工場屋根に遮熱対策を行う必要性は？方法や注意点などを紹介
近年の日本の暑さは深刻化しており、工場や倉庫などの施設の暑さ対策が欠かせなくなっています。
室内が暑すぎて熱中症が心配される・空調の効きが悪いと感じるなどの問題がある場合には、工場や倉庫の屋根に遮熱対策を実施するのがおすすめです。
屋根の遮熱対策により、室内の体感温度を下げられる・従業員の健康管理につながるなどの効果が期待できます。
本記事では屋根の遮熱対策にはどのようなものがあるのか、効果や注意点について解説します。
屋根の遮熱対策とは、屋根に塗料を塗ったり遮熱シートを貼ったりして、太陽光による熱の侵入を抑制し、室内温度の上昇を防止することを指します。
遮熱対策には、次のような効果が期待できます。
・屋根から侵入する熱を抑制できるので、室内温度を下げられる
・熱い空気がこもりにくくなるので、快適に過ごしやすくなる
・従業員の健康管理にもつながる
・快適な環境になるので生産性アップが期待できる
・熱による製品の劣化を軽減できる
・エアコンの効きが良くなるので、光熱費節約になる
以上のことから、工場や倉庫における遮熱対策の必要性が高まっているのです。
屋根の遮熱対策の方法を3つ紹介します。
・遮熱塗料
・遮熱シート
・遮熱機能付き屋根材
詳しく見ていきましょう。
遮熱塗料とは太陽光（近赤外線）を反射する塗料のことで、主に夏の暑さ対策に使用されます。
遮熱塗装をすることにより屋根から侵入する熱を抑制し、建物の温度上昇を抑止する効果が期待できます。
また室内の体感温度を下げたりエアコンの使用量を減らしたりできるのも、遮熱塗装の特徴のひとつです。
遮熱塗料は金属屋根や化粧スレート屋根に適しています。
ただし屋根の劣化が著しい場合は施工が難しくなるため、比較的新しい建物におすすめです。
遮熱シートとは屋根の表面や屋根裏に貼るアルミのシートのことで、遮熱塗料と同様の効果が期待できます。
屋根はもちろん外壁にも使用可能です。
また、遮熱シートは工場をはじめとした大型の建物に使われることが多いのが特徴です。
遮熱塗料に比べると取扱業者が少ないため、遮熱シートを使用したい場合は業者に問い合わせましょう。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、「スカイ工法」という方法で遮熱シートを設置します。
スカイ工法の詳細はこちら
遮熱機能付き屋根を使用した遮熱方法は、屋根そのものを遮熱機能付きのものに変更します。
塗料や遮熱シートよりコストがかかりますが、耐用年数は他の方法よりも長いのが特徴のひとつです。
この方法は、新築時や屋根の劣化が激しく塗料や遮熱シートで対応できない場合におすすめです。
遮熱機能付き屋根材は、今の屋根材をすべて撤去して新しく葺き替える方法と、現在の屋根の上から新しい屋根材を葺き重ねする方法があります。
詳細は、事前に業者に確認しましょう。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では「シャネリア」という超薄型高遮熱材を取り扱っています。
シャネリアとは屋根に後付けで取り付けるタイプの遮熱材です。
表面を高純度のアルミ箔にすることで、高い遮熱性能を発揮します。
輻射熱を97％カットするという効果も実証されており、室内温度は施工前より最大11℃も低下するという大きな効果が期待できます。
遮熱工事をしようか迷っている方は、ぜひこのシャネリアの使用を検討してみてください。
シャネリアの詳細はこちら
グリーンルーフとは屋上に植物を植えて、緑化された屋根のことです。
植物による大気汚染の緩和効果に加えて、太陽熱からの熱に対する遮熱対策になります。
美観性の向上につながり、緑化が可能な環境であれば万能的な遮熱対策です。
初期費用が高いというデメリットはあるものの、休憩所として活用するなど幅広い使い方もできる遮熱方法です。
工場の屋根に遮熱対策をすることのメリットを紹介します。
・冷暖房費用の削減
・室温の安定化
・環境への配慮
・商品や備品の劣化防止
