半導体工場に効果的な省エネとは？設備の導入や事例などを紹介
2025.3.13
設備の効率化や製造プロセスの最適化などに悩まれていませんか？
特に半導体工場は電気代をはじめとする光熱費がかかりやすいため、省エネを求められています。
そこで本記事では、半導体工場におすすめの省エネ方法をご案内いたします。
省エネにつながる遮熱や実際の施工事例もあわせて紹介するので、ぜひご参照ください。
半導体工場で実施したい省エネ方法として、以下のものが挙げられます。
・冷熱源機器の温湿度を適正化する
・空調機器を効率化する
・水や排気の量を削減する
・照明器具をLED化する
・室外機周辺の障害物を取り除く
・工場内の暑さ対策を実施する
どのように行うのかを、具体的に解説します。
半導体工場で冷水チラーや蒸気ボイラーなどの冷熱源機器を高効率の機器に改修し、省エネした事例があります。
冷熱源機器の室内温湿度条件や外気温度条件設定を調整するのも冷熱源機器の負荷を削減できるため、省エネ効果につながります。
外気によってフリークーリングを行うことも、冷熱源機器の温湿度を適正化するのに効果的です。
冬季は外気を利用して、冷水製造による冷凍負荷の削減につなげられます。
半導体工場の省エネ対策には、空調の効率化も重要です。
特に、次の項目を見直すのがおすすめです。
・搬送動力
・循環換気回数
・空調管理値
・空調制御方法
温湿度や吹出し温度を変更するのも、冷熱源機器の負荷を減少させるなどの省エネ効果が期待できます。
冬季は外気取入量を削減すると、省エネ効果が上がります。
排気風量やポンプヘッドを見直すなどの方法で水や排気の量を削減することも、効果的な省エネ方法です。
往還の温度差を確保することも水量を削減でき、省エネにつながります。
冬季には製造装置用の冷却水と純水を、熱交換器を設置し回収することで、加湿用の蒸気や都市ガス使用料の削減ができた事例もあります。
冷熱源機器や空調機器を調整しても省エネ効果が弱い場合は、生産設備をチェックしてみるのもおすすめです。
照明器具をLED化することも、半導体工場の省エネにつながります。
LED照明は、一般的な照明よりも消費電力や空調への負荷を抑える効果が期待できます。
寿命が長いので交換する頻度を少なくできるのも、LEDのメリットです。
照度も管理すると、より高い省エネ効果を得られます。
室外機の周辺に多くのものが置かれているために、温度調整が妨げられている場合があります。
室外機の吹き出し口がもので塞がっていると余分なエネルギー消費が増加し、空調が故障するリスクにもつながってしまいます。
積雪地域にある場合は、防雪フードの設置や定期的な除雪を行う必要があります。
意外と見落としやすいこととして、半導体工場内の暑さ対策も省エネにおすすめします。
半導体工場やクリーンルームは外部の気温の影響を受けやすいからです。
外から入ってくる熱は、空調効率を悪化させます。
外からの熱を防いで室温を一定に保つことは、省エネにつながります。
快適な作業環境の実現や光熱費の削減なども可能です。
暑さ対策というと屋根や壁の断熱といったイメージもありますが、実際は遮熱がおすすめです。
半導体工場の省エネを実践するなら、屋根や外壁からくる暑さを対策することをおすすめします。
屋根や外壁から室内に伝わる「輻射熱」は、断熱ではなく遮熱を行うことで防げます。
つまり工場の屋根や外壁に遮熱工事を行えば、外から暑さが侵入しにくくなり、空調効率が高くなり省エネにつながるのです。
半導体工場の省エネにおすすめの遮熱には、以下の方法があります。
・屋根や外壁に遮熱材を施工する
・屋根にルーフシェードを設置する
・屋根や外壁を遮熱塗料で塗装する
・屋根にカバー工法を行う
・電気炉や電気加熱装置の輻遮熱対策を実施する
・遮熱効果のある窓ガラスに交換する
それぞれの内容を説明します。
半導体の微細加工を行う際にチリやホコリがついていると正常な回路を形成できないため、綿状や粉状の断熱材は避けられます。
アルミの遮熱材は毛羽立ちや粉塵が発生しないので、半導体工場でも使えます。
屋根や外壁に遮熱材を施工することで太陽からの輻射熱を反射して、工場の温度が上がるのを防げます。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、超薄型高遮熱材「シャネリア」を取り扱っています。
高い遮熱性を持つシャネリアは輻射熱を約97％カットでき、消費電力の削減率を最大45％に抑えた実績を持つ遮熱材です。
シャネリアの詳細はこちら
ルーフシェードとは、既存の屋根にカバーして施工するタイプの遮熱材です。
遮熱・断熱・反射の日陰効果があるシートをハゼ式折版屋根に取り付けて、温度が上昇するのを抑えます。
5〜10月の暖冷房の負荷を45％近く削減したという省エネの実績を持っています。
美観が気になっている場合にもおすすめです。
遮熱効果のある塗料で屋根や外壁を塗装することで、輻射熱によって急激に温度が上昇するのを抑えます。
塗料を塗るだけなので他の遮熱方法と比べてコストを抑えられる点はメリットですが、経年劣化しやすいデメリットもあります。
取り入れたい場合は、定期的に塗り替えるタイミングで業者に相談してみるのがおすすめです。
カバー工法とは、既存の屋根をそのままに新しい屋根材を取り付ける工法です。
屋根が二重になるので遮熱はもちろん、耐久性や防音性の向上にもなります。
屋根全体を葺き替える必要がないため、工場を停止させずに短い工期で施工できます。
既存の屋根があまり劣化していない場合におすすめの遮熱方法です。
半導体工場の暑さ対策には、電気炉や電気加熱装置に遮熱材を施工するのも効果的です。
電気炉や電気加熱装置を遮熱することで熱の量が抑えられ、工場内の温度が緩和されます。
内部の放射によるロスや燃料代も削減できるため、省エネにつながります。
外からの熱は、窓ガラスからも入ってきます。
2枚以上のガラスを使用した複層ガラスなど遮熱効果の高い窓ガラスを交換するだけで、工場内の遮熱や省エネにつながります。
窓ガラスの交換なので、業務への影響もほとんどありません。
ただし、ガラスの種類によってはサッシの交換も必要となる場合があるため、よく調べてからガラスを採用するのがおすすめです。
工場に遮熱工事を行った事例を3つ紹介します。
実際に施工した前後の画像やどのような施工を行ったのかを詳しくお伝えします。
遮熱工事を検討する際の参考としてお役立てください。
夏場40℃くらいにも上がる建物の暑さ対策を行った事例です。
スレート材の屋根は経年劣化も進んで強度も弱まり、部分的な損傷も見られました。
お客様は暑さ対策や外観美化、アスベスト対策を希望されていたため、遮熱材（シャネリア）の施工とカバー工法をご提案しました。
スレート屋根の上にシャネリアを敷き、カバー工事を行っています。
シャネリアだけの施工で屋根がまぶしくなるのを防ぎ、カバー工事との組み合わせによって耐用年数を伸ばすことが目的です。
建物内の温度上昇を抑えられる屋根が完成し、新しくなったような見た目にもなりました。
屋根のカバー工事をすでにしている建物の遮熱工事を行った事例です。
お客様は労働環境の改善と新しい設備機械を入れた時のために遮熱工事を希望されていました。
屋根はカバー工事したばかりなので工事の対象から外し、壁の遮熱工事をご提案しました。
壁には窓以外の場所にシャネリアを貼り付け、内側から遮熱しています。
窓には遮熱材のロールスクリーンを取り付け、窓から入ってくる熱にも対応しました。
遮熱工事は屋根工事が大前提ですが、この事例のようにすでに屋根の工事を行っていても対応できる場合があります。
サビが部分的に発生している金属の折版屋根や外壁に、遮熱工事を行った事例です。
屋根の棟部分へはカバー工事を、他の屋根部分にはルーフシェードをご提案しました。
格子状の美しいフォルムのルーフシェードによって遮熱でき、美観もアップしています。
外壁にはシャネリアを貼り付け、カバー工事を施工しました。
金属の折版屋根には、このようにルーフシェードをおすすめしています。
遮熱は、半導体工場の省エネを進めるのに効果的な方法です。
作業環境の改善やコストカット、環境への負荷の軽減も期待できます。
半導体工場は需要が高いですが、従業員や環境への配慮も必要不可欠です。
自社の工場に適した遮熱方法を実践して、省エネを進めましょう。
