工場に設置できる足元暖房の種類を解説！選び方や他の寒さ対策も紹介
工場は冷気が溜まりやすく、足元も冷えやすい環境です。
従業員の体温低下は健康被害や労災のリスクにもつながりかねないため、足元暖房の設置が求められます。
本記事では工場に設置できる足元暖房の種類や選び方を紹介します。
足元暖房の設置以外に工場で実施できる寒さ対策も解説するので、工場の寒さにお悩みの方はぜひご一読ください。
工場で働いている従業員の足元が寒くなる理由として、以下のことが挙げられます。
・天井が高く広い空間の構造で、空調効率が良くない
・床がコンクリート製であることが多く、冷えが足元に伝わりやすい
・暖かい空気は天井付近に溜まり、冷たい空気は床側に溜まりやすい
これらの理由によって、従業員の足元から冷えてしまいます。
従業員が感じる寒さを改善させるためには、足元暖房が有効です。
工場に設置できる足元暖房には、以下の種類があります。
・マットタイプ
・パネルタイプ
・電気ストーブタイプ
・ファンヒータータイプ
それぞれの足元暖房の特徴を詳しく紹介します。
マット型で直接足を置くことができ、足の裏を温められます。
靴を履いたまま使える型や足を支えるフットレスト型もあります。
立ち仕事や作業机での座り作業のどちらでも使用可能です。
靴の汚れでヒーターが汚れる可能性がありますが、防水で水拭きできるものなら衛生的に使用できます。
内蔵された電気ヒーターでパネルを加熱し、放出する熱によって足元を暖めます。
膝から暖められる3面型や省スペースに設置できる1面型などがあり、作業台や作業机などの下に設置できます。
表面の汚れを布で拭き取る、ブラシで隙間の汚れを取り除くなどの方法で、メンテナンスが可能です。
発熱体に電気を流し、熱を放射させることによって足元を暖めるタイプの暖房です。
火を使わないため安全性が高く、空気も汚れずに使用できます。
設置や移動が簡単なものが多く速暖性にも優れており、スポット暖房として作業机や作業台の下にも設置しやすいタイプです。
発熱体に電気を流して発生させた熱をファンによって温風として送り出します。
セラミック発熱体を使用している「セラミックファンヒーター」が主流で、優れた速暖性が特徴です。
灯油を使用するタイプもありますが、足元暖房としては電気タイプが多く利用されています。
消費電力が高く電気代がかかりますが、軽量でコンパクトなタイプが多く、作業台や作業机の下にも設置できます。
足元暖房を工場に設置するなら、以下の特徴から選ぶのがおすすめです。
・暖房に備わっている機能で選ぶ
・暖房の発熱方式で選ぶ
選び方についてそれぞれ解説します。
工場で使用する足元暖房は、以下の機能に着目して選びましょう。
・安全装置や過熱防止の機能
・温度を調整する機能
・余分な電力消費を抑える機能
・丸洗いや水拭きに対応している機能
工場に設置するなら、やけど・火災のリスクが少ないサーモスタット機能や転倒時に電源がOFFになる機能など、安全性能が備わっているタイプが適しています。
作業内容や人によっても適温が異なるため、温度を調整できる機能もあると便利です。
タイマーや人感センサー機能もあれば、余分な電力消費を抑えられます。
床に近い場所に設置する暖房はホコリやゴミなどで汚れやすいため、丸洗いや水拭きに対応しているものだと衛生的に使用できます。
足元暖房は、発熱方式によっても特徴や暖まり方が異なります。
石英管ヒーターは遠赤外線によって体の芯から暖まる一方で、ハロゲンヒーターと比較すると立ち上がりには、時間が必要です。
ハロゲンヒーターは高い速暖性で部分暖房に適していますが、比較的多くの消費電力がかかります。
カーボンヒーターは速暖性に優れ、他の発熱方式と比較すると少ない電力消費で使用可能です。
PTCヒーターは過熱保護性能によって安全性が高く、省エネに優れています。
発熱方式の違いを知っておくことで、自社工場に適した足元暖房を選びやすくなります。
工場に足元暖房を設置することで、以下のメリットが得られます。
・作業効率の維持
・従業員の健康維持
・ランニングコストの低減
寒さを感じる環境で作業をしていると、集中力・作業効率・モチベーションが低下します。