これらのメリットの恩恵を受けるためにも、遮熱対策をおすすめします。
それぞれのメリットについて解説していきます。
遮熱対策を施すことで、夏場の屋根からの輻射熱を大幅に抑えられます。
夏場の熱さが抑制されて、冷房で使用される光熱費を減らせます。
また、冬場に外に逃げていく熱も抑制可能です。
そのため、暖房に使用する光熱費も抑えられます。
毎月かかる費用が抑えられるので、遮熱対策によって金銭的なメリットも生まれます。
遮熱対策をすることで、室温が高くならずに安定化します。
暑すぎる環境は集中力が低下し、ミスが増えてしまいます。
室温が一定になることで、工場内の作業員の稼働率を一定化させることが可能です。
また、夏場に暑くなりすぎない安定した室温は作業員のモチベーションを高めてくれます。
過ごしやすく働きやすい工場は作業員が快適に作業できる環境が実現できます。
近年の地球温暖化によって、太陽光からの熱はどんどん高まる一方です。
温暖化対策への機運はどんどん高まり、環境に配慮された取り組みはどんどん重要性を増しています。
遮熱対策を取り入れることで、空調に使用する光熱費が抑制できます。
これによって、CO2排出量の削減につながり環境への負荷が低減可能です。
遮熱対策を行い、光熱費を抑制して地球環境に貢献しましょう。
遮熱対策によって、商品や備品の熱による劣化が防げます。
過度な暑さが商品を劣化させてしまい、販売できる商品が販売できなくなるかもしれません。
たとえば食品であれば腐敗のリスクが、薬品であれば品質の低下を避けられます。
また、備品の中には高温に弱いものも多いです。
高温による劣化が防げるので、備品が長持ちして金銭的なメリットが生まれるのもうれしいポイントです。
遮熱対策にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
・結露が発生する可能性がある
・輻射熱以外の熱を防げない
・正しい施工を行わないと効果を発揮しにくい
これらのデメリットが生じることを理解したうえで、遮熱対策を行いましょう。
それぞれのデメリットについて解説します。
遮熱対策を行うと室内と室外の温度差が大きくなります。
この温度差によって、暖かい空気に含まれた水蒸気が結露として発生する可能性があります。
結露は水を発生させるため、遮熱面が濡れてしまうかもしれません。
この時に濡れた面はカビの発生するリスクになってしまいます。
結露の発生を抑制するためには、断熱材と併用するのがおすすめです。
断熱材と併用することで、室内外の温度差が小さくなり結露を防止できます。
遮熱工事は輻射熱には大きな効果を発揮します。
輻射熱とは太陽から発生する熱の様に赤外線などの電磁波によって伝わる熱のことです。
遮熱は輻射熱には大きな効果が発揮できます。
その一方でホットカーペットや湯たんぽのような直接触れることで暖かくなる伝導熱、エアコンのように空気を温める対流熱には効果がありません。
ただし、夏に一番影響が大きいのは輻射熱です。
遮熱工事によって輻射熱が防ぐことができれば、夏場の暑さを軽減する効果が高くなります。
遮熱工事は施工の質が悪いと、効果が発揮できない可能性があります。
誤った施工や手の抜いた施工では、遮熱材に結露が発生したり本来の遮熱性能を発揮できなかったりなど、遮熱工事をするメリット以上のデメリットが生じます。
正しい施工を適切な業者にお願いして、最大限の遮熱効果が発揮できるようにしましょう。
屋根に遮熱対策をするときの2つの注意点は次のとおりです。
・施工面積に応じて日数がかかる
・DIYで屋根の遮熱は難しい
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
屋根の遮熱対策の施工期間は、使用する材料や面積によって大きく異なります。
遮熱シートの場合、施工面積が狭ければ最短で半日程度で完了することもありますが、面積が広くなるほど日数が増加します。
一方で遮熱材を取り付ける場合は、より長い施工期間が必要です。
屋根上での作業となるため、日々の業務への影響は最小限に抑えられます。
