寒い職場で発生しやすい労災とは?体調不良の労災認定についても解説
「寒さによって従業員が体調不良になったら、労災に認定されるのだろうか」
工場内が寒いと感じている人の中には、寒さによる労災リスクに悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、寒い職場で発生しやすい労災の種類や発生する要因、発生させないための予防策について解説しています。
寒さによる体調不良が労災認定されるかについても解説しているので、寒い職場環境にお悩みの方は、参考にしてください。
寒い職場で発生しやすい労災の種類
・機械へのはさまれ、巻き込まれ
・転倒や転落
・一酸化炭素中毒
・火災 など
寒さ対策のために防寒着を身につけたとしても、作業がしやすくなるとは限りません。
身につけた衣類やグッズによっては、作業のしづらさから機械の操作ミスにつながる可能性があります。
また、濡れた床や凍結した地面による転倒も寒い職場で発生しやすい労災の一つです。
燃焼式の暖房器具を使用している場合は一酸化炭素中毒の発生にも注意が必要です。
暖房器具の周囲で可燃性の高い薬剤を使用すると、引火して火災が発生する恐れもあります。
寒い職場が原因で従業員が体調不良になった場合は労災に認定される?
ここでは、寒さによる従業員の体調不良が労災に認定されるのかについて、判断基準とともに解説します。
そもそも労災とは
労災とは、業務や通勤が原因で従業員がケガや病気になることです。
労災が発生した場合、事業者は労働基準法によって治療費などの補償責任を負います。
労災保険に加入している場合は保険から給付されますが、従業員から損害賠償請求された内容によっては全額支払われるとは限りません。
従業員がケガを負った場合、業務中の事故であれば基本的に労災と認定されます。
病気は、発症したタイミングが業務中でなくても業務に相当な因果関係があると判断されると労災に認定されます。
精神障害については別途基準が設けられているため、ケガや病気と同様の判断とならない点に注意しましょう。
労災が発生した場合、事業者は労働基準法によって治療費などの補償責任を負います。
労災保険に加入している場合は保険から給付されますが、従業員から損害賠償請求された内容によっては全額支払われるとは限りません。
従業員がケガを負った場合、業務中の事故であれば基本的に労災と認定されます。
病気は、発症したタイミングが業務中でなくても業務に相当な因果関係があると判断されると労災に認定されます。
精神障害については別途基準が設けられているため、ケガや病気と同様の判断とならない点に注意しましょう。
体調不良は労災に認定される可能性がある
従業員の体調不良は、業務上の疾病として労災に認定される可能性があります。
ただし、認定されるには「職場に体調不良の要因がある」「身体に生じた変化が医学的にみて妥当と判断できる」などの条件を満たす必要があります。
職場の寒さが要因で従業員が体調不良になったとしても、必ずしも労災と認定されるわけではありません。
とはいえ、従業員の健康と安全を守り、労災を予防するためにも工場で寒さ対策を実施しておくと安心です。
ただし、認定されるには「職場に体調不良の要因がある」「身体に生じた変化が医学的にみて妥当と判断できる」などの条件を満たす必要があります。
職場の寒さが要因で従業員が体調不良になったとしても、必ずしも労災と認定されるわけではありません。
とはいえ、従業員の健康と安全を守り、労災を予防するためにも工場で寒さ対策を実施しておくと安心です。
寒い職場で労災が発生する主な要因
・寒さによる集中力や身体能力の低下
・滑りやすい床や地面
・暖房器具の不適切な使用
一つずつ詳しく解説します。
寒さによる集中力や身体能力の低下
寒さによって従業員の集中力が低下すると、操作ミスや安全確認の失念につながり、労災事故に発展する恐れがあります。
気温の低さだけでなく、倦怠感や頭痛といった寒さによる体調不良も集中力の低下を助長させる要因です。
また、寒さによって身体がこわばると手先や足腰の動きが普段より悪化するため、転倒や転落といった事故につながる場合があります。
