工場での使用におすすめする暖房の種類は？導入時のポイントも紹介
「高い天井や広い空間を効率的に暖められないか」
「工場に適した暖房を知りたい」
冬の工場は寒くなりやすいため、自社工場に適した暖房を設置したいと考えている方もいるでしょう。
本記事では、工場で使用するのにおすすめの暖房を紹介します。
導入する際のポイントや暖房の効率を向上できる寒さ対策も解説するので、暖房の導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
工場で使用するのにおすすめの暖房は、以下の5種類です。
・石油ストーブ
・石油ファンヒーター
・ジェットヒーター
・遠赤外線ヒーター
・電気ファンヒーター
それぞれの暖房の特徴を詳しく解説します。
灯油を燃焼させて、広い空間を暖められる暖房です。
ファンを使用しないため運転音が静かで、電気も不要です。
停電した場合や電源設備が制限されているエリアにも対応できます。
反射板によって熱を放射する反射式は、前方を集中的に暖められるのが特徴です。
対流式は反射式ほどの速暖性はありませんが、360度全ての方向に熱を放出するため後方もムラなく暖められます。
いずれのタイプも一酸化炭素中毒になる恐れがあるため、使用時には十分に換気を行わなければなりません。
灯油の購入や定期的な給油も必要で、石油ストーブのタンクや室内の広さによっては給油の回数が頻繁になる場合があります。
灯油を燃焼させ、ファンで温風を循環させるタイプの暖房です。
送風ファンが付いていて電気が必要となるのが、石油ストーブと異なる点です。
点火スピードが短いタイプもあり、限定された空間であれば効率良く暖められます。
自動温度調節や省エネモードなど、さまざまな機能が付いているのも特徴です。
石油ストーブと同様に十分な換気と灯油の定期的な給油が必要となります。
灯油を燃焼させ、高い出力で空間を暖める大型の暖房です。
ジェットヒーターは以下の3種類に分けられます。
・赤外線で広い空間を暖める「遠赤外線式（ブライトヒーター）」
・直火の熱を風で送る「熱風直火式（ダクト型）」
・バーナーからの熱をファンで送り出す「熱風間接式（熱交換型）」
遠赤外線式のブライトヒーターは遠赤外線オイルヒーターと呼ばれることもあります。
遠赤外線式は静音性が高く、施設や会場での使用が多い暖房です。
特に高出力の熱風直火式は塗料の乾燥やコンクリートの養生に、有害ガスを含まない熱風間接式は工場や建設現場で使用されています。
電気によって遠赤外線を放射するタイプの暖房です。
遠赤外線は人体に吸収されやすいため、体を芯から暖める効果があります。
周囲の温度や風の影響を受けにくく、換気も不要です。
工場では、主に以下の4種類が使用されています。
・ハロゲンヒーター
・シーズヒーター
・カーボンヒーター
・グラファイトヒーター など
それぞれ、放射量や速暖性、収納のしやすさなどが異なります。
いずれも暖められる範囲は限られるため、スポット暖房として利用されることが多い暖房です。
電熱線ヒーターで温風を送るタイプの暖房です。
速暖性が高く、電源を入れると短時間で温風が出ます。
灯油やガスなどのファンヒーターとは異なり火を使わないため、火事のリスクも少なく比較的安全に使用できる暖房です。
温度調整や省エネなど、さまざまな機能のモデルがあります。
ただし、広い空間を暖めるには不向きなため、スポット暖房として使用するのがおすすめです。
暖房を工場に導入するなら、以下のポイントを確認しておきましょう。
・使用目的や作業環境に適しているか
・安全装置が付いているか
・長時間でも作業に支障なく使用できるか
・電源やコードの設置場所に問題ないか
火傷や火災などの事故につながるリスクは、従業員や工場に大きな被害が及ぶため避けたいものです。
火気厳禁の場所や換気不可の環境では、電気タイプだと比較的安全に使用できます。
「対震自動消火装置」や「停電時安全装置」など使用中に異常があった際に自動停止する機能のある暖房なら、火災リスクの低減が可能です。
また、灯油など燃料給油式の暖房を使用する場合は給油作業が発生します。
暖房を長時間稼働する場合は、大きい給油タンクのある暖房や給油が不要な暖房を選ぶと、給油が通常作業の妨げになりにくくなります。
他にも、配線によるつまずきや漏電による火災も避けなければなりません。
電源やコードは適切な場所に設置し、延長コードを使用する場合もたこ足配線を避けるなど、十分に注意しましょう。
工場で暖房の使用をおすすめする理由は、以下の3点です。