しかし工事の規模や複雑さによっては、予想以上に時間がかかる場合もあります。
そのため施工業者に事前に見積もりを依頼し、おおよその所要日数を確認しておくことが重要です。
これにより業務への影響を最小限に抑えつつ、効果的な遮熱対策を実施できます。
屋根の遮熱対策を、コスト削減のためにDIYで行おうと考える方もいるかもしれません。
しかし遮熱対策には多くのリスクが伴うため、専門家に依頼することをおすすめします。
適切な知識や技術がないまま施工すると遮熱効果が得られないだけでなく、建物の劣化を早めるおそれがあります。
さらに高所での作業が必要となるため、落下をはじめとした重大な事故につながりかねません。
遮熱塗料やシートは一般の販売店でも入手可能ですが、効果と安全性の観点から、DIYよりも経験豊富な専門業者に依頼しましょう。
屋根の遮熱対策の施工事例を2つ紹介します。
・岡山県勝田郡勝央町にて遮熱カバー工事
・岡山市東区にて工場の折版屋根を遮熱工事
工場や倉庫の遮熱対策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
岡山県勝田郡勝央町の金属加工業M社様から、屋根と外壁がスレート製の約300平方メートルの建物について遮熱工事の相談を受けました。
まずドローンを使用して現地調査を行い、屋根の状況を詳細に把握しました。
M社様の主な要望は暑さ対策、アスベスト対策、外観美化の3点です。
これらの要望に応えるため遮熱材設置とカバー工事を行うことに決定しました。
工事の手順は以下の通りです。
1.契約締結後、安全対策として屋根全体にネットを敷設
2.オリジナルの遮熱素材「シャネリア」を屋根全体に敷き、熱源の約97％をカット
3.シャネリアの上からカバー工事を実施し、耐久性を向上させるとともに反射による眩しさを軽減
この工事によりM社様の当初の要望である暑さ対策・外観美化・アスベスト対策を達成しただけでなく、雨漏り防止や屋根の強度補強も実現できました。
岡山市東区の自動車販売店様から整備工場の折版屋根の暑さ対策として、遮熱工事をご依頼いただきました。
対象となる屋根は波形金属折版屋根・ハゼ式構造のため、ルーフシェードの施工が可能です。
そこで二つの屋根にまたがる工場部分全体にルーフシェードを張り、遮熱効果と共に美しいデザインも実現しました。
お客様からは、「夏の朝一番に工場の中に入って行くのが苦ではなくなった」「施工の前と後で室内温度が7℃下がった」といった声をいただいています。
屋根の遮熱対策を成功させるポイントを4つ紹介します。
・屋根に合った遮熱方法を選ぶ
・工場の生産体制に影響を与えないか考慮する
・費用と効果のバランスを考慮する
・信頼できる業者を選ぶ
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
屋根の遮熱対策には主に3つの方法があります。
そのため、屋根の状態に適した方法で施工するのがポイントのひとつです。
また目的によっても遮熱方法が異なります。
たとえば夏の遮熱だけではなく、冬の寒さ対策も同時に行いたい場合は遮熱シートが適しています。
どのような方法が良いのか、業者と相談しながら決めましょう。
遮熱対策を実施するときは、施工により生産ラインを一時的に停止しなければならないケースもあります。
そのため、施工による生産体制の影響を事前に確認することも重要です。
生産ラインの停止は業務効率や収益に直結するため、確認を怠らないようにしましょう。
遮熱対策の方法によって、生産体制への影響は異なります。
遮熱シートを設置する場合は屋根のうえでの作業になるため、生産体制にそこまで影響はありません。
一方で屋根材の取り替えなど、工事が大がかりになるほど影響が発生しやすくなります。
工場のスムーズな運営のためにも業者と打ち合わせをし、適切な計画と調整を行いましょう。
屋根の遮熱対策は、費用と効果のバランスを考慮することも重要です。
一般的な遮熱塗装はコストを下げられても、塗料によって耐用年数が短いものがあるので注意が必要です。
