ガルバリウム鋼板の屋根は暑い？軽減する方法や工場で人気の理由を解説
「ガルバリウム鋼板の屋根を導入したいけど、工場内が暑くなりそうで心配」
「ガルバリウム鋼板の屋根でも快適な工場にしたい」
こうした疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板はその耐久性や耐震性の高さから、工場で人気のある屋根材です。
本記事では、ガルバリウム鋼板の屋根が暑いといわれる理由について解説をします。
ガルバリウム鋼板の屋根の暑さを軽減する方法も紹介しているため、参考にしてください。
屋根がガルバリウム鋼板だと工場内が暑いといわれる理由
工場内が暑くなる原因は、屋根に溜まった熱が工場内に移動するためです。
金属であるガルバリウム鋼板は熱伝導率が良く、屋根材自体が熱くなるイメージを持たれています。
しかし、屋根材にガルバリウム鋼板を使用したからといって必ず工場内が暑くなる訳ではありません。
経年劣化や屋根の色によって工場内が暑くなるケースもありますが、対策を行えばガルバリウム鋼板の屋根でも暑さの軽減が可能です。
ガルバリウム鋼板とは板状の鋼にメッキ加工を施したものです。
ガルバリウム鋼板には下記のメリットがあります。
・金属の中でも錆びにくい
・薄くて軽量で丈夫
・耐震性が高い
一方でガルバリウム鋼板のデメリットは下記の通りです。
・音が響きやすい
・へこみやすく傷がつきやすい
・デザインの種類が少ない
・断熱材が付いていない屋根材は断熱性が低い
へこみや傷ができた場所から錆が発生しやすいため、定期的なメンテナンスをおすすめします。
日光によってガルバリウム鋼板が熱せられ、屋根に蓄積された熱が工場内に伝わることによって暑くなります。
熱の伝わり方には3種類あり、具体的には下記のとおりです。
・輻射熱
・対流熱
・伝導熱
中でも工場内が暑くなる主な要因は、遠赤外線などの電磁波によって熱が伝わる輻射熱です。
太陽から発せられる熱は輻射熱に該当します。
対流熱とは、ドライヤーのように空気によって熱が伝わることです。
伝導熱は、カイロのように直接触れることにより熱が伝わります。
工場内の暑さ対策には断熱だけではなく、輻射熱の影響を軽減するための遮熱も必要です。
暑い日でもガルバリウム鋼板の屋根からくる輻射熱を軽減する方法
工場内の暑さを軽減する方法として、遮熱と断熱が挙げられます。
太陽光を反射させて屋根が熱くなるのを防ぐのが遮熱で、工場内の屋根に蓄積した熱の伝導を遅らせるのが断熱です。
ガルバリウム鋼板の屋根を使った工場で遮熱や断熱をする方法は、下記の通りとなります。
・遮熱シートを施工する
・遮熱塗料を使う
・屋根の色を明るくする
・断熱材付きの屋根を施工する
・屋根裏や天井を断熱する
・屋根に換気棟や通気層を設置する
・遮熱効果のあるルーフィングシートを使う
・屋根に太陽光発電パネルを設置する
それぞれの方法について、詳しく説明します。
アルミニウムやポリエチレンなどの素材で作られた遮熱シートを屋根に貼ることで暑さ対策が可能です。
遮熱シートは太陽からの熱を防いで、ガルバリウム鋼板の屋根が熱くなるのを抑制します。
屋根から工場内に移動する熱が軽減されるので、工場内の温度上昇が抑えられます。
遮熱シートは冬には暖気が外に逃げるのを防ぐなど、遮熱以外の効果も得られる優れものです。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、下記の遮熱材を使用しています。
・シャネリア
・スカイ工法
・ルーフシェード
いずれも室内の高温化を抑え、空調の稼働効率や消費電力の削減率が向上した実績を持つ遮熱材です。
シャネリアの詳細はこちらスカイ工法の詳細はこちら
屋根の塗料が劣化したなどの理由で塗り直す場合は、遮熱効果のある塗料を選ぶと工場内の暑さが軽減されます。
遮熱塗料は熱の要因でもある赤外線を反射するため、屋根の温度上昇を抑える効果があります。