冬場に発生しやすい労災を予防するなら、従業員が快適に働ける環境整備が重要です。
気温の低さだけでなく、倦怠感や頭痛といった寒さによる体調不良も集中力の低下を助長させる要因です。
また、寒さによって身体がこわばると手先や足腰の動きが普段より悪化するため、転倒や転落といった事故につながる場合があります。
冬場に発生しやすい労災を予防するなら、従業員が快適に働ける環境整備が重要です。
滑りやすい床や地面
寒冷地の職場や冷凍庫が備わっている工場や倉庫では、出入り口付近の地面や床が凍結するため、転倒リスクが高くなります。
また、床に発生した結露によって滑りやすくなるのも、転倒を引き起こす要因です。
工場の床はコンクリート製が一般的で、一度冷えると温まりにくいという特徴があります。
冷えたコンクリートと室温との温度差によって結露が発生しやすい状況となるため、室内でも転倒しないように注意が必要です。
また、床に発生した結露によって滑りやすくなるのも、転倒を引き起こす要因です。
工場の床はコンクリート製が一般的で、一度冷えると温まりにくいという特徴があります。
冷えたコンクリートと室温との温度差によって結露が発生しやすい状況となるため、室内でも転倒しないように注意が必要です。
暖房器具の不適切な使用
暖房器具の誤った使用は、一酸化炭素中毒や火災といった労災を引き起こしかねません。
寒い職場で石油ストーブのような燃焼式の暖房器具を使う場合、酸素不足になると不完全燃焼となり、一酸化炭素が発生します。
他にも、引火性の高いものを使用する場所にストーブを設置すると、ストーブから引火して火事が発生する恐れがあるため注意しましょう。
実際に、エタノールで消毒作業を行っていた従業員にストーブの火が引火した労災事故も発生しています。
従業員や工場に甚大な被害が及ぶ可能性があるため、暖房器具の取扱い説明書などに記載されている使用方法を守り、適切に使用することが求められます。
寒い職場で石油ストーブのような燃焼式の暖房器具を使う場合、酸素不足になると不完全燃焼となり、一酸化炭素が発生します。
他にも、引火性の高いものを使用する場所にストーブを設置すると、ストーブから引火して火事が発生する恐れがあるため注意しましょう。
実際に、エタノールで消毒作業を行っていた従業員にストーブの火が引火した労災事故も発生しています。
従業員や工場に甚大な被害が及ぶ可能性があるため、暖房器具の取扱い説明書などに記載されている使用方法を守り、適切に使用することが求められます。
寒い職場で取り組める労災の予防策
・建物に遮熱・断熱工事を行う
・耐滑性の高い作業靴を活用する
・定期的に換気を行う
・防寒着や防寒グッズを活用する
・安全衛生に関わる教育を従業員に行う
一つずつ詳しく解説するので、自社工場の環境に適した対策を実施しましょう。
建物に遮熱・断熱工事を行う
寒さによる集中力の低下や体調不良の発生を防ぐには、従業員が快適な状態で作業できるように環境を整えることが大切です。
暖房器具で室内を暖めるのも有効ですが、稼働させても寒さを感じる場合は熱が建物の外に逃げている可能性があります。
建物の屋根や外壁に遮熱工事や断熱工事を行えば、暖房器具から放出されている熱が外に逃げづらくなるため、寒さの改善が見込めます。
遮熱は、石油ストーブや遠赤外線ヒーターなどが放出する輻射熱を反射させて、熱を室内に留める対策です。
断熱は熱が外に逃げる速度を遅くするため、室内の暖かさを維持しやすくなります。
どちらか一方ではなく、遮熱と断熱を同時に行うと効果的です。
遮熱やさん(運営:植田板金店)では屋根や外壁への遮熱工事を行っています。
オリジナルの遮熱材である「シャネリア」は輻射熱を約97%反射するため、屋根や外壁に施工すれば、暖房器具の効率向上につながります。
シャネリアの詳細はこちら
暖房器具で室内を暖めるのも有効ですが、稼働させても寒さを感じる場合は熱が建物の外に逃げている可能性があります。
建物の屋根や外壁に遮熱工事や断熱工事を行えば、暖房器具から放出されている熱が外に逃げづらくなるため、寒さの改善が見込めます。
