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整備工場の暑さ対策を設備投資から個人での対策まで解説!熱中症リスクを減らし、整備士が安心して働くために
整備工場の暑さ対策を設備投資から個人での対策まで解説!熱中症リスクを減らし、整備士が安心して働くために
2026.6.19
「うちの整備工場、エアコンを入れているのになんでこんなに暑いんだろう?」
そう考えたことはありませんか?実はこれ、エアコンの性能の問題ではありません。自動車関連整備工場には、暑さを生み出す「ある構造的な原因」があるんです。
この記事では、整備工場特有の暑さの原因と、その対策を設備投資から個人でできることまで具体的に解説します。
まずは、この原因を明らかにしながら効果的な暑さ対策方法をご紹介していきます。
整備工場の多くは折板屋根でできています。見た目は普通の屋根ですが、夏の直射日光を受け続けると表面温度は70〜80℃にまで上がることがあります。
では、その熱はどこへ行くのか。答えは「室内」です。
高温になった屋根が、天井に向けてじわじわと熱を放射し続けます。エアコンで冷風を送っても、真上から降り注ぐ熱に追いつくことができず、空調を入れているのに効かない状態になってしまうのです。
屋根だけではありません。整備工場にはもうひとつ、見落とされがちな熱源があります。
エンジンは整備中も熱を持っています。オイル交換やマフラー交換で車両の下に潜ると、地面からの輻射熱と車体の熱に、上下から挟まれた状態になります。屋根からの熱だけでなく、車からの熱もある。一般の工場にはないこの環境が、整備工場の暑さを一段と過酷にしています。
ツナギ(作業服)が熱を逃がしにくい構造になっている
整備士のツナギは、安全のために長袖・長ズボンが基本です。油や工具から体を守るためなので、薄着にするわけにもいきませが、これが体感温度を確実に押し上げます。外気温30℃の日でも、工場内では体感温度が35℃を超えることは珍しくないのです。
それは、車を出し入れするたびに発生するシャッターの開閉です。当然、外の熱気が流れ込み、せっかく冷やした空気は外へ逃げていきます。一般的なオフィスや店舗と違い、「一度冷えたら冷えっぱなし」にならないのが整備工場の難しいところです。
「暑いのはもともとだし、対策をしても仕方ないから我慢しよう。」そう思っていませんか。
実は今、その考え方は通用しなくなってきています。暑さへの対策を怠ることは、従業員の健康問題だけでなく、経営全体に深刻な影響をもたらしかねません。
熱中症による労災リスクと2025年6月義務化の概要
2025年6月、職場の熱中症対策がついに法律上の義務になりました。作業環境が対象の条件を満たした場合、事業者は体制整備・手順作成・周知徹底を行うことが求められます。
| WBGT値 | 28度以上 |
| または気温 | 31度以上 |
| 作業時間 | 連続1時間以上または1日4時間超 |
もし熱中症が発生したとき、対策が不十分だったと判断されれば、行政指導だけでは済まないケースもあります。従業員が不幸になるだけでなく、会社にとっても大きな痛手となってしまうでしょう。
人は体温が上がると、集中力と判断力が落ちやすくなります。整備の現場では、小さなミスが車両の安全性に直結します。整備品質や生産性を守るためにも、快適な職場環境は重要です。
「夏場が耐えられなくて辞めた」という整備士は、実際に少なくありません。若い世代ほど職場環境を重視する傾向があり、求人票を見る際に「空調完備かどうか」を気にする人も増えています。
暑さ対策への設備投資は出費ではなく、採用コストや離職コストを減らすための先行投資でもあるのです。
では、実際に何をすれば良いのか。対策は大きく「設備」と「個人」の2つに分かれます。まず押さえていただきたいのは、順番を間違えないことです。
遮熱シートを屋根・天井に施工する(最も効果が高い)
個人の対策より先に、工場全体の温度を下げる。これが効果的な順番です。
その中で最も根本的な対策が、屋根への遮熱シート施工です。遮熱シートは太陽からの熱である輻射熱を97%反射し、屋根裏温度を大幅に引き下げます。室内に熱が入ってこなくなるため、根本的な暑さ対策につながります。
遮熱シートを施工する方法にはいくつか種類があります。遮熱シートの上にガルバリウム鋼板を被せるカバー工法や遮熱シートを屋根にそのまま貼り付けるスカイ工法など、屋根の形や築年数に応じて適切な施工を行うことが重要です。
また、施工当日から効果を感じていただけるはずです。さらに冬は室内の暖気を反射して保温効果も発揮するため、年間を通じた省エネにもつながります。
工場全体を冷やすのは難しくても、作業エリアだけなら話は変わります。スポットクーラーは特定の場所にピンポイントで冷風を届けられるため、遮熱シートと組み合わせると効果がさらに高まります。
ただし、これだけに頼ると工場全体の温度は下がらないうえに、スポットクーラー自身が熱源となるため、あくまで補完的な位置づけとして考えていただくのがおすすめです。
室内にこもった熱気を動かすだけでも、体感温度はかなり変わります。シーリングファンやサーミュレーターを適切に配置することで、空気がうまく循環して、暑さを和らげることが可能です。コストを抑えながらすぐに実践できる対策ですね。
設備対策で工場全体の温度を下げた上で、整備士一人ひとりの対策を重ねる。この二段構えが理想です。空調服・ネッククーラー・こまめな水分補給など、体への直接的なケアを組み合わせることで、さらに安全で快適な環境をつくることができます。
実際に整備工場を運営されているお客様に遮熱シートを施工した事例をご紹介します。
建物は、屋根外壁共に金属折板。大きさは約300㎡です。
- ・折板屋根であること
- ・屋根の形状がはぜのないボルト式であること
- ・太陽光パネルや多数の室外機などの障害物が載っていないこと
などの条件が重なり、
スカイ工法を行うことになりました。
スカイ工法のメリットとして、
- ・遮熱塗装のように塗りムラができない=建物全体に均一の遮熱効果
- ・軽量のため、建物の耐震強度を気にしなくてよい
- ・シャネリア+カバー工事より費用が抑えられる
などがあります。
すべての屋根にスカイシートを設置しました。施工前後でこのような見た目の違いがあります。
最後に、遮熱シートの施工を検討されているお客様からよくいただくご質問をまとめました。
ほとんどのケースで、営業を続けながら施工できます。作業は主に屋根の上で行われるため、工場内での整備業務への影響は最小限です。
施工当日から体感できます。「施工後工場に入ったとき、空気が違った」というお声をいただくことも少なくありません。
ご予算にもよりますが、設備対策を優先していただくのがおすすめです。空調服や冷却グッズは整備士の負担を軽くしますが、工場内の温度そのものは変わりません。根本から温度を下げてこそ、個人対策が生きてきます。
行政指導を受ける可能性があります。さらに熱中症が発生した場合、安全配慮義務違反として損害賠償請求に発展するリスクもあります。備えあれば憂いなし。早めの対策をおすすめします。
整備工場の暑さは、対策をすれば解決する問題です。その対策としては、屋根からの輻射熱を根本から断つことを、最も効果的な第一歩としておすすめしています。夏の猛暑が進む中、熱中症対策が義務化され、暑さ対策は多くの企業にとって急務となっています。整備士が安心して働ける環境づくりを、まずはお気軽にご相談ください。
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