屋根の全面工事と比較すると手間とコストがかからない暑さ対策です。
ただし、施工時の環境や職人の技術によって効果が左右されるので信頼できる業者に塗り直しの依頼をしましょう。
ガルバリウム鋼板の屋根そのものや塗装の色を明るい色にすれば暑さ対策になります。
色は白やシルバーなどがおすすめです。
屋根に遮熱塗装をしない場合でも明るい色にすれば太陽光を反射するため、熱が吸収されにくくなり屋根の遮熱性がアップします。
一方で黒などの暗い色は太陽光を集めてしまい、屋根が熱くなるので避けたほうが無難です。
メーカーのカタログなどに記載されている数値を見れば、塗料の遮熱性の度合いを確認できます。
手ごろな暑さ対策ですが、太陽の光が反射して屋根がまぶしく見えるなどの理由で近隣住民の迷惑になる場合があります。
工場の外観に問題がなくても、地域や場所に適しているか慎重に判断したうえで色を選びましょう。
断熱材が付いているタイプの屋根材で施工すれば、工場内の暑さを軽減できます。
ガルバリウム鋼板の屋根材であれば、裏に断熱材が付いているものや表面に遮熱性の樹脂が塗装されているものが一般的です。
屋根材と一体化した断熱材によって屋根から工場内に伝わる熱が抑えられ、さらに遮音性も高まります。
断熱材が付いていない屋根材よりコストは増えますが、暑さは持続的に軽減されます。
予算に問題がなければ断熱材付きのガルバリウム鋼板の屋根材を選びましょう。
既存の屋根を改修する場合は、葺き替えかカバー工事で施工します。
大掛かりな工事をせずに暑さ対策をするなら、屋根裏や天井に断熱材を施工する方法があります。
断熱材によってガルバリウム鋼板の遮音性がアップするので、暑さ対策だけではなく防音対策にもなる方法です。
屋根を剥がさずに作業ができますが、屋根のデザインや施工条件によっては対応ができないケースもあるため業者に確認しましょう。
屋根裏や天井に断熱材を施工した際には、換気棟や通気層が必要となる場合があります。
換気棟や通気層は屋根回りの湿気を外に出して結露を防ぐだけではありません。
熱を排出する役割も担うため、屋根に換気棟や通気層を設置すれば暑さ対策となります。
通気層による空気の流れで屋根の表面に熱がこもらなくなり、換気棟によって屋根裏の熱気が温度差によって排出されます。
電気を使わずに温度調整や室内環境の改善ができる仕組みです。
換気棟については、電動ファンを利用する強制換気タイプの設備を設置する方法もあります。
ルーフィングシートには、屋根の下に敷いて水の浸入を防ぐ役割があります。
遮熱タイプのルーフィングシートも販売されており、暑さ対策に利用可能です。
遮熱効果があるルーフィングシートを敷くことにより、屋根の野地裏の温度上昇が抑えられて断熱性がアップします。
施工する際には通気層の設置も必要な場合があるため、業者に設置の要否を確認しましょう。
屋根に設置した太陽光発電パネルに太陽の光を集めれば、温度上昇を抑える効果が期待できます。
暑さ対策だけでなく節電にもなるので、日当たりの良い立地にある工場に向いている方法です。
ただし、太陽光パネルが設置されていない屋根の部分は温度が上昇します。
安定した環境を作るには、他の対策と併用するのがおすすめです。
暑いといわれるガルバリウムの屋根が工場で人気の理由
ガルバリウム鋼板は錆びにくく、軽くて耐震性があるので工場でも人気の屋根材となっています。
さらにガルバリウム鋼板はカバー工法にも使用される屋根材です。
カバー工法とは元からあった屋根に新しい屋根材を被せる方法で、下記のメリットがあります。
・廃材がでないためコストの削減と工期が短縮できる
・元の屋根を撤去する必要がなく、工場を稼働しながら施工ができる
・屋根の厚みが増して遮熱、短熱と遮音効果が期待できる
デメリットは、建物や既存の屋根材の状況によっては対応できないという点です。