また、寒さによる体温低下は、体調不良だけでなくインフルエンザや低体温症といった病気にもつながりかねません。
足元暖房の設置は作業に集中できる環境を整え、従業員の健康を守ることにもつながります。
また、足元暖房は従業員の足元を局所的に暖められるため、工場全体を暖める暖房の稼働時間や出力の抑制が可能です。
無駄な暖房のエネルギー消費を抑えれば光熱費の削減につながり、長期的にはランニングコストの低減にも期待できます。
足元暖房を工場で使用する際には、安全性を確保することが必要です。
コンセントや配線の位置に注意し、たこ足配線を避けたりコードカバーで保護したりすると、出火や漏電などのリスクを低減できます。
火気厳禁のエリアでは、赤外線ヒーターやPTCヒーターのように火を使わず換気も不要な暖房を使用しましょう。
また、工場全体の労働環境を改善するには足元暖房だけでは不十分です。
足元暖房以外の寒さ対策も併用することをおすすめします。
足元暖房は以下の寒さ対策と併用すると、さらに労働環境の改善が見込めます。
・遮熱材の施工
・断熱材の施工
・ビニールカーテンの設置
・シーリングファンの設置
・床用マットの設置
・防寒衣類・防寒グッズの活用
どのように寒さ対策を行うのかについて解説します。
遮熱材とは、遠赤外線などの輻射熱を反射させる建材です。
屋根や壁に遮熱材を施工すれば、室内の熱を外に逃がさないため、保温性の向上も期待できます。
暖房の効きが良くなれば、電気代や燃料代などのランニングコストを抑えられます。
ただし、遮熱材は熱源のある場所で効果を発揮するため、輻射熱を放射する暖房などが必要です。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、オリジナルの遮熱材「シャネリア」を使用した遮熱工事を行っています。
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断熱材は熱の伝達を遅らせ、熱が外に逃げるのを抑える機能のある建材です。
屋根や外壁などに施工することで室内の温度を一定に保ちやすく、暖房のランニングコストの低減が期待できます。
断熱材には、以下の種類があります。
・繊維系断熱材（グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー）
・発泡プラスチック系断熱材（ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム）
それぞれ特徴が異なるため、施工箇所に適した断熱材を選ぶことが重要です。
人や物の出入りが多くない作業スペースへの寒さ対策には、ビニールカーテンも効果的です。
エリアごとに仕切りを作ることで冷気を遮断でき、暖気が外に出るのを抑えられます。
空調効率が向上し、暖房も効きやすくなる対策です。
少ない費用で設置でき、取り付け・移動もしやすいため、気軽に取り入れられます。
ただし、大きな工場や人の移動が多い場所ではビニールカーテンを開閉する頻度が増えやすく、期待しているような効果が得られない可能性があります。
シーリングファンを天井に設置すれば、工場内の空気が循環するので、室温を一定に保ちやすくなります。
天井付近の暖気を循環できれば底冷えの解消につながり、暖房効率の向上や電気代の削減にも期待できます。
ただし、工場の大きさによってはシーリングファンの設置だけでは不十分な場合があるため、他の寒さ対策との併用も検討しましょう。
足元の底冷え対策に使うなら、床の冷たさを遮断できる床用マットも有効です。
クッション性もあるため、立ち作業による腰痛対策としても活用できます。
サイズ調整ができるタイプなら、作業スペースに合わせて設置可能です。
特に寒いエリアで作業する場合や寒さに弱い従業員がいる場合には、各自で寒さ対策を実施するのも効果的です。
作業服の上に防寒服を着るのは、安全上などの問題から難しい場合があるため、服の下に着用するインナーなどで対応するのがおすすめです。
発熱機能を持つインナーや裏起毛の靴下、カイロなどのグッズを使用することを呼びかけ、必要に応じて支給も検討してみましょう。
工場に足元暖房を導入して快適な作業環境を実現しよう
