工場の大規模修繕はいつ必要？実施の目安と工事の流れを解説
工場の外壁や屋根は、長年の使用や自然災害などによって少しずつ劣化が進みます。
目に見えるひび割れやサビだけでなく、見えない部分でも劣化が進行していることがあり、安全性や生産効率に影響を及ぼすので注意が必要です。
本記事では、工場における大規模修繕の必要性や進め方について紹介します。
また、修繕のタイミングで遮熱工事をあわせて行うメリットや実際の工事事例にも触れています。
大規模修繕を検討中の方は、参考にしてください。
工場で大規模修繕が必要な理由は以下の3つです。
・経年劣化や自然災害による建物の損傷拡大を防ぐため
・不具合による生産性低下や業務支障を未然に防ぐため
・修繕をまとめて行うことで長期的なコストを抑えられるため
順に確認しましょう。
経年劣化によって屋根や外壁にひび割れやサビ、塗膜の剥がれが起こると、雨水が浸入しやすくなり、構造部分の腐食につながる可能性があります。
また、地震や台風、豪雨などの自然災害によって、外観では判断しにくい損傷が生じることもあります。
こうしたダメージを放置すると、雨漏りや内装の劣化に発展し、設備の故障や事故の原因にもなりかねません。
定期的な点検と適切なタイミングで修繕を行えば、被害の拡大を防ぎ、工場の安全と安定的な稼働を維持しやすくなります。
工場の設備も、使用年数に応じて徐々に老朽化が進みます。
劣化によって設備がうまく稼働しなくなると、作業効率が落ちたり、予定していた工程に遅れが生じたりする恐れがあります。
特に、空調設備の性能が低下すると室内の温度管理が難しくなり、作業環境にも影響が出るため注意が必要です。
また暑さや寒さによって従業員の集中力が下がると、生産性が低下するだけでなく、ケガや製品不良の発生といったリスクにもつながります。
さらに、不具合を放置した状態で業務を続けると、突発的な故障が起きやすくなり、予期せぬトラブルによって生産スケジュール全体に支障をきたすこともあります。
従業員の安全や製品の品質を守るためにも、早めに修繕を検討することが重要です。
修繕をまとめて行うことで長期的なコストを抑えられるため
工場の修繕は、都度対応するよりもまとめて実施した方が効率的です。
足場の設置費用や人件費などは工事ごとに発生するため、修繕工事を複数回に分けて行うと負担が大きくなる可能性があります。
また、複数回の修繕は施工範囲の重複やスケジュール調整や業者との打ち合わせといった対応の手間が発生しやすく、効率がよいとは言い切れません。
事前に計画を立てて一括で対応すれば、作業の無駄を減らせるため、全体の費用も抑えやすくなります。
さらに、突発的なトラブル対応に比べて、工場稼働への影響を最小限にとどめられる点も計画的に行う大規模な修繕の大きなメリットです。
工場の大規模修繕を行うタイミングは、外壁や屋根、塗装の耐用年数を目安に検討しましょう。
ただし、実際の劣化スピードは使用されている建材や塗装材の種類、工場の立地環境によっても異なります。
日射が強い地域や沿岸部では、想定より早く劣化が進むケースもあります。
塗膜の剥がれやひび割れなど、目に見える劣化があれば、年数にかかわらず早めの対応が必要です。
また、雨漏りや工場内の異常な暑さといった兆候は放置せず、内装や設備などへ被害が拡大する前に対処しましょう。
工場の大規模修繕で実施する主な工事内容は以下の4つです。
・外壁屋根の修繕
・構造の修繕
・内装の修繕
・設備の更新
一つひとつ確認していきましょう。
外壁や屋根は、風雨や紫外線の影響を受けやすく、劣化の進行が早い部分です。
外壁は、塗装の塗り直しや防水処理、張り直しを行うことで、耐久性を高められます。
屋根は、経年劣化によるひび割れやサビ、雨漏りなどの補修が中心です。
