倉庫の暑さ対策に向いている遮熱材とは？メリットなどを解説
倉庫が暑く、対策として遮熱を検討している方も多いのではないでしょうか。
遮熱は室内の温度を上げる原因の輻射熱（太陽や機器からの熱）を反射できるため、倉庫の暑さ対策として有効です。
本記事では、遮熱材の施工をはじめとした遮熱方法を詳しく紹介します。
倉庫を遮熱することで得られるメリットも解説しているため、参考にしてください。
遮熱材とは、輻射熱を反射する効果のある「遮熱塗料」やアルミをシート状にした「遮熱シート」のことです。
太陽や機器による輻射熱が屋根から建物内部に入ると、室内が暑くなってしまいます。
倉庫で採用されることの多いスレートや金属の屋根の透過率は95％なので、輻射熱が入りやすい環境です。
そこで遮熱材によって輻射熱を反射させ、室内への熱の侵入を防ぎます。
遮熱材は輻射熱を高確率で反射できるため、倉庫の暑さ対策に適しています。
倉庫の暑さ対策に有効な遮熱の施工方法として、以下の3つが挙げられます。
・遮熱シートを貼る
・屋根や外壁にカバー工法を行う
・屋根、外壁を遮熱塗料で塗装する
それぞれの特徴や施工方法が異なるため、詳しく説明します。
遮熱シートの施工とは、アルミなどの素材で作られたシートを屋根に貼る方法です。
職人の技術による仕上がりの違いが出ないので遮熱効果を均一に得られます。
施工による業務への影響もないため、スケジュール調整などの心配もありません。
耐用年数が長くシートの素材によっては防水効果もあるため、一度の施工で暑さ対策だけでなく雨漏り対策も可能です。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、下記の遮熱材を使用しています。
・シャネリア
・ルーフシェード
いずれの遮熱材も、熱の侵入を大幅にカットできます。
遮熱材は貼るだけでなく、屋根や外壁にカバー工法を行うという方法もあります。
カバー工法とは、元からある屋根・外壁の上に新しい屋根材や壁を被せる施工方法です。
いずれも屋根や外壁を壊さずにそのまま施工できるため、コストや廃棄物の量を抑えられます。
人手があまりかからないので工期も短くでき、新築のような外観の改善も期待できます。
ただし、屋根や外壁があまり劣化していない場合にのみ採用可能な方法である点に留意しましょう。
予算などの都合で屋根・外壁カバー工法が難しい場合は、遮熱塗料で塗装する方法もおすすめです。
塗装は他の施工方法と比較すると、費用を抑えつつ効果も見込めます。
従来の塗装メンテナンスと同時に施工できるため、業務やメンテナンスのスケジュールに大きな支障をきたすこともありません。
屋根の材質や形状を問わずに施工できるのも利点ですが、施工者の技術による差が見られやすいという注意点もあります。
倉庫を遮熱すると、下記のようなメリットがあります。
・外気による室温の変化を抑えて作業環境を快適に保てる
・熱中症のリスクを軽減できる
・製品の品質を維持できる
・遮熱シートの場合、結露を対策できる
・遮熱塗装の場合、屋根や外壁の耐久性がアップする
・光熱費などのコストを抑えられる
作業環境を快適に保てるほか、熱中症のリスク軽減などの特徴があるため、詳しく解説します。
外気による室温の変化を抑えて作業環境を快適に保てる
室温の変化が大きい環境は働く人にストレスを与え、モチベーションや作業効率に悪影響を及ぼします。
倉庫は温度変化が激しく、作業環境としては不適切であるケースも少なくありません。
そこで遮熱をすると外気による温度の変化が抑えられるため、作業環境を快適に保てます。
倉庫は働きやすい環境となり、従業員のストレス軽減や作業効率アップも期待できます。
倉庫は温度が上がりやすく、空調を稼働させても冷気が行き渡りにくい構造です。
従業員の体温上昇や疲労蓄積もしやすい状況でもあるので熱中症リスクも高い環境にあります。
