ガルバリウム鋼板の屋根は暑い？軽減する方法や工場で人気の理由を解説
「ガルバリウム鋼板の屋根を導入したいけど、暑さ対策はどうしているのだろう？」
「ガルバリウム鋼板の屋根でも快適な工場にしたい」
こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板はその耐久性や耐震性の高さから、工場で人気のある屋根材です。
本記事では、ガルバリウム鋼板の屋根は暑いのかを解説します。
ガルバリウム鋼板の屋根の暑さを軽減する方法も紹介しているため、参考にしてください。
ガルバリウム鋼板は金属なので、暑いイメージを持たれることがあります。
近年のガルバリウム鋼板の屋根は断熱する効果が高いため、暑くなりにくいです。
ただし、以下の要因で暑くなっている場合もあります。
・経年劣化している
・遮熱塗装がされていない
・断熱性が不足している
・屋根材の色が黒や紺などの濃色
ガルバリウム鋼板であることが理由で、暑くなるとは限りません。
暑さ対策が十分にできているのかどうかが重要です。
ガルバリウム鋼板の暑さ対策として、次の方法が挙げられます。
・遮熱シートを施工する
・断熱材付きの屋根を施工する
・遮熱塗料を使う
・屋根の色を明るくする
・屋根に換気棟を設置する
・屋根に通気層を設置する
・屋根裏や天井を断熱する
・遮熱効果のあるルーフィングシートを使う
・屋根に太陽光発電パネルを設置する
それぞれ方法が異なるため、詳しく説明します。
アルミニウムやポリエチレンなどの素材で作られた遮熱シートを屋根に貼って、暑さ対策を行う方法です。
太陽の熱は、屋根から入ってくることが多いです。
遮熱シートは太陽からの熱を遮熱するため、工場内の温度が上昇するのを軽減できます。
冬には暖気が外に逃げるのを防ぐなど、遮熱以外の効果も得られる優れものです。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、下記の遮熱材を使用しています。
・シャネリア
・ルーフシェード
いずれも室内の高温化を抑え、空調の稼働効率や消費電力の削減率が向上した実績を持つ遮熱材です。
屋根の中には、断熱材が付いているタイプもあります。
ガルバリウム鋼板の裏に断熱材を貼り付けた屋根や、表面に遮熱性のある樹脂を塗装したものが一般的です。
断熱材によって、ガルバリウム鋼板から室内に熱が伝わるのを防ぐ性能があります。
夏は暑さを緩和し、冬は寒さを抑えることが可能です。
設置する際には、葺き替えやカバー工事を行います。
多くの種類のものから選べるのも、断熱材付きの屋根の特徴です。
屋根の塗料が経年劣化していることで工場が暑くなっている場合は、遮熱効果のある塗料を塗り直すのも暑さ対策となります。
遮熱塗料には太陽光を反射する特性があるため、屋根の温度上昇を軽減できます。
施工時の環境や職人の技術によって効果が左右されますが、外観を改善したい場合やメンテナンス費用を抑えたい場合には効果的な方法です。
ガルバリウム鋼板自体を明るい色のものにする、明るい色に塗装するなどの方法も、効果的な暑さ対策になります。
濃色は太陽光が集まりやすいため、暑くなってしまいます。
遮熱効果を高めるには、白やシルバーなどの反射色がおすすめです。
色が明るいほど熱を吸収しにくく、遮熱性がアップします。
遮熱性の高さはメーカーのカタログなどに数値が書かれているので、確認できます。
一般住宅の場合は、明るい屋根の色が周囲の景観から浮いてしまう懸念がありますが、工場なら気になりにくいです。
ただし工場であっても、景観について近隣住民とトラブルになる可能性はゼロではありません。
屋根の色を決める際には慎重に、地域のことも考慮するのが無難です。
屋根に換気棟を設置することで、屋根裏の熱を排出できます。
熱くなった空気は上部にこもるため、換気棟でこもった熱を逃がして屋根の温度上昇を軽減可能です。
