスベストが含まれているかもしれず、手をつけにくい」
「夏は屋根からの熱で、工場の中がうだるように暑い」
こうしたお悩みにお応えできるのがカバー工法です。今あるスレートの上に金属の屋根をかぶせるので、アスベストを飛散させにくく、工場を動かしたまま工事できます。遮熱シートを挟み込めば、暑さ対策も同時にできます。
この記事では、スレート屋根をカバー工法で直す方法を、岡山県を中心に中四国で施工してきた事例とあわせて解説します。デメリットや建物の耐荷重、耐用年数もお伝えいたします。
この記事のまとめ
・アスベストを飛散させにくく、工場を止めずに工事でき、雨漏りもまとめてふさげる。
・遮熱シート「シャネリア」を挟み込めば、暑さ対策も同時にできます。
・増える重さは1㎡あたり10kg以下ですが、柱や梁の状態は建物ごとに違います。
・施工できるかどうかやお見積もりについて、まずは現場調査で確かめましょう。
カバー工法とは?工場のスレート屋根を「はがさずに」直す方法
カバー工法は、今ある屋根を残したまま、上から新しい屋根をかぶせて直す工法です。工場の屋根の改修では、工期と費用を抑えやすい方法として選ばれています。
今あるスレート屋根の上に、金属の屋根をかぶせる工法
カバー工法は「重ね葺き」とも呼ばれます。
ひとくちにカバー工法と言っても、企業によって様々な方法があります。例えば、遮熱やさんで行なっているのは、スレート屋根の上に遮熱シート「シャネリア」を敷き、その上からガルバリウム鋼板(さびにくい加工をした鋼板)を被せる方法です。屋根が新しくなるだけでなく、暑さ対策の効果も加わります。
葺き替え・塗装との違い
屋根の直し方には、カバー工法のほかに「葺き替え」と「塗装」があります。
| カバー工法 | 葺き替え | 塗装 | |
|---|---|---|---|
| 工事の内容 | 今の屋根の上に、新しい屋根をかぶせる | 今の屋根をはがし、新しい屋根にする | 今の屋根の表面を塗り直す |
| 古いスレート | 残したまま覆う | 取り外して処分する | 残したまま |
| 工期と費用 | 葺き替えより抑えやすい | 総取り替えのぶん、かかりやすい | 工事の範囲で変わる |
| 向いている屋根 | 下地の傷みがそれほど大きくない | 下地の傷みが激しい | 表面の色あせなど、傷みが軽い |
どの方法が合うかは、屋根の傷み具合で決まります。見た目だけでは判断しにくいですし、落下事故の危険もあるため、まずは施工会社に現場を見てもらうのが確実です。
工場のスレート屋根にカバー工法が選ばれる4つの理由
なぜ工場のスレート屋根でカバー工法が選ばれるているのでしょうか?その理由は、大きく4つあります。
理由1:アスベストを飛散させにくく、安全に取り付けられる
古いスレートには、アスベスト(石綿)を含むものがあります。スレート屋根に手を加える時に気をつけたいのが、アスベストが飛び散る危険性です。飛び散ったアスベストを吸い込むと、肺がんなどの健康被害につながることが知られています。
カバー工法では、スレートをはがさずに上から覆うため、アスベストの飛散を抑えながら工事を進められる点が大きな特徴です。
アスベストの扱いは、法改正のたびに厳しくなっており、工事をする際の事前調査や報告のルールも強化されています。
理由2:屋根の張り替えコストがかからず、工期も短い
理由3:雨漏りもまとめて直せる
古いスレートは、ひび割れや欠け、小さな穴から雨水が入りこみます。雨漏れの原因の場所を一つずつ探して直すのは大変です。
カバー工法は屋根全体を覆うので、目に見えないひびや穴もまとめてふさげます。兵庫県姫路市の現場では、雹が降ったあとから雨のたびに雨漏りしていた屋根を、カバー工法で直しました。
理由4:工場を止めずに工事できる
作業は屋根の上でおこなうため、工場を動かしたまま施工が可能です。足場も、人や製品の出入りを妨げない位置に組むことで、工場の営業を止めることがないようにしています。
岡山県備前市の長崎鐵工所様からは、「工場の稼働を止めずに施工してもらえたのも良かったところですね」という声をいただきました。
遮熱シートを挟み込めば、暑さ対策も同時にできる