遮熱をすると倉庫内の温度上昇を抑えて室温や空調の管理がしやすくなるため、熱中症リスクの軽減に効果的です。
倉庫の暑さや大きな温度変化は、人だけでなく製品にも影響を与えます。
遮熱によって暑さや温度変化による製品や原材料の劣化を防ぎ、品質維持が可能です。
安定した品質で保管できるので商品管理もしやすくなり、製品ロスのリスク軽減にもつながります。
遮熱シートは室内に熱が入るのを抑えて室内外の温度差も少なくできるため、結露対策としても効果がある方法です。
壁や天井に遮熱シートを施工し、結露が抑えられることによってカビ・ダニやそれに伴う健康被害などの防止にもつながります。
ただし、施工時は遮熱シートが室内の空気と触れないように施工しなければならない点に注意しましょう。
外壁や屋根は、太陽光による経年劣化が起きやすい部分です。
カバー工法や遮熱塗料によって屋根や外壁が保護され、色あせや割れなどを防げます。
外壁や屋根の強度も強化されるため耐久性もアップします。
暑さも抑えられ、熱に弱い精密機器の故障予防といった効果も期待できるでしょう。
大きな遮熱効果を望むなら遮熱シートがおすすめですが、カバー工法や遮熱塗装にはこのような側面もあります。
遮熱で温度変化が抑えられることによって冷暖房が行き届きやすくなります。
空調の使用頻度が低減でき、光熱費などの経費削減が期待できます。
遮熱シートならカバー工法や塗装より簡単なので、遮熱効果とコスト軽減を一緒に実現したいならおすすめの施工方法です。
遮熱やさんでは、遮熱シートやカバー工法などを請け負っています。
・遮熱カバー工法の事例
・屋根カバー工法の事例
・外壁カバー工法の事例
どのように施工したのか、それぞれの施工事例を詳しく紹介します。
金属加工業のM社様は、建物の屋根が経年劣化で弱まり、夏には約40℃の暑さになることで悩んでおられました。
従業員様の熱中症対策やアスベスト対策、外観を美化するために、輻射熱を97％カットする遮熱材「
シャネリア」の設置とカバー工事を施工しました。
シャネリアの遮熱効果を長く維持させつつ屋根自体の保護や強化もするため、その上にカバーを取り付けています。
面戸等の役物を取り付けて各所コーキングも終えて完成です。
施工後は表面の色あせや損傷があったとは思えない、新築のような仕上がりとなりました。
築35年の設備やさんの倉庫は、古くなってきた屋根の外観を課題としていました。
相談を進めていくとスレート屋根を遮熱する必要性も出てきたため、シャネリアを使用した遮熱工事とカバー工事を並行して進めることになりました。
カバーのカラーには、長持ちする上に太陽の光を反射させる効果のあるシルバーを採用しています。
施工した結果「クーラーをつける時期がいつもより遅くなった」「前とぜんぜん違う！」という声をいただきました。
こちらの会社さんは、築20～30年になるスレート造りの倉庫を内外合わせて改修することを考えておられました。
外壁の暑さ対策も課題として浮き彫りになったため、倉庫の改修工事と外壁の遮熱工事を一緒に行うことになりました。
外壁にシャネリアを貼り付けた上にガルバリウム鋼板でカバー工法を行っています。
施工後はスッキリとした外観となり、施工前とかなり違う印象となりました。
社員の方々からは「6月に入ったら大抵クーラーをつけていたけど、今年は7月になるまで使わなかった」「工事前と全然体感温度が違う」という声をいただいています。
遮熱材の施工は、倉庫の暑さ対策として多くのメリットが得られる方法です。
さまざまな方法がありますが、遮熱シートは比較的簡単に光熱費を節約しながら遮熱効果を出しやすいです。
倉庫のニーズにあった遮熱方法を検討し、判断に迷う場合は業者に相談してみましょう。
■関連記事
倉庫を断熱する方法とは？防げるリスクや暑くなる原因についても解説
