建物の軒下についている雨樋には重要な役割があります。
根本の役割は、雨や雪解け水などが屋根のいろいろな所から落ちて人や物にかかったりするのを防ぐことです。樋があって、水の流れに道筋を作ってやり、水の落ちるべき場所まで送ってやる役割をしています。
元々は平安時代に雨水を飲料水として使う為に貯水する場所まで水を送るのに使っていた物であると聞いております。

樋がないと、雨水は屋根から漏れっぱなし、垂れっぱなし、下では物や人が濡れっぱなしになります。

単純明快
経年劣化によって表面が老朽化し、樋に穴があいてそこから水が漏れます。
真下が資材置き場とか、人や車の出入り口とか、雨に濡れたら困る所であると早めの工事を望まれます。

原因としては前記の通り経年劣化の場合もあれば、天災の場合もあります。雹が降って穴があいたということが実際にありました。

改善方法としては樋の穴を塞ぐというよりも、樋交換がお勧めです。
交換箇所の色が変わる場合もありますが、気にされる方は交換後塗装するという手もあります。

軒樋とは屋根の軒下にある樋、谷樋は屋根が2つ接していた場合のその間にある樋です。
早い話が横に通っている樋のことです。
最近多いのがこの樋のオーバーフローです。

オーバーフローは、樋の容量を超えて中の水が溢れでてくる現象です。
これが起こると、下や周囲にある人や物や設備に水がかかったり、建物内部が浸水したりという被害がおこります。
オーバーフローが多くなった理由は、
Ⅰ.ゲリラ豪雨など異常気象現象が増えた
Ⅱ.Ⅰのせいで昔は規格内だった樋の大きさが合わなくなった
いうものが挙げられます。
たまにお客様で「建物を建てた時の業者がいい加減な仕事をした」と怒られる方もいらっしゃいますが、決してそうとは言い切れません。
20～30年前の材料規格では法定範囲内だったのです。
時代が合わなくなってしまったということです。

この場合も樋の交換工事しか解消方法はないので、ご相談に乗らせて頂きます。

一見軒樋のオーバーフローですが、よく見ると竪樋に水が流れていってない事に気づくことがあります。
これは竪樋が詰まっています。
水が流れなくなっています。
樋にはゴミやチリやホコリ等が飛んできます。中から雑草が生えている樋を見ることもありますが、時には泥や草の種が飛んで来るということです。そういう物が竪樋を詰まらせます。
また落ち葉や、近くの建物の外壁の塗料が経年劣化で剥れて樋に詰まるという症例も多いです。

これの解消法としては詰まった場所によるのですが、一番簡単なのは軒樋からの落し口付近にゴミが溜ってあるのが取りやすいです。
一番面倒なのは竪樋の中ほどで詰まる事で、専用の道具を必要とします。

対策方法としては定期的に軒樋、竪樋を掃除することです。

樋の工事で一番多いのは、やはり
「小さいから大きいものに変えてもらいたい」
というものです。
それは現状樋としての役割を果たしてないからということですが、屋根のカバー工事をするついでに変えるというパターンもあります。

ゲリラ豪雨による被害を受けるのは年1～2回という方が多いですが、その被害を避ける為にも樋の交換工事をしてみてはいかがでしょうか。