とはいえ工場での作業を休むことなく施工できるので、ガルバリウム鋼板は工場に人気がある屋根材となっています。
対策を行えば工場内の暑さは軽減できますが、重要なのは業者選びです。
悪徳業者に騙された場合、費用をかけても問題は解決しません。
技術力が低い業者へ依頼すると施工後なのに暑さ対策の効果が発揮されず、すぐに再修理が必要になる場合があります。
下記の点を確認して信頼できる業者へ暑さ対策を依頼しましょう。
・資格を所有している職人が多数在籍している
・保証が充実している
・施工実績が豊富にある
一つずつ確認します。
資格があれば問題はないと断言はできませんが、資格所有者が不在または少人数より多数在籍している業者の方が安心感はあります。
業者のサイトの確認や問い合わせをして資格所有者の在籍数を把握しましょう。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では一級建築施工管理技士や一級建築板金技能士など、施工に関する資格を所有している職人が多数在籍しています。
屋根の修理を業者へ依頼しても一定のリスクが伴うため、施工後の保証が充実しているところを選びましょう。
保証に関するトラブル防止のためにも、保証内容を書面で発行してくれる業者を選べばさらに安心です。
屋根の工事は難しく、施工中に問題がない屋根材まで傷つけられる可能性があります。
施工後でも屋根の問題が解消できていない場合もあります。
依頼した遮熱や断熱の効果が発揮されないだけではなく、雨漏りなどのトラブル発生にもつながりかねません。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、全面改修屋根工事の施工から10年以内であれば施工が起因による雨漏りが見つかった場合、無償で補修や修復工事をいたします。
遮熱や断熱効果を高める工事の種類は豊富にあります。
施工実績が豊富な業者であれば、さまざまなニーズに対応してきた経験があるため希望に沿った施工が可能です。
現地調査などを行い、暑さの要因を特定して適切な工事を提案してくれます。
遮熱やさん（運営：植田板金店）は年間施工実績3,000棟以上あり、その一部の事例を紹介します。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、遮熱シートやカバー工法などを活用した暑さ対策の工事を請け負っています。
・遮熱カバー工法の事例
・遮熱カバー工法の事例
・遮熱工事（ルーフシェード）の事例
どのように施工したのか、それぞれの施工事例を詳しく紹介します。
株式会社長崎鐵工所様は、夏の暑さ対策と屋根の強度で悩まれていました。
空調機がない建物内は気温が高く上がるため、遮熱材「シャネリア」を挟んだカバー工事を施工しました。
屋根材には、太陽光の吸収率の低い白色のガルバリウム鋼板を使用しています。
建物が海の側にあるため、塩害対策にもなる塗装の保護付きです。
施工後は新品同様の仕上がりで、安心して屋根の上に上れる強度になりました。
工事業を請け負っているO社様は、スレート造りの倉庫の暑さとアスベスト対策が課題でした。
屋根の上にシャネリアを敷き、全体にガルバリウム鋼板のカバー材を被せる施工を行いました。
カバー材には、明るい色を採用しています。
施工した結果「全体的に効果は見られるが、特に2階が前ほど暑くなくなった。夏場に2階に上がったら汗だくになっていたのにそれがなくなった。」「特に中2階の作業が暑くなくやりやすくなった」という声をいただきました。
自動車販売店様は、整備工場内に熱がこもることに悩まれていました。
作業が難しい環境を改善するため、波型金属折版屋根の上にルーフシェードを施工しました。
ルーフシェードは既存の屋根の上に施工する遮熱材で、こもった熱をシートの隙間から放熱できます。
施工してデザイン性の高い見た目となり、「夏の朝一番に工場の中に入って行くのが苦ではなくなった」「前と後で7℃下がった」という声もいただきました。