既存の屋根とカバーの間に、遮熱シート「シャネリア」を挟み込むことで、屋根の改修と暑さ対策を一度に済ませられます。近年の夏の温度上昇は異常です。企業の熱中症対策が義務化されたこともあり、弊社ではこの施工をお勧めしています。
スレート屋根の工場が暑くなる理由は「輻射熱」
夏の日差しで熱くなった屋根は、工場の中へ熱を放ち続けます。この熱が輻射熱です。屋根の下で肌がじりじり焼けるように感じるのはこのためです。
カバー工法+遮熱シート「シャネリア」の仕組み
屋根は下から順に、「今のスレート屋根」「シャネリア」「ガルバリウム鋼板」の3層になります。シャネリアは輻射熱を97%反射し、太陽からの熱が工場の中へ入るのを防ぎます。冬は暖房の熱を逃がしにくくするので、保温にも役立ちます。
水島機工様の施工事例
| 水島機工様株式会社様(岡山県倉敷市) | |
| 施工場所 | 屋根と西側外壁 |
| 工事の内容 | シャネリア+カバー工法 |
| 効果 | 室温が5℃以上低下、精密機械の停止リスクを解消 |
自動車部品の精密加工をおこなう水島機工様では、屋根と西側外壁にシャネリアを挟んだカバー工法を施工し、室温が5℃以上下がりました。暑さで精密機械が止まるリスクがなくなり、長年の雨漏りも解消しています。
効果を実感していただいたことで、別工場にも導入いただきました。
スレート屋根にカバー工法を施工するデメリットと注意点
カバー工法にも知っておきたい注意点があります。工事を決める前に確認しておきましょう。
屋根が重くなる
屋根が二重になるぶん、重さが増えます。とはいえ、増える重さは、1㎡あたり10kg以下です。屋根全体に広がる重さなので、骨組みがしっかりしていれば、気にするほどの負担にはならないケースが多いです。
屋根や骨組みの傷み具合によっては、カバー工法ができない場合がある
屋根を支える骨組みや下地の傷みが激しい場合は、カバー工法ではなく葺き替えが必要になります。また、建物の造りや屋根材によっても、対応できないことがあります。
施工業者によって工法や安全対策に差が出る
同じカバー工法でも、業者によって進め方は違います。業者を選ぶ際は、次の点を確認すると安心です。
- ・落下防止ネットなど、作業中の安全対策をとっているか
- ・工事の前に現場調査を入念にしてくれるか
- ・工場のスレート屋根の施工実績が多いか
なお、アスベストを含むスレートは、屋根の下にそのまま残ります。将来、建物を解体するときには、その処分が必要になる点も知っておきましょう。
カバー工法の工期について
工期は、屋根の広さや形、天候によって変わります。これまでの施工実績から目安をまとめました。
| 屋根の広さ | 工期 |
| 約230㎡ | 9日間(足場の設置・解体を含む) |
| 約1,200㎡(4棟) | 20日間 |
| 6,000㎡超 | 約2か月(雨天中止なども含む) |
カバー工法の費用について
利点の多いカバー工法ですが、気になるのはその費用だと思います。総工費は、主に次の5つで変わります。
- ・屋根の広さ
- ・屋根や骨組みの傷み具合
- ・補強が必要かどうか
- ・足場の規模
- ・遮熱シートを入れるかどうか
アスベストを含む屋根でも、古いスレートを処分しないため、廃棄の費用はかかりません。
総額で数百万円単位が一般的な目安ですが、正確な費用は、どうしても現地調査のうえでお見積もりとなります。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
はい、動かせます。作業は屋根の上でおこない、足場も出入りを妨げない位置に組みます。長崎鐵工所様も、工場の稼働を止めずに工事を終えました。
補強できます。ご紹介した長崎鐵工所様も、太陽光パネル設置のための屋根の補強に合わせて、シャネリアとカバー工法を導入されています。
工事の内容によって、その年の経費(修繕費)にできる場合と、資産として数年に分けて計上する(資本的支出)場合があります。元の状態に戻す修理は修繕費、価値を高める工事は資本的支出になるのが基本です。
ただし、判断が分かれやすいので、税理士に確認しましょう。
まとめ
遮熱やさんでは、岡山県を中心に中四国の工場・倉庫で、現地調査とご提案をおこなっています。ドローンによる屋根の無料調査もできますので、お気軽にご相談ください。