電気を使わずに自然に換気でき、温度調整の効率化や室内環境の改善にも役立ちます。
電動ファンを利用して換気を行う強制換気タイプの設備を設置する方法もあります。
工場の暑さ対策には、屋根と断熱材の間に通気層を設ける方法もあります。
通気層によって空気の流れを確保でき、屋根の表面にある熱気がこもるのを抑えられるのです。
断熱層の内部に溜まった水蒸気も外部に放出でき、結露防止の効果も期待できます。
大掛かりな工事をせずに暑さ対策をしたい場合は、屋根裏や天井を断熱する方法も効果的です。
屋根裏や天井の裏側に断熱材を施工することで、暑さを軽減できます。
屋根を剥がさずに作業できますが、現状の屋根のデザインや施工条件によっては対応できない場合もある点に注意しましょう。
屋根の下に敷くルーフィングシートにも遮熱効果があるものを選ぶことで、屋根の断熱性をアップできます。
ルーフィングシートは水が浸入するのを防ぐのが主な役割ですが、遮熱や断熱タイプも販売されているため、暑さ対策にも利用可能です。
遮熱効果のあるルーフィングシートを屋根に施工する際には、通気層の設置も必要な場合があります。
日光が屋根に設置する太陽光発電パネルに集まることで、温度上昇を抑える効果が期待できます。
節電だけでなく暑さ対策にも有効なので、日当たりの良い立地にある工場に向いている方法です。
ただし、太陽光パネルが載っていない屋根の部分は温度が上がります。
安定した環境を作るには、他の対策と併用するのがおすすめです。
遮熱やさん（運営：植田板金店）では、遮熱シートやカバー工法などを活用した暑さ対策の工事を請け負っています。
・遮熱カバー工法の事例
・遮熱カバー工法の事例
・遮熱工事（ルーフシェード）の事例
どのように施工したのか、それぞれの施工事例を詳しく紹介します。
株式会社長崎鐵工所様は、夏の暑さ対策と屋根の強度で悩んでおられました。
空調機がない建物内は気温が高く上がるため、遮熱材「シャネリア」を挟んだカバー工事を施工しました。
屋根材には、太陽光の吸収率の低い白色のガルバリウム鋼板を使用しています。
建物が海の側にあるため、塩害対策にもなる塗装の保護付きです。
施工後は新品同様の仕上がりで、安心して屋根の上に上れる強度になりました。
工事業を請け負っているO社様は、スレート造りの倉庫の暑さとアスベスト対策を課題としていました。
屋根の上にシャネリアを敷き、全体にガルバリウム鋼板のカバー材を被せる施工を行いました。
カバー材には、明るい色を採用しています。
施工した結果「全体的に効果は見られるが、特に2階が前ほど暑くなくなった。夏場に2階に上がったら汗だくになっていたのにそれがなくなった。」「特に中2階の作業が暑くなくやりやすくなった」という声をいただきました。
自動車販売店様は、整備工場内に熱がこもることに悩んでおられました。
作業が難しい環境を改善するため、波型金属折版屋根の上にルーフシェードを施工しました。
ルーフシェードは既存の屋根の上に施工する遮熱材で、こもった熱をシートの隙間から放熱できます。
施工してデザイン性の高い見た目となり、「夏の朝一番に工場の中に入って行くのが苦ではなくなった」「前と後で7℃下がった」という声もいただきました。
ガルバリウム鋼板の屋根に暑さ対策をして工場内を快適にしよう
ガルバリウム鋼板の屋根は季節や環境によっては熱くなります。
しかし適切な暑さ対策を行うことで、過ごしやすい環境が作れます。
複数の方法を組み合わせた暑さ対策をするのがおすすめです。
ガルバリウム鋼板は優れた素材なので、対策をすることで暑くなく作業のしやすい工場にできます。
立地条件や予算などに合った暑さ対策を選び、快適で効率の良い作業環境を作りましょう。
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