倉庫の熱中症対策とは?企業に対策が求められる背景、対策・企業の取り組み事例を紹介
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こうした暑熱環境を放置すると、そこで働く人が熱中症を発症する危険性も……。熱中症とは、高温多湿の環境で長時間過ごすことで体温調節機能が低下し、体内に熱がこもった状態を指します。発症すると、めまい・けいれんなどの症状が現れ、重症化すれば命に関わる恐れがあるので注意が必要です。
熱中症を防ぐためには、室内の暑さを防ぐ対策を講じることが大切です。本記事では、倉庫で熱中症対策が必要となる背景を踏まえつつ、具体的な対策方法や実際の企業の取り組み事例を紹介します。
参考記事:職場でおこる熱中症(厚生労働省)
倉庫の熱中症対策が必要な理由
昨今は、気象の変動や法律改正の影響により、倉庫における熱中症対策の必要性が一段と高まっています。まずは、倉庫が熱中症対策を求められる背景について、詳しく解説します。
- ・日本の夏の平均気温が上昇している
- ・熱中症対策が義務化された
日本の夏の平均気温が上昇している
気象庁は、令和7年夏(6~8月)の平均気温偏差が昨年・一昨年の+1.76℃を大きく上回って+2.36℃になったことを公表しました。こうした状況から、日本の「夏の平均気温」は上昇傾向が続いており、熱中症のリスクも年々高まっていることが伺えます。
とくに倉庫をもつ運送業では、窓が少ない建物も多く、室内が高温多湿になりやすいため、熱中症を発症するリスクが高くなります。厚生労働省が公表した「熱中症の業種別発生状況(2019~2023年)」によれば、運送業は建設業・製造業に次いで3番目に熱中症が発生しやすい業種とされています。
こうした背景を踏まえると、倉庫で働く人に対する熱中症対策は、今後ますます欠かせないものになると言えるでしょう。
熱中症対策が義務化された
厚生労働省は、熱中症の重篤化を防止するため、労働安全衛生規則を改正しました。これに伴い、令和7年6月1日から「熱中症対策の義務化」が施行されます。企業が対策を怠った場合、罰則を受ける可能性があるため、対象となる企業は適切な対応を講じる必要があります。
対象となるのは、作業員に対して「WBGT(※湿球黒球温度)28度以上、または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上、もしくは1日4時間を超える作業を実施させる」ことが見込まれる事業主です。該当する企業は、以下の内容を遵守する必要があります。
- ・「熱中症の自覚症状がある、または恐れがある作業員が見つかった場合、速やかに報告できるように連絡先・担当者などの体制を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者へ周知する。
- ・熱中症の恐れや自覚症状を持つ作業者が確認された場合、作業から直ちに離脱させ、身体の冷却を行う。または、必要に応じて医師の診察・処置を受けさせる。
- ・緊急連絡網・緊急搬送先の連絡先・所在地など、症状の悪化を防ぐために必要な措置や手順を事業場ごとに定め、関係作業者へ周知する。
これらの対策を講じることで、万が一作業員が熱中症を発症した場合でも迅速な対応が可能となり、重症化のリスクを大幅に軽減できます。
具体的な倉庫の暑さ対策
- ・スポットクーラーを設置する
- ・屋根にスプリンクラーを設置する
- ・屋根に遮熱シートを施工する
スポットクーラーを設置する
多くの工場では、エアコン本体を室内に設置しているため、建物自体の暑さ対策にはなっていないことが多いのが現状です。それどころか、エアコン本体が発する熱により、かえって室内の熱源を増やしてしまっているケースも少なくありません。
ただし、スポットクーラーはエアコンと同じ「ヒートポンプ式(※空気中の熱エネルギーを集めて空調や給湯に利用する技術)」で空気を冷却するため、使用と同時に湿度を下げる効果も期待できるので熱中症対策には向いています。
スポットクーラーは、機種によって吹き出し口の数が1~3口に分かれています。2口以上のタイプであれば、複数方向を同時に冷やすことが可能です。ただし、吹き出し口が増えるほど価格も高くなるため、現場の広さや従業員数に応じて適切なタイプを選びましょう。