対する遮熱機能付き屋根材の場合は、コストがかかる分耐用年数が長い傾向があります。
遮熱対策を行う場合は信頼できる業者に施工を依頼するのがおすすめです。
悪徳業者に依頼してしまうと、高額な費用を請求されてしまう可能性があります。
また、工事中に新たな問題が発生したと偽り追加工事を要求する悪徳業者も存在するようです。
悪徳業者はコストカットのため見えない部分の手抜き工事を行うことがあるため、雨漏りなどのトラブルが発生することもあり得ます。
悪徳業者に依頼しないように信頼できる業者を選びましょう。
工場屋根の遮熱を行う際に意識したい業者選びのポイント
遮熱工事は正しく丁寧な施工ができていないと、効果が発揮できません。
そのため、依頼する業者が非常に重要です。
依頼する業者を選ぶ際には以下のポイントを参考にしてください。
・工場屋根の施工に対する知識を持っているか
・積極的に提案してもらえるか
・施工事例が豊富にあるか
これらのポイントについてそれぞれ確認していきましょう。
工場の屋根の基本的な知識を持ち合わせていないと、正しい施工はできません。
例えば住宅の屋根の施工だけをしている業者では、工場の屋根に対する知識が乏しくただし施工ができない可能性があります。
当サイトを運営している植田板金店では、工場屋根への施工実績が多数あります。
工場屋根への遮熱工事を検討している方はぜひ植田板金店にご相談ください。
業者を選ぶ際に積極的に提案してもらえるかどうかは一つの判断基準です。
多くの悪徳業者は現在の屋根の状況を見て、悪化している状況を指摘し原状復帰を提案します。
対して親切な業者は現状復帰に加えて付加価値のある提案を行い、屋根の状態をより良いものに変えてくれます。
お客様のお困りごとやニーズに合わせたプランを提案してくれるかどうかも業者選びにおける重要なポイントです。
業者を選ぶ時には施工事例が豊富にあるかを確認しましょう。
施工実績が多ければ多いほど、業者の経験値は豊富です。
当サイトを運営している植田板金店では、施工事例を多数用意していますので、参考にしてみてください。
業者に遮熱工事の依頼をする前に、あらかじめ決めておくべきことについて解説していきます。
・予算を決める
・使いたい期間を決める
・必要な性能を決める
業者とのやりとりもスムーズになるので、これらの内容をあらかじめ決めておきましょう。
遮熱工事を行う際には、まず予算を決めましょう。
値段が高くても性能の高い遮熱工事を行いたいか、性能が下がっても予算はなるべく抑えたいかを明確にしてから業者に依頼しましょう。
予算が決まっていれば業者とのやり取りもスムーズになります。
また、予算が決まっていれば業者からさらなる遮熱効果を高める提案も行いやすくなります。
予算を業者と共有してから打ち合わせに取り掛かりましょう。
遮熱工事を行っても効果が永続するわけではありません。
適切なタイミングで適切なメンテナンスを施さないと、年数の経過とともに遮熱性能はどんどん下がっていきます。
張り替えや塗り替えなどのメンテナンスを適宜行いつつ、性能を担保していきます。
また、建て替えの予定があるのに遮熱工事をしてもすぐに工場を取り壊してしまっては意味がありません。
遮熱に使用する遮熱材の質やコストにも関わってきますので、使う期間は明確にしておきましょう。
遮熱性能は使用する遮熱材によって変わります。
また施工する範囲によっても遮熱性能は変わります。
あらかじめどの程度の遮熱性能が必要かは明確にしておきましょう。
遮熱対策の方法や素材や品質、耐久性は異なります。
予算にも関わってくるので、あらかじめ必要な性能を決めておきましょう。
屋根に遮熱対策をすると、室内温度の低下や光熱費の節約などの効果が期待できます。
主な屋根の遮熱方法は次のとおりです。
・遮熱塗装：屋根に遮熱塗料を塗る
・遮熱シート：屋根に遮熱効果のあるシートを貼る
・遮熱機能付き屋根材：屋根を遮熱機能のあるものに葺き替える
遮熱の方法は屋根の状態や建物の特性によって異なるため、専門業者に相談することをおすすめします。