遮熱は、石油ストーブや遠赤外線ヒーターなどが放出する輻射熱を反射させて、熱を室内に留める対策です。
断熱は熱が外に逃げる速度を遅くするため、室内の暖かさを維持しやすくなります。
どちらか一方ではなく、遮熱と断熱を同時に行うと効果的です。
遮熱やさん(運営:植田板金店)では屋根や外壁への遮熱工事を行っています。
オリジナルの遮熱材である「シャネリア」は輻射熱を約97%反射するため、屋根や外壁に施工すれば、暖房器具の効率向上につながります。
シャネリアの詳細はこちら
耐滑性の高い作業靴を活用する
転倒を防ぐために、耐滑性の高い作業靴を活用するのも効果的です。
耐滑性の高い作業靴の靴底には凹凸やスパイクなどが施されており、履けば結露や凍結が発生しやすい場所でも滑りにくくなります。
従業員が各自で用意するよりも工場側で支給した方が職場全体での対策となるため、労災リスクの低減効果が期待できます。
耐滑性の高い作業靴の靴底には凹凸やスパイクなどが施されており、履けば結露や凍結が発生しやすい場所でも滑りにくくなります。
従業員が各自で用意するよりも工場側で支給した方が職場全体での対策となるため、労災リスクの低減効果が期待できます。
定期的に換気を行う
燃焼式の暖房器具を使用するなら、一酸化炭素中毒を防ぐために定期的な換気が必要です。
換気のタイミングを現場に任せるのではなく、取扱説明書などを確認しながら職場でルールを設定すると、徹底しやすくなります。
換気を行ったか確認できるように、チェックシートなどの活用も有効です。
窓がなく自然換気が難しい場合は、換気装置の設置も検討しましょう。
換気のタイミングを現場に任せるのではなく、取扱説明書などを確認しながら職場でルールを設定すると、徹底しやすくなります。
換気を行ったか確認できるように、チェックシートなどの活用も有効です。
窓がなく自然換気が難しい場合は、換気装置の設置も検討しましょう。
防寒着や防寒グッズを活用する
従業員に防寒着や防寒グッズの使用を許可して、各自で対策してもらうのも有効です。
ただし、身体に着用するタイプのものは動きづらさの要因にもなるため、工場側で使用可能な衣類やグッズを指定しておくと安心です。
防寒着や防寒グッズが、機械に巻き込まれたり作業の妨げになったりするのを予防する効果も期待できます。
カイロなどの消耗品は、会社で支給すると従業員の満足度向上につながります。
ただし、身体に着用するタイプのものは動きづらさの要因にもなるため、工場側で使用可能な衣類やグッズを指定しておくと安心です。
防寒着や防寒グッズが、機械に巻き込まれたり作業の妨げになったりするのを予防する効果も期待できます。
カイロなどの消耗品は、会社で支給すると従業員の満足度向上につながります。
安全衛生に関わる教育を従業員に行う
寒い職場で労災を予防するには、従業員への教育も効果的です。
職場に潜在しているリスクや、労災を回避・予防するための方法などを、朝礼や研修の場で共有しましょう。
教育だけで終わらずに、実際に行動に移されているか確認することも大切です。
外国人が従事している場合は、教育と同時に外国語で書かれた注意書きなどを掲示するといった工夫も必要です。
職場に潜在しているリスクや、労災を回避・予防するための方法などを、朝礼や研修の場で共有しましょう。
教育だけで終わらずに、実際に行動に移されているか確認することも大切です。
外国人が従事している場合は、教育と同時に外国語で書かれた注意書きなどを掲示するといった工夫も必要です。
作業環境を整えて寒い職場で発生する労災を予防しよう
職場を暖めるために使用する暖房器具や滑りやすい床なども、労災を引き起こす要因です。
寒さ改善のために暖房器具を使用しても室温が温まりにくい場合、熱が工場外に逃げている可能性があるため、遮熱などの対策が求められます。
自社工場で起こりやすい労災のリスクを洗い出し、要因に応じた対策を講じて作業環境を整えましょう。
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