ガルバリウム屋根の暑さ対策には定期的なメンテナンスも重要
ガルバリウム鋼板は丈夫とはいえ、気づいていないトラブルが発生している可能性があります。
トラブルを早期発見するためにも定期的なメンテナンスをおすすめします。
具体的な方法は下記のとおりです。
・屋根に異常がないか目視で確認する
・業者に定期点検を依頼する
・部分補修を行う
・塗料の塗り直しを行う
・全面工事を行う
上記のうち、目視での確認以外は業者に依頼しましょう。
専門知識がない素人の修理では不具合の解消は見込めません。
さらに別の不具合を発生させる可能性や落下をしてケガを負う危険性があります。
不具合が実際に発生していなくても定期的に目視で屋根の状況を確認しましょう。
確認するのであれば工場内から天井を見上げるか、近所に高い場所があればそこから屋根を目視します。
落下したり誤って屋根材を破損したりする可能性があるため、屋根にのぼるのは避けてください。
遮熱シートや屋根の破損が確認できたら、遮熱や断熱効果が発揮されていない可能性があります。
その場合は、業者へ連絡をして詳しく見てもらいましょう。
とくに台風や雹などの自然災害の後は目視での確認をおすすめします。
屋根の定期点検を行えば、遮熱や断熱効果が維持できているかなどの確認ができます。
屋根の状態を正確に把握するには知識と経験が必要となるため、点検は業者に任せてください。
定期点検によって屋根の不具合を早期に発見できれば、被害が大きくなる前に修理が可能です。
不具合が発生してからの修理と比較すると費用の削減にもつながります。
施工後に定期点検を行ってくれる業者だけではなく、依頼すれば都度点検を行ってくれる業者もいるので気軽に相談してみましょう。
部分補修は屋根の一部だけを補修する工事です。
屋根に関する専門的な知識がないと誤った方法で修理をしてしまう可能性があるため、部分補修は業者へ依頼しましょう。
部分補修は全面工事を行うより、比較的お手頃価格で不具合を直せます。
ただし、不具合の要因が複数ある場合もあるため、一回の工事で必ず補修できるとは限りません。
部分補修で対応するかは業者からの説明を受けた上で、慎重に判断してください。
屋根に塗られた塗料は、環境や外部要因などによって耐用年数よりもはやく機能性が低下する場合があります。
海の近くに建つ工場は塩分を含んだ海風による劣化の影響を受けるため、耐用年数よりも早めの塗り直しがおすすめです。
強風などが要因で物が屋根に当たった場合は、接触した箇所の塗装が衝撃によってはげている可能性があります。
塗り直しを行うことで遮熱や断熱といった機能性が回復し、工場内の暑さが改善します。
塗料の塗り直しには高い技術力が必要となるため業者へ依頼をしましょう。
屋根全体に不具合がある場合は、カバー工法や葺き替えといった方法で屋根を修理します。
既存の屋根の劣化がそこまで激しくない場合は、新しい屋根をかぶせるカバー工法で全面工事が可能です。
一方で劣化の激しい屋根材の場合は葺き替え工事となります。
葺き替え工事は古い屋根材を全て外し、新しい屋根材を設置する方法です。
葺き替え工事やカバー工事と同時に遮熱や断熱対策を行えば、暑さの改善が可能です。
ガルバリウム鋼板の屋根に暑さ対策をして工場内を快適にしよう
ガルバリウム鋼板の屋根は優れた素材ですが、季節や環境によっては熱くなります。
しかし、適切な暑さ対策を行うことで、暑い日でも過ごしやすい環境が作れます。
一つの方法でも暑さの改善が見込めますが、複数の方法を組み合わせた暑さ対策をするのがおすすめです。
効果的な暑さ対策のためにも、信頼できる業者へ相談してください。
立地条件や予算などに合った暑さ対策を選び、快適で効率の良い作業環境を作りましょう。
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