工場や倉庫の省エネ対策や暑さ対策の工事を検討しているものの、資金負担の重さに迷っている方も多いのではないでしょうか。

国や自治体では、工場や倉庫向けの補助金や助成金が用意されており、活用すれば少ない負担で工事を実施できます。

本記事では、岡山県内の工場や倉庫で利用できる補助金・助成金をご紹介します。

申請手順や注意点についても解説するので、岡山県で補助金・助成金を活用したい方はぜひご覧ください。

【2025年】岡山県の工場・倉庫で使える補助金・助成金

岡山県の工場・倉庫で使える主な補助金・助成金は、以下のとおりです。

・エイジフレンドリー補助金
・サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
・業務改善助成金
・ZEB（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）補助金制度・支援制度

それぞれの内容を解説するので、ぜひご覧ください。

エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金は、高齢者を含む労働者が安心して働けるよう、労働者の健康促進のための取り組みを補助する事業です。

以下の条件に当てはまる事業者が対象となります。

・労働保険に加入している中小企業事業者で、1年以上事業を実施
・役員・派遣労働者を除いて、60歳以上の高齢労働者を1名以上雇用し、対象の高齢労働者が補助対象に係る業務に就いている

補助金には以下の3つのコースが用意されており、自社が当てはまるコースを利用できます。

・高齢労働者の労働災害防止対策コース：高年齢労働者が安全に働けるよう、危険や負担が大きい作業を解消する取り組みなどを補助
・転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース：身体機能低下による行動災害を防止するための取り組みを補助
・コラボヘルスコース：労働者の健康保持増進のための取り組みに対して補助

それぞれのコースごとに補助率や補助金の上限額が異なります。

具体的な取り組みや詳しい条件については、厚生労働省のホームページをご確認ください。

【エイジフレンドリー補助金】

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金は、経済産業省による補助金事業です。

生産拠点の集中度が高い製品・部素材、または国民の健康な生活において重要な製品・部素材の生産拠点の整備を補助します。

国内の生産拠点などを整備し、サプライチェーンの強靭化・分断リスクの低減を行うことが目的です。

工場などの建物・設備・システムの導入などが対象となります。

製造業では、必要な施設の建設費や、工場などの施設で使用する設備機器装置費が対象です。

補助率、補助上限額は、事業の種類や企業の規模によって異なります。

具体的な取り組みや詳しい条件については、経済産業省のホームページをご確認ください。

【サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金】

業務改善助成金

業務改善助成金は、厚生労働省の助成金事業です。

生産性向上のための設備投資などを行い、事業場最低賃金を一定額以上に引き上げた場合に、費用の一部が助成されます。

対象となる事業者は、以下の条件に当てはまる中小企業・小規模事業者です。

・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内
・解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がない

事業場内最低賃金の引き上げ額や助成率、助成上限額などについては、業種や事業者の規模によって異なります。

具体的な内容については、厚生労働省のホームページをご確認ください。

【業務改善助成金】

ZEB（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）補助金制度・支援制度

ZEB（ゼブ）とは、快適な室内環境を保ちながら、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指した建物のことです。

使うエネルギーを省エネで減らしつつ、使うエネルギーを創エネで作ることで、従来の建物で必要なエネルギーを100％削減することを目指します。

国はZEB拡大のため、以下の支援制度を運用しています。

・建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業
・業務用建築物の脱炭素改修加速化事業
・地域脱炭素推進交付金

たとえば「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業」では、断熱材や高効率空調機器などの導入が対象です。

地方公共団体、民間事業者・団体など、幅広い事業者が対象となります。

事業内容や補助率、補助対象事業は、制度によって異なります。

詳細については、環境省のホームページをご確認ください。

【ZEB PORTAL – ネット・ゼロ・エネルギー・ビル（ゼブ）ポータル】

補助金・助成金を申請する手順

補助金・助成金を申請する場合、以下の手順で行います。

・補助金、助成金の対象を確認
・補助金、助成金を申請
・工事完了後に完了報告を提出

それぞれ、どのような内容かを紹介するので、ご覧ください。

補助金・助成金の対象を確認

まず国や地方自治体の補助金・助成金事業に、自社の状況に適したものがあるか確認しましょう。

情報は事業を実施している機関のホームページに掲載されています。

工事を依頼する業者に相談するのもひとつの方法です。

経験豊富な業者であれば、最適な補助金・助成金を教えてくれる可能性が高いです。

事業ごとに条件や期限などが異なるので、よくご確認ください。

補助金・助成金を申請

公募要領などを確認して、申請に必要な書類をそろえます。

見積書や図面が必要になる場合は、業者に相談して用意してもらいましょう。

書類の不備や漏れなどがないよう、チェックし、問題がなければ申請します。

締め切りギリギリではなく、余裕をもって提出することが重要です。

また、補助金・助成金は必ずもらえるわけではないため、申請の結果がわかってから業者と契約するのが安心です。

工事完了後に完了報告を提出

補助金・助成金の申請を行い、審査を経て採択されたら、計画通りに工事を実施します。

補助金・助成金を活用した場合、工事完了後に完了報告を行う必要があります。

完了報告が漏れてしまうと、補助金・助成金が振り込まれない可能性があるので、必ず行いましょう。

完了報告が認められると、後日に補助金・助成金が振り込まれます。

岡山県の工場・倉庫で使える補助金・助成金を申請する際の注意点

補助金・助成金を申請する際には、以下のポイントに注意しましょう。

・補助金、助成金事業は毎年実施されるわけではない
・補助金、助成金の支給は後払いが多い
・検査が入る場合がある

それぞれ解説するので、ぜひご覧ください。

補助金・助成金事業は毎年実施されるわけではない

補助金・助成金事業は、毎年実施されるわけではありません。

今年実施されていても、次年度には打ち切られている可能性があるので、注意が必要です。

補助金・助成金事業を活用したい場合は、ホームページなどで最新情報をこまめにチェックしておきましょう。

補助金・助成金の支給は後払いが多い

補助金・助成金の支給は、後払いが多い傾向があります。

そのため、業者への支払いは自社で行う必要があります。

また、補助金・助成金は必ず受給できるわけではありません。

受給できたとしても、支給に時間がかかります。

事業終了後から数ヶ月かかることが多いので、資金に余裕を持って申請することが重要です。

検査が入る場合がある

補助金・助成金を使うと、会計検査院などの検査が入る場合があります。

補助金・助成金の財源は税金や雇用保険なので、支給した補助金・助成金が正しく使われているかチェックするためです。

諸経費や事務処理が適切であれば問題ありませんが、不正と疑われる場合、指摘が入る可能性があります。

担当者は、検査の有無にかかわらず、適切な事務処理を行うことが重要です。

2025年に岡山県で工場・倉庫で使える補助金・助成金をチェックし、お得に運営しよう

岡山県内の工場や倉庫で工事を検討している場合は、活用できる補助金や助成金がないか調べてみましょう。

補助金や助成金は、国だけでなく、県や市町村などさまざまな自治体で用意されています。

自社の工場・倉庫で利用できる制度を見つけ、少ない負担で工事を実施しましょう。

もし自分で調べるのが難しい場合は、信頼できる業者に相談するのもひとつの方法です。

業者に相談すれば、自社に適した補助金・助成金を選んでもらえるだけでなく、工事内容についてのアドバイスも受けられます。

工場や倉庫の工事を検討している方は、ぜひ専門業者に問い合わせてみてください。

なお、本記事の内容は2025年2月時点の情報です。詳細については、必ず各自治体のホームページで最新情報をご確認ください。