屋根にスプリンクラーを設置する
屋根の熱対策として有効なのが、屋根用スプリンクラーの設置です。スプリンクラーとは、散水によって屋根を冷やす設備のことです。屋根上にスプリンクラーを配置し、散水によって屋根表面を冷却することで、屋根表面の温度上昇を抑えられます。その結果、倉庫内の室温上昇を効率的に防ぐことが可能です。
その一方で、屋根用スプリンクラーは初期費用が高額であることや、散水のたびに水道代が発生するため、設置にあたってはコスト面も十分に考慮する必要があります。
屋根に遮熱シートを施工する
遮熱シートには、日射を防ぐ作用の他にも、熱を「遮る(反射する)」作用があります。その働きによって、冷暖房の省エネ効果を高める、または冬の寒さを軽減する効果も期待できます。
遮熱シートは、アルミの純度が高いほど反射性能が向上するため、より高い効果を求める場合は純度の高い製品を選ぶことが大切です。
実際の企業の取り組み事例
作業員の熱中症を防ぐために、すでに独自の取り組みを進めている企業も少なくありません。ここでは、企業における熱中症対策の具体的な事例を紹介します。
- ・休憩場所にスポットクーラーを設置
- ・倉庫の屋根に遮熱シートを施工
- ・倉庫の外壁に遮熱シートを施工
休憩場所にスポットクーラーを設置
神奈川県横浜市にある港湾運送業の企業では、作業員の健康と安全を守るため、徹底した熱中症対策に取り組んでいます。たとえば、作業場所近くの上屋内にビニールハウス製の簡易休憩所を設置し、作業員が随時休憩できる環境を整えています。
休憩所には、作業員が涼しく過ごせるようにと、スポットクーラーを設置しています。さらに、管理者や管理者候補に対しては、作業員が熱中症を発症した際の対応などについて、3~7時間程度の教育を実施しているとのことです。
このように、涼しく過ごせる「休憩所」を確保することで、そこで働く作業員の体に熱がこもりにくくなり、熱中症リスクを抑えることが可能です。
倉庫の屋根に遮熱シートを施工
施工前の屋根は築年数が経過したスレート屋根で、全体的に変色や傷み、褪色が見られ、梁の上以外に体重をかけると割れてしまうほど損傷が進んでいました。そこで今回は、既存の屋根の上に新たな屋根を重ねる「カバー工法」を採用。カバー工法は屋根全体をシートで覆うため、穴や傷などの損傷を補修し、雨漏り防止にも効果を発揮します。
さらに、カバー工法で遮熱シートを施工することによって、「屋根の強度が向上し、屋根の上を安全に歩けるようになる」「外観が美しくなる」といったメリットも期待できます。
倉庫の外壁に遮熱シートを施工
施工の際には、壁面にシャネリアを貼り付け、その上からカバー鋼材を重ねる方法を採用しました。外壁の色は自由に選択できるため、今回は施主様が選ばれた濃い緑色を採用しています。施工後は、スレートの建物全体がガルバリウム鋼板で包まれ、外観も美しく整いました。
また、施工後には社員の方から「例年は6月に入るとクーラーをつけていたが、今年は7月まで使わなかった」「工事前と比べて体感温度がまったく違う」といった嬉しい声も寄せられています。
まとめ
熱中症対策の義務化により、条件に該当する企業は小規模な事業所であっても対策を講じる必要があります。しかし、対策の内容によっては初期費用やランニングコストが発生する場合もあるため、予算が限られている企業や「経費を抑えて売上を確保したい」と考える企業にとっては、費用対効果の高い対策を選ぶことが大切です。
弊社の遮熱シート「シャネリア」は、必要な箇所に貼り付けるだけで施工できるため、導入・施工コストを大幅に抑えられます。さらに、ランニングコストもかからないため、予算面が気になる事業主様にも安心してご利用いただけます。シャネリアは輻射熱に対して高い効果を発揮し、屋根裏に施工した事例では、屋根裏温度を64.5℃から約半分の32.5℃まで低下させた実績もあります。
「倉庫の熱中症対策を始めたいが、何から取り組むべきかわからない……」
「コストを抑えつつ、しっかり効果のある対策を導入したい」
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