・作業効率を維持するため
・従業員の健康を守るため
・事故や労災の発生リスクを低減させるため
冬場の工場は寒く、集中力や注意力が低下しやすい環境です。
従業員が体調不良や病気などによって健康的に働けない環境が続くと、作業効率の低下だけでなく、離職にもつながりかねません。
寒さによって手足の動きも鈍くなりやすく、ミスによるケガや事故につながる恐れもあります。
暖房を使用すれば、冬場でも従業員が安心して作業に集中できる環境の維持が可能になります。
暖房効率を向上させるなら工場に寒さ対策を行うのがおすすめ
工場は空調が効きにくい構造のため、暖房を導入したり暖房の出力を強くしたりしても、十分な効果が得られるとは限りません。
電気や灯油などの光熱費も、高額になる傾向があります。
一方で、工場に寒さ対策を行えば、暖房効率の向上効果が期待できます。
暖房の稼働時間や出力も適切に調整できるようになるため、光熱費やランニングコストの低減も可能です。
工場で使用する暖房の効率を向上させるには、以下の寒さ対策を行うのがおすすめです。
・遮熱工事を行う
・断熱工事を行う
・ビニールカーテンや遮熱カーテンを設置する
・シーリングファンやサーキュレーターを導入する
・床用マットを設置する
それぞれの寒さ対策について詳しく解説します。
遮熱材を屋根や外壁に施工すると内部からの輻射熱を反射できるため、暖房効率の向上につながります。
輻射熱とは、暖房から放出される遠赤外線のように電磁波で伝わる熱のことです。
工場内を効率良く暖められれば、電気代や燃料代といったランニングコストの低減も見込めます。
ただし、遮熱は熱源のない場所では効果を発揮できないため、暖房とあわせて活用するのがおすすめです。
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断熱工事を行えば、屋根や外壁から熱が逃げる速度を遅くできるため、暖房効率が向上しやすくなります。
室内の温度が安定するため、暖房のランニングコストを低減できる可能性もあります。
遮熱材と合わせて施工することで、暑さ対策も可能です。
主な断熱材として、以下の2種類が挙げられます。
・繊維系断熱材（グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー）
・発泡プラスチック系断熱材（ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム）
施工を検討するなら、自社工場に適した断熱材を選びましょう。
ビニールカーテンや遮熱カーテンも、暖房効率の向上効果が見込める設備です。
空間を仕切ることで冷気が入ってくるのをカットし、暖かい空気が逃げるのを防げます。
遮熱カーテンは熱を反射させる機能を持つため、ビニールカーテンより高い効果が期待できます。
ただし、人の移動が多い場所はビニールカーテンや遮熱カーテンを開閉する頻度が高く、期待した効果が得られるとは限りません。
工場の状況によっては、他の寒さ対策も検討しましょう。
シーリングファンやサーキュレーターの導入も、暖房効率の向上が見込める寒さ対策です。
暖かい空気は、天井に溜まる傾向があります。
天井にシーリングファンを設置したりサーキュレーターを稼働させたりして暖気を循環させれば、作業場所の温度差を解消できます。
サーキュレーターは手軽に設置できて、導入コストも比較的安価です。
ただし、大きい工場ではシーリングファンやサーキュレーターだけでは十分な対策とならない場合があるため、他の方法も検討することをおすすめします。
寒さ対策として床用のマットを設置するのも、効果が見込めます。
工場の床は、熱が伝わりやすいコンクリート製が一般的です。
床用マットを敷くと冷えを遮断でき、足元の熱が逃げるのも抑えられます。
断熱効果が備わったマットを設置すれば、より高い効果が期待できます。
マットには弾力性もあるため、立ち仕事による腰痛予防にもなる対策です。
おすすめの暖房の中から工場に適したものを選んで作業環境を整えよう
寒い作業環境を改善するには、工場に適した暖房を選ぶことが重要です。
おすすめした暖房の特徴や確認するべきポイントを把握し、十分に検討してから導入しましょう。
暖房効率が低いと感じる場合は、遮熱工事のような寒さ対策を行うのもおすすめです。
遮熱による寒さ対策を検討する際には、ぜひ遮熱やさん（運営：植田板金店）へお気軽にご相談ください。
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