工場に必須の冷却装置とは？種類や役割、暑さ対策などを解説
「夏の暑さで工場の設備や機器に不具合が発生しないか心配」
「設備や機器の暑さ対策には、どのような冷却装置が適切なのか知りたい」
酷暑の中でも、工場の設備や機器を安定して稼働させるのに必要不可欠なのが冷却装置です。
冷却装置といっても様々な種類があり、どれが自社工場に適切かわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、工場の冷却装置について紹介します。
工場に冷却装置が必要な理由や冷却装置の種類のほか、冷却装置以外の工場の暑さ対策についても解説するので、ぜひご覧ください。
冷却装置とは、文字通り工場の設備や機器の冷却を行う機械のことです。
生産設備や機器の温度を管理し、最適な状態で安定した稼働を維持する役割を持ちます。
設備や機器を冷却することで過熱による故障や不具合、性能低下などを抑制し、製品の品質を維持します。
食品工場などでは、製品の品質や衛生管理のために水や原材料の温度を保つのが役割です。
空調設備として、快適な室内の温度を維持する場合もあります。
暑さに悩まされる傾向がある工場の安定的な活動には、冷却装置が必要不可欠です。
工場で使用される、おもな冷却装置の種類は以下のとおりです。
・空冷式熱交換器（空冷ラジエーター）
・水冷式熱交換器
・クーリングタワー（冷却塔）
・チラー
それぞれの役割について解説するので、ぜひご覧ください。
空冷式熱交換器とは、周囲の空気を利用して管の中を流れる高温の流体を冷却したり低温の流体を加熱したりする装置のことです。
おもに管束とファンで構成されています。
高温の流体（気体や液体）を管束に流してファンで送風し、流体と空気の温度差で冷却する仕組みです。
ゴミ焼却プラントのような大規模な熱が発生する施設で使われることが多い傾向があります。
冷却水の供給が難しい場合にも、空冷式熱交換器が採用されることが多いです。
水冷式熱交換器とは、水などの液体の媒体を利用して、管の中を流れる流体を冷却または加熱する装置のことです。
身近なものであれば自動車のエンジン冷却に使われています。
冷却対象の流体が熱交換器内の一方の流路を流れ、冷媒となる液体がもう一方の流路を流れ、機器内を循環することで熱交換します。
熱交換の際に、2種類の流体が直接混ざることはありません。
空冷式が空気を利用するのに対して、水冷式は液体を冷媒として利用するのが違いです。
水は空気よりも熱伝導率が高く、効率的に熱を移動させられることから、水冷式熱交換器の熱交換効率は非常に高くなっています。
工場で水冷式熱交換器を使用する場合は、おもに設備や製品の冷却を目的に使用されます。
クーリングタワーとは、空調設備や冷凍機などで使用された冷却水を冷やし、再利用できるようにするための装置です。
大量の冷却水を効率よく冷やすために使用されており、大規模工場などで使用されます。
水が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化熱の原理を利用し、冷却水の温度を下げる仕組みです。
冷却水を外気と接触させることで冷却水の温度を下げ、もとの設備に戻すことで、空調や製造の安定した運用を実現しています。
チラーとは、対象物の温度を一定に保つ装置のことです。
おもに工場用水の冷却に使用されますが、冷却だけでなく温める目的で使用される場合もあります。
チラーは冷媒が循環する「冷凍サイクル」と冷水が循環する「循環水回路」の2つで構成されている装置です。
内部で冷媒が循環し、圧縮・凝縮・膨張・蒸発という冷凍サイクルによって、効率的に低温の熱を作り出します。
この冷水を冷却対象へ供給することで、対象物の精密な温度管理を実現しています。
冷却装置以外でおすすめの工場の暑さ対策としては、以下が挙げられます。
・遮熱工事
・断熱工事
・換気設備の導入
・休憩室の設置
・暑さ対策グッズの活用
・こまめな休憩や水分・塩分補給の推奨
それぞれ解説するので、ぜひご覧ください。
工場の暑さ対策には、遮熱工事がおすすめです。
工場が暑くなる原因は、太陽からの輻射熱が大部分を占めています。
夏の暑さが課題であれば、輻射熱に適切な対策を行うことが重要です。