屋根材の破損やズレの修正、板金部分の補修も含まれます。
劣化の程度によっては、葺き替えやカバー工法による対応が必要になる場合もあります。
構造の修繕では、柱や梁、基礎など建物を支える部分のひび割れや劣化箇所を補修します。
劣化が進行すると、耐震性や安全性に影響を及ぼす恐れがあるため、早めの対応が重要です。
地震や台風によるダメージが蓄積していることもあるため、目に見える劣化がなくても定期的な点検が欠かせません。
鉄骨やコンクリートが腐食している場合には、必要に応じて補強工事を行うこともあります。
内装の修繕では、天井や壁、床といった内装材の劣化や汚れを補修します。
ひび割れや剥がれをそのままにしておくと、見た目だけでなく作業環境にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
工場内の清潔感や快適性を保つためには、美観の回復も重要です。
特に来客や取引先の立ち入りがある場合には、内装の印象が企業イメージに直結します。
また、断熱性や防音性を高めるための見直しや、作業内容の変更に伴う間取りの調整なども内装工事に含まれます。
設備の更新では、空調や給排水、電気などのインフラ設備を対象に点検と入れ替えを行うのが一般的です。
劣化の兆候を見極め、計画的に更新しておくことで、業務への支障を防げます。
また、設備を入れ替える際に省エネ性能の高い機器を導入すれば、エネルギーコストの削減にもつながります。
工場の大規模修繕なら遮熱工事を同時に行うのがおすすめ
工場の外装を修繕する際は、遮熱工事も一緒に行うと効率的です。
屋根や外壁に遮熱シートや遮熱材を施工することで、太陽による熱の侵入を抑え、室内の温度上昇を防ぎやすくなります。
遮熱工事を実施すると空調の稼働が抑えられ、光熱費の削減にもつながります。
工場内の室温も安定し、夏場の熱中症リスクも軽減できるため、非常にメリットが多い施工方法です。
さらに、空調機器への負荷が減ることで、設備の寿命が延びる効果も期待できます。
工場で遮熱工事を行った事例を2つ紹介します。
大規模修繕と同時に遮熱工事を検討している方は、参考にしてください。
岡山市中区にある工場に遮熱工事を行った事例です。
工場の既存屋根は金属製で一枚構造だったため、太陽の熱の影響を受けやすい状況でした。
「シャネリア」と呼ばれる遮熱材と、既存屋根の上から新たな屋根材を重ねる「カバー工法」の組み合わせを提案しました。
遮熱工事と同時に屋根のすき間を塞ぐ部材を取り付けて、雨水が入ってこないようにしています。
遮熱性を高めれば屋内の温度上昇が抑えられ、空調負荷と作業環境の改善につながります。
シャネリアの詳細はこちら
瀬戸内市牛窓地区にある部品製造会社の工場では、夏場の暑さ対策として遮熱工事を検討されていました。
遮熱のデモ機で実際に効果を確認していただいたうえで、施工を決定していただきました。
施工内容は遮熱材「シャネリア」の設置と、カバー工法の組み合わせです。
遮熱効果によって工場内の温度上昇を抑える効果や空調効率の向上が期待できます。
工場の外壁や屋根は、経年劣化や自然災害の影響で徐々に傷みが進行します。
ひび割れや雨漏りなどを放置すると、安全性の低下や業務への支障を招く恐れがあります。
設備の不具合や外装の劣化が気になった段階で大規模修繕を検討して、予期せぬトラブルやコストの増大を未然に防きましょう。
工場の稼働に合わせて計画的に修繕を進めれば、通常業務への影響を最小限に抑えることが可能です。
なお、外装を修繕するタイミングで遮熱工事をあわせて行うと、室内の温度上昇を抑えやすくなり、空調負荷の軽減や快適な職場環境の実現にもつながります。
遮熱工事にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