暑さ対策を行う場合、屋根へ遮熱材や断熱材を施工するのが効果的です。
特に遮熱材は輻射熱を反射させる効果があるので、夏の暑さ対策に適しています。
屋根への遮熱工事は、遮熱シートまたは遮熱塗料の施工が一般的です。
なかでも遮熱シートは高い遮熱効果を期待できます。
太陽からの輻射熱をほとんど反射してしまうので、室内の温度上昇を大幅に抑制できます。
遮熱工事をするなら、超薄型高遮熱材のシャネリアがおすすめです。
輻射熱を97％カットし、室内の高温化を最大15度も下げられ、消費電力を最大45％削減できたというデータもあります。
遮熱工事を検討している方は、下記のページからご確認ください。
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暑さ対策には、断熱工事も効果的です。
断熱とは、熱の移動を抑制することを指します。
熱は温度の高い方から低い方へと移動する性質があります。
断熱効果がなく熱が移動しやすい建物の場合は、外気の影響を受けやすいため、夏に室温が高くなりがちです。
エアコンで冷やしても、外からどんどん熱が入ってくるので、電気代も高くなってしまいます。
断熱工事をすれば、外部からの熱の侵入を大幅に抑制することが可能です。
熱の移動を抑制するので、空調効率が格段に良くなり、省エネにもつながります。
また、冬場でも暖めた熱が外へと逃げにくくなる効果を得られるのも特徴です。
換気設備の導入も工場の暑さ対策に有効です。
換気設備により、機械の排熱や日射で温められた空気が室内上部に滞留する「熱溜まり」を解消し、室温の上昇を抑制できます。
新鮮な外気を取り込むことで、体感温度を下げる効果も期待できます。
他の空調設備などと併用することで、冷却効率を高めることも可能です。
また、粉じんやヒュームなどを排出することで、従業員の健康被害の予防や機械の故障リスクを低減させられるのもメリットです。
作業の合間に従業員が休憩できる休憩室を設置することも重要です。
作業場所の近くにエアコンがあり、いつでも快適に休憩できるスペースを確保することで、熱中症のリスクを低減できます。
休憩室には冷蔵庫や製氷機などを設置し、飲料水や塩分タブレット、塩分を含んだ飴などを常備しておくとより効果的です。
体温計なども準備しておくと、さらに従業員の体調管理をサポートできます。
まだ休憩室を設置していないのであれば、設置を検討するのがおすすめです。
従業員各自が暑さ対策グッズを活用するのもおすすめです。
可能であれば会社として支給すると、快適な作業環境づくりや従業員各自の体調管理を促進できます。
たとえば、以下のグッズが挙げられます。
・空調服：服の内部にファンが取り付けられた作業服
・吸汗速乾性の高いインナー：汗をよく吸い取り、素早く乾くTシャツ
・冷却タオルや冷却マフラー：水で濡らす、または素材に触れることでひんやりと冷たく感じられるタオルやマフラー
・ネッククーラー：首に装着して首元を冷やすグッズ
これらを活用することで、熱中症のリスクを下げ、少しでも快適な環境で作業できるようになります。
従業員各自でできる暑さ対策として、こまめな休憩と水分・塩分補給も非常に重要です。
会社として水分補給、塩分補給を呼びかけることで、従業員の健康リスクを低減できます。
夏に工場内で作業していると、大量の汗をかくため、水分や塩分が不足しがちです。
高い気温の中で水分や塩分が不足すると、熱中症のリスクが高まってしまいます。
熱中症にならないよう、コップ1杯程度（約150〜200ml）の水分をこまめに補給することが推奨されています。
補給する水分はスポーツドリンクのような塩分濃度0.1〜0.2％程度の水分がおすすめです。
冷却装置を活用して安定した工場の生産活動を維持させよう
工場の冷却装置は、設備や機器を安定稼働させるために必要不可欠な装置です。
冷却装置を活用することで、生産設備や機器の温度を管理し、最適な状態で安定した稼働を維持できます。
冷却装置にはさまざまな種類があり、工場の特徴や課題に応じて適切なものが異なります。
ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、工場に最適な冷却装置を選んで、工場の生産活動を安定化